Menu

人と情報の交流掲示板

投稿日:2025.10.16 投稿者:C4U株式会社

Cas3知財ポートフォリオを拡充する新規発明のお知らせ (日本特許第7752369号)

C4U株式会社(以下「C4U」といいます。)は、CRISPR-Casシステムに用いられる新規形態のガイドRNAおよびその利用に関する発明「ガイドRNAおよびその利用」につき、この度2025年10月2日付で、日本特許第7752369号が発行されましたことをお知らせいたします。


CRISPR-Casシステムには、複数のタンパク質の複合体によって標的配列を切断するクラス1と、一つのタンパク質により標的配列を切断するクラス2があり、当社が実用化を目指すCRISPR-Cas3は、クラス1に属するタイプⅠ CRISPRに分類されます。
本発明は、タイプⅠCRISPR-Casシステムを機能させるためのゲノム編集複合体の形成に必要となるガイドRNAの構造を明らかにし、その新規形態のガイドRNAを利用したタイプⅠ CRISPR-Casシステムを新たに見出したものです。本発明を応用することで、逆転写酵素を組み込み、プライム編集のような新たなCRISPR-Cas3システムの開発の可能性も拡大します。
C4Uは、世界中でCRISPR-Cas3技術の知財基盤の強化を一層推進し、医療をはじめとした幅広い産業へのCRISPR-Cas技術の応用を加速してまいります。

C4U概要
C4Uは、ゲノム編集技術CRISPR-Cas3の社会実装を目指し、2018年に設立されました。C4Uの基盤技術であるCRISPR-Cas3技術は、C4Uの創業メンバーである東京大学医科学研究所先進動物ゲノム研究分野の真下知士教授、大阪大学微生物病研究所の竹田潤二招へい教授らの研究成果を基に開発されたCRISPR-Cas3を用いた独自のゲノム編集技術です。CRISPR-Cas3技術は、現在までにオフターゲット変異は認められておらず高い安全性が期待できることや、ターゲット遺伝子とその周辺を広く削ることができるといった特徴を有し、現在世界中で研究が先行しているCRISPR-Cas9の複雑な特許状況に影響されないことから、CRISPR-Cas9に対抗し得る有望なゲノム編集技術として注目を浴びています。
C4Uは、このCRISPR-Cas3技術を用いて、遺伝性疾患を始めとする様々な疾患に対する新規の治療法等の開発を自社及び他社との提携により推進すると同時に、幅広い産業への応用に向けたプラットフォーム展開にも取り組んでおります。
https://www.crispr4u.jp/

<用語の解説>
ゲノム編集技術: DNA切断酵素と人工的にデザインしたRNAなどを細胞に導入し、ゲノムの局所を選択的に切断、改変する技術です。

CRISPR-Cas9: 現在広く利用されるゲノム編集技術の一種で、Cas9 がガイド RNA と結合し、ガイド RNA の一部(20 塩基のガイド配列)と相補的な DNA を選択的に切断します。ガイド配列を変更することにより、様々な塩基配列をもつ DNA を選択的に切断することができます。

CRISPR-Cas3: CRISPR-Cas9同様に二本鎖DNAを切断しますが、crRNA(ガイド)認識配列が長い(27塩基のガイド配列)ことから、特異性が高く、オフターゲット変異(狙った部分以外の変異)が少ない、より安全なゲノム編集ツールです。また、大きな欠失を起こすことも可能なため、遺伝子の改変に加えて機能を失わせることも得意としています。

プライム編集:CRISPR-Cas9システムにおいて、DNAの二本鎖切断を伴わずに、目的とするDNA配列をより正確に書き換えるゲノム編集技術。
 

お問い合わせ先

C4U株式会社 管理部
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2番8号
大阪大学テクノアライアンスC棟7階
E-mail:info@crispr4u.com
 

pagetop