新規ゲノム編集技術CRISPR-Cas3技術の社会実装を目指すC4U株式会社(以下「C4U」といいます。)と、ゲノム編集とiPS細胞技術で 難治性疾患の治療に挑む株式会社iXgene (以下「iXgene」といいます。)は、今般共同研究契約を締結いたしましたのでお知らせします。
本研究では、C4Uの有するCRISPR-Cas3遺伝子編集技術を、iXgeneの目指す遺伝子改変を行ったiPS細胞による新規の細胞治療へ応用し、非臨床試験の実施に向けて両者で共同検討します。
本契約の締結時にC4Uは契約一時金を受け取ります。また、本共同研究成果を用いて作製されたiPS細胞由来の製品開発をiXgeneが実施する際の独占的特許実施許諾に関する交渉権を、C4Uより付与しております。さらなる契約内容の詳細および具体的な対価の額については開示しておりません。
C4U概要
C4Uは、新規ゲノム編集技術CRISPR-Cas3を用いて、遺伝性疾患を始めとする様々な疾患に対する新規の治療法等の開発を自社及び他社との提携により推進すると同時に、幅広い産業への応用に向けたプラットフォーム展開に取り組んでおります。
CRISPR-Cas3技術は、C4Uの創業メンバーである東京大学医科学研究所先進動物ゲノム研究分野の真下知士教授、大阪大学微生物病研究所の竹田潤二招へい教授らの研究成果を基に開発されたCRISPR-Cas3を用いた新しいゲノム編集技術です。CRISPR-Cas3技術は、現在までにオフターゲット変異は認められておらず高い安全性が期待できることや、ターゲット遺伝子とその周辺を広く削ることができるといった特徴を有し、現在世界中で研究が先行しているCRISPR-Cas9の複雑な特許状況に影響されない、これに対抗し得る有望なゲノム編集技術として注目を浴びています。
URL:https://www.crispr4u.jp/
iXgene概要
iXgeneは、iPS細胞技術とゲノム編集技術を組み合わせたゲノム編集iPS細胞を用いて既存治療法の存在しない難治性疾患に対する治療法の開発を目指す、2020年に設立した慶應義塾大学医学部発スタートアップです。
iXgeneが開発を進めるゲノム編集iPS細胞由来神経幹細胞(治療用神経幹細胞)は、神経幹細胞の遊走能と新規自殺遺伝子の組み合わせにより局所での高濃度抗がん剤産生を可能とする革新的な細胞医療です。現在は、悪性脳腫瘍患者に対する治療法としての国内外における開発を進めています。
URL:https://www.ixgene.inc/
<用語の解説>
ゲノム編集技術: DNA切断酵素と人工的にデザインしたRNAなどを細胞に導入し、ゲノムの局所を選択的に切断、改変する技術です。
CRISPR-Cas3: CRISPR-Cas9同様に二本鎖DNAを切断しますが、crRNA(ガイド)認識配列が長い(27塩基のガイド配列)ことから、特異性が高く、オフターゲット変異(狙った部分以外の変異)がない、より安全なゲノム編集ツールです。また、大きな欠失を起こすことも可能なため、遺伝子の改変に加えてその機能を失わせることも得意としています。
CRISPR-Cas9: 現在広く利用されるゲノム編集技術の一種で、Cas9がガイドRNAと結合し、ガイドRNAの一部(20塩基のガイド配列)と相補的なDNAを選択的に切断します。ガイド配列を変更することにより、様々な塩基配列をもつDNAを選択的に切断することができます。
お問い合わせ先
C4U株式会社
大阪府吹田市山田丘2番8号
E-mail:info@crispr4u.com
株式会社iXgene
東京都新宿区四谷1-14-1
E-mail:info@ixgene.inc