食品、化粧品などを中心に需要を獲得。今後の拡大が期待される
― 2035年国内市場予測(2024年比) ―
■微細藻類由来素材・成分 318億円(4.7倍)
~生産規模の拡大と共に伸長。2030年以降は燃料分野の急伸や新規・その他分野の広がりも~
~大幅な生産量増加が実現すれば、長期的には数千億円規模への拡大も期待~
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、国家戦略としてのバイオものづくりの一端を担い、サスティナブル社会の実現に貢献するGX(グリーントランスフォーメーション)の推進役の一つとして期待される、微細藻類由来の素材・成分の国内市場を調査した。その結果を「微細藻類の最新利活用実態と市場展望」にまとめた。
この調査では、食品、化粧品、肥料・飼料、燃料、新規・その他の5分野で使用される微細藻類由来の素材・成分の国内市場について現状を捉え、将来を予想した。
<調査結果の概要>
■微細藻類由来素材・成分の国内市場
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現状、高単価なサプリメント向けなどの食品原料が中心であり、食品分野が約9割を占めている。今後、主要参入企業による生産規模拡大が進み、食品原料として堅調な需要、また、2030年以降は燃料原料としての本格展開や、新規分野での需要開拓が進むと期待されることから、順調な市場拡大が予想される。経済産業省や農林水産省、内閣府が軸となって進めるバイオものづくり関連の戦略では、脱炭素社会、エネルギー安全保障、食糧問題への対応のために大型予算が計上され、微細藻類関連ビジネスは国家戦略として後押しされており、市場拡大の追い風となっている。2035年には、高付加価値化された、食品や化粧品原料としての展開が参入企業にとって事業採算性を確保する基盤になるとともに、燃料分野や肥料・飼料分野、新規・その他分野での需要増加も期待される。ただし、生産や品質・機能、制度面などの課題は多く、大幅な需要増加のためには、特に生産量の増加が必要になるとみられる。
食品分野は、多様な栄養素を含むスーパーフードとして、ユーグレナやクロレラを中心に市場開拓が進んできた。サプリメントへの配合などを軸に、ユーザー層は中高年からシニア世代を基盤としてきたが、近年は子育て世代への展開も図られている。栄養不足対策や健康維持・改善に加え、世界的な人口増加や気候変動・資源枯渇によるタンパク質クライシス、また、魚由来原料などの減少を背景に、今後も持続可能な植物性タンパク源/原料代替として需要増加が予想される。
化粧品分野は、スキンケア商品などで、素材・成分としてアスタキサンチンを中心に活用されている。近年は各企業の独自開発による素材・成分も増えている。
燃料分野は、現状では生産コストの面で採用ハードルが高く、研究・実証段階にとどまるものの、多角的な原料確保や、CO2削減が実現できる点でサスティナブル社会への貢献が期待され、将来的にはバイオジェット燃料やバイオディーゼル、バイオエタノールなどの原料として活用が進むとみられる。2030年頃から主要参入企業が原料となる微細藻類の量産体制に入るとみられ、徐々に利用が広がることにより、長期的な市場拡大のけん引役として期待される。
肥料・飼料分野は、 農業では液体肥料やバイオ肥料(有機肥料)、バイオスティミュラント(生物刺激剤)、 水産業では主に養殖稚魚の餌となる動物プランクトンへの給餌や稚貝・稚魚への直接給餌などのほか、今後は配合飼料への活用拡大が予想される。
新規・その他分野は、整腸剤などの医薬部外品、ペットフードやペット向けサプリメントなどでも活用されているほか、近年は植物由来バイオマス資源として注目度が高まっており、ベンチャーから大手企業に至るまで研究開発を進めている。将来的には、プラスチックや接着剤、異面活性剤、環境浄化材、塗料など、化成品分野への応用展開や医薬品としての利用が進み、市場拡大に寄与するとみられる。
現在は大規模でも数ヘクタール程度の生産プラント規模であるが、主要参入企業は将来的なプラント規模拡張による生産量増加を視野に入れている。大規模化による生産量増加により、燃料分野や新規・その他分野への展開が広がれば、長期的には数千億円規模の市場へと成長する可能性もある。しかし、その実現のためには設備投資や品質/機能改善、法整備をはじめとした制度面などで課題も多く、参入企業は引き続きサプリメントなど高付加価値化による展開で収益を確保しながら、ゲノム編集/品種改良などを含めた高生産性に向けた技術開発や、量産体制の確立などへの取り組みが必要になる。
ビジネスモデルとしては、高付加価値化による収益性向上を図るケースと、大量生産に伴う生産コスト削減を実現し供給量増加による収益拡大を図るケースが想定される。大手からベンチャーまで幅広い企業が商業化に向けた研究開発を進めており、それぞれのケースに沿った展開や、高付加価値と供給量増加を両立させた展開などにより、参入企業の成長が期待される。
<調査対象>
分野 | 概要 |
食品 | 機能性原料としてサプリメント、飲料、明らか食品で使用される微細藻類由来の素材・成分 |
化粧品 | スキンケア商品などの化粧品用途で使用される微細藻類由来の素材・成分 |
肥料・飼料 | 肥料・バイオスティミュラント、給餌飼料、配合飼料など農業・水産業・畜産業で活用される微細藻類由来の素材・成分 |
燃料 | バイオジェット燃料(SAF)、バイオディーゼル、バイオエタノールなどバイオ燃料に使用される微細藻類由来の素材・成分 |
新規・その他 | 医薬部外品、ペットフード、プラスチック(バイオPET樹脂)、接着剤、環境浄化材、塗料、インク、繊維などの素材・成分 |
<調査方法>
富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
<調査期間>
2025年11月~12月
以上
資料タイトル | |
体裁 | A4判 61頁 |
価格 | PDF版 330,000円(税抜300,000円) |
ネットワークパッケージ版 495,000円(税抜450,000円) | |
発行所 | 株式会社 富士経済 |
〒103-0027 東京都中央区日本橋三丁目9番1号 日本橋三丁目スクエア | |
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調査・編集 | アニマル&アグリビジネスユニット |
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