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イベントレポート

2021年度 山本雄士ゼミスペシャル『国際保健スペシャリスト馬渕氏に学ぶ,COVID-19時代の国際保健〜マネジメント/リーダーシップの秘訣〜』(2/20)

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2021年度2月の山本ゼミでは,ゲスト講師として馬渕俊介先生をお迎えし,特別企画をお届けしました。

馬渕俊介先生は,JICAや世界銀行,ビル&メリンダ・ゲイツ財団といった,世界の名だたる国際支援団体でリーダーポジションに就き,グローバルヘルスの第一線に立ってきた『国際保健スペシャリスト』です。

会場の様子

馬渕先生によるレクチャーと質疑応答を行った2時間のゼミでは,50名程度の参加者の方々にお集まり頂き,大変な盛況を見ました。参加者層としては,学生と社会人が半々でした。また対面会場とzoomのオンライン会場で半々でした。

懇親会も,対面とオンラインの併用としました。対面参加者は,各自の端末でzoomにログインしてオンライン懇親会に参加可能とし,対面懇親会は飲食を伴わず,感染対策を徹底のうえ執り行いました。

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レクチャーを振り返る

まず,「医療とマネジメント」という本ゼミのテーマと絡めて,ビル&メリンダ・ゲイツ財団での馬渕先生の経歴から,たくさんの興味深いお話を頂きました。文化の違いにより生じるグローバルヘルスならではの課題があること,「目標と実際に行使出来る影響力との乖離」「様々なステイクホルダーが絡む国際機関や途上国のフィールドでは,民間企業のようなリスクが取りにくい」といった,「ならでは」の課題があるというお話を,改めて印象深く感じました。何より,そういった局面で価値を生み出すためには,医療やパブリックヘルスだけでなく,マネジメントの知見やスキルが重要であるということが,普段のゼミと違う角度から痛感されました。

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また,「国際キャリア」の築き方に関して,印象深いお話が聞けました。成功に必要な要素(身につけるべき素養)として,「(グローバルヘルスの)専門性」と「(国際組織における)リーダーシップ能力」の2つが馬渕先生から提示されました。この整理は自分にとって新しく,それでいてすごく腑に落ちるものでした。そのうえで,これからより必要とされ,増えるであろうと思われるのは,「どんどん現場に出て,若いうちに前者より後者の素養,つまり専門性でなくリーダーシップから優先的に身につける」キャリアの築き方であろう,と馬渕先生の指摘が入ります。

この点について,この後の質疑応答で,参加者より「日本人の国際キャリアを考えた時に,若いうちから国際機関で働いたりするルートが仕組みとして整備されておらず,そのキャリアの築き方は難易度が高いものになっているのはないか?」という質問が投げかけられました。これに対する馬渕先生の答えとして,「国際機関は確かに,専門的な経験がないことを理由に採用しない等旧態依然とした面もある。また,確固たるパスが確立していないのも事実。しかし,スキルのコンビネーションで重宝される人材になることは可能で,自分なりに『役に立つ人材になるためのストーリー』を描き,それを信じて進むことで売れる人材になれる」と力強いメッセージを頂きました。

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レクチャーとその後なだれ込んだ質疑応答,懇親会では参加者からひっきりなしに質問や感想が馬渕先生に伝えられ,グローバルヘルスにおけるキャリアのスペシャリストである馬渕先生からはたくさんのキャリア人生の教訓とメッセージを頂き,会は盛況のまま閉会となりました。

まとめ

2年半ぶりのゲスト講師の招聘となったうえ,「国際保健」をテーマとするゼミが史上初であったこともあり,スタッフ一同にとっても,特に思い出深いゼミとなりました。

参加者の方々から,ゼミ後に以下のような感想が聞かれました。盛り上がってよかったです!

  • どれも初めて聞く新鮮なお話ばかりでした.貴重な時間をありがとうございました!!
  • 最後に我々の世代にエールをいただけたのが大変心強く感じました
  • 大変刺激的なお話ありがとうございました。私は現在海外で過ごしているので、この機会を逃さず経験も人脈も広げつつ、日本人としてのアイデンティティを生かして活躍できるよう日々精進します。
  • 自分が初期研修後の進路を悩んでいる時期で、このタイミングでお聞き出来て本当に良かったです。
  • 大きな国際団体で働いている方のお話は聞いたことが無かったので、グローバルヘルスの最前線で働いている方のお話を聞くことが出来てとても良かったです。また、懇親会では様々な方面で頑張っている同年代の学生の話を聞けて刺激になりました。

今年度も,LINK-J様,三井不動産様にご協賛いただき,日本橋ライフサイエンスビルにて,オンラインと対面の両レイヤーでコミュニティとしての発展を続けられた山本ゼミ。来年度以降もこういったイベントを多く企画し,ますます盛り上がっていければと思います。

今後ともどうぞよろしくお願いします。

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