C4U株式会社(以下「C4U」といいます。)は、国立大学法人大阪大学よりC4Uが再実施許諾権付独占的通常実施権許諾を受けているCRISPR-Cas3技術に関する発明等のうち、「ノックイン細胞の作製方法」(以下「本発明」といいます。)につき、この度2025年7月11日付で中国にて特許番号 ZL 2020 8 0025993.1として発行されましたのでお知らせいたします。
本発明は、すでに日本のみならず海外各国での特許が成立している発明「DNAが編集された真核細胞を製造する方法、および当該方法に用いられるキット」、「ゲノム編集方法」らとともにCRISPR-Cas3技術の知財基盤を形成する発明のひとつです。
本発明は日本では2024年に特許第7426120号が登録されておりますが、この度の中国での登録が国外での最初の成立となりました。
引き続きCRISPR-Cas3技術を取り巻く知財基盤を世界中で強化し、幅広い分野での応用を加速してまいります。
C4U概要
C4Uは、ゲノム編集技術CRISPR-Cas3の社会実装を目指し、2018年に設立されました。C4Uの基盤技術であるCRISPR-Cas3技術は、C4Uの創業メンバーである東京大学医科学研究所先進動物ゲノム研究分野の真下知士教授、大阪大学微生物病研究所の竹田潤二招へい教授らの研究成果を基に開発されたCRISPR-Cas3を用いた独自のゲノム編集技術です。CRISPR-Cas3技術は、現在までにオフターゲット変異は認められておらず高い安全性が期待できることや、ターゲット遺伝子とその周辺を広く削ることができるといった特徴を有し、現在世界中で研究が先行しているCRISPR-Cas9の複雑な特許状況に影響されないことから、CRISPR-Cas9に対抗し得る有望なゲノム編集技術として注目を浴びています。
C4Uは、このCRISPR-Cas3技術を用いて、遺伝性疾患を始めとする様々な疾患に対する新規の治療法等の開発を自社及び他社との提携により推進すると同時に、幅広い産業への応用に向けたプラットフォーム展開にも取り組んでおります。
https://www.crispr4u.jp/
<用語の解説>
ゲノム編集技術: DNA切断酵素と人工的にデザインしたRNAなどを細胞に導入し、ゲノムの局所を選択的に切断、改変する技術です。
CRISPR-Cas9: 現在広く利用されるゲノム編集技術の一種で、Cas9 がガイド RNA と結合し、ガイド RNA の一部(20 塩基のガイド配列)と相補的な DNA を選択的に切断します。ガイド配列を変更することにより、様々な塩基配列をもつ DNA を選択的に切断することができます。
CRISPR-Cas3: CRISPR-Cas9同様に二本鎖DNAを切断しますが、crRNA(ガイド)認識配列が長い(27塩基のガイド配列)ことから、特異性が高く、オフターゲット変異(狙った部分以外の変異)が少ない、より安全なゲノム編集ツールです。また、大きな欠失を起こすことも可能なため、遺伝子の改変に加えて機能を失わせることも得意としています。