国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所霊長類医科学研究センターの保富康宏(やすとみ やすひろ)センター長らの研究グループは、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)をカニクイザルに安定的に感染させることに世界で初めて成功し、HTLV-1感染霊長類モデルを確立しました。このカニクイザルモデルを用いた免疫制御や感染経路の検討により、宿主の免疫環境に応じてウイルス量が増加することを見出し、宿主免疫によるウイルス制御機構の解明にも役立つモデルであることが示されました。この成果により、有効な治療法がない成人T細胞白血病(ATL)の発症メカニズムの解明とワクチンや治療法の創薬研究の加速が期待されます。この研究は、田中勇悦(たなか ゆうえつ)琉球大学名誉教授との共同研究によるものです。
本研究成果は、2022年10月31日(米国東部時間 正午)、米国科学雑誌「Journal of Virology」のオンライン版で公開されました。
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