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人と情報の交流掲示板

投稿日:2024年09月12日 投稿者:株式会社理研ジェネシス

理研ジェネシスと⽇⽴が、説明可能AI と⽣成AI の活⽤により、タンパク質定量解析「Olink™ Explore」サービスを⾼度化、提供開始

株式会社理研ジェネシス(以下、理研ジェネシス)と株式会社⽇⽴製作所(以下、⽇⽴)は、⽇⽴の説明可能なAI「B3*1」と⽣成AI を活⽤して、理研ジェネシスがサービスを提供しているタンパク質定量解析「Olink Explore*2」を⾼度化し、アカデミアや製薬会社向けに本⽇より新たなサービス(以下、本サービス)として提供を開始しました。「Olink Explore」は、微量の検体(主に⾎清・⾎漿)に対し、多数のタンパク質(現時点で約 3000 種類~)を網羅的に解析できる技術で、理研ジェネシスは国内外にサービス提供しています。本サービスは、「Olink Explore」の膨⼤なアウトプット情報に、⽇⽴独⾃の「B3」や⽣成AI を活⽤した解析を組み合わせるもので、薬剤の効果や疾患発症のメカニズム解明、および新規タンパク質バイオマーカー*3 の探索を迅速化します。さらに、⼀般的な⾎液検査の項⽬や遺伝⼦など、タンパク質以外のさまざまな物質データを組み合わせて統合的に解析すること(マルチオミックス解析)も今後可能になる予定です。これにより、個別化医療をはじめとする次世代医療の発展に貢献します。
 なお、両社は2024 年3 ⽉~5 ⽉に、「Olink Explore」のアウトプット情報を「B3」や⽣成AI で解析するPoC を実施し、疾患と遺伝⼦・たんぱく質の相互作⽤の情報が従来よりも迅速に⼊⼿・検索可能になることを確認しています。

RIKEN GENESIS-HITACHI_Olink-B3.jpg*1 B3: Black Box Breaker
*2 Olink Explore:オーリンクプロテオミクス株式会社の網羅的タンパク質定量解析のためのプラットフォーム。現在「Olink Explore 3072」と「Olink Explore HT」の2 種類のラインアップがあり、⼀度の解析で検出可能なタンパク質の種類は、それぞれ約3000 種類と5400 種類。「Olink」はオーリンクプロテオミクス株式会社の商標または登録商標です。
*3 バイオマーカー:病気の診断、治療の効果、医薬品の効果を⽰す⽣理学的指標

■背景
 同じ病気の患者においても、医薬品の薬剤の効き⽅や⽣活の質を悪化させる有害事象の発⽣有無には個⼈差があることから、近年、患者個⼈の体質や病気の状態に合わせた「個別化医療(オーダーメイド医療)」の実現に向けた研究・開発が進んでいます。こうした中、患者ごとに適切な治療を選択するため、治療の有効性・安全性を適切に評価する、タンパク質や遺伝⼦などの⽣体内指標「バイオマーカー」を、さまざまな患者データの中から探索する研究が盛んに⾏われています。
 患者の⾎清・⾎漿からタンパク質バイオマーカーの候補となる物質を探索する場合、従来⽅法では⼀度の検体量から測定できるタンパク質の種類には限界がありました。しかし、理研ジェネシスが受託サービスを展開する「Olink Explore」を活⽤することで、より多くの種類のタンパク質が検出可能になります。その⼀⽅で、アウトプット情報から必要な結果を抽出するには、データクレンジングを⼊念に⾏う必要があり、⻑い作業時間を要します。特に、エンリッチメント解析*4では、結果が膨⼤になることもあり、解釈に時間がかかっていました。
 ⽇⽴は2019 年から、「B3」を⽤いたLumada*5ソリューション「Hitachi Digital Solution for Pharma/バイオマーカー探索サービス」を提供しており、「Olink Explore」で測定可能なタンパク質数と同程度の⼤量のデータをもとにした遺伝⼦機能やバイオマーカー探索を⽀援してきた実績があります。加えて、AI から得られた遺伝⼦機能と疾患の関連性を調査する作業を、⽣成AI を活⽤して効率化してきました。
 そこで両社は、理研ジェネシスが受託サービスを展開する「Olink Explore」のアウトプットデータに「B3」や⽣成AI を活⽤して解析することで、さらなるバイオマーカー探索業務の⽀援が可能になると考え、協業を開始しました。
 ⽇⽴では、バイオテクノロジーやIT の進展、および⾼齢化社会の到来に伴い、ヘルスケア分野を注⼒事業の⼀つとしています。なかでもバイオ医薬分野では、⻑年にわたり豊富な実績を有するプロダクト、OT*6、IT とドメインナレッジを組み合わせて、創薬プロセス全体の期間短縮やコスト削減への貢献をめざしており、今回の理研ジェネシスとの協業はその⼀環となります。
*4 エンリッチメント解析:疾患発症や薬効と関連する重要な⽣物学的パスウェイおよびプロセスを特定する解析⽅法の1つ。
*5 Lumada:お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、⽇⽴の先進的なデジタル技術を活⽤したソリューション・サービス・テクノロジーの総称 https://www.hitachi.co.jp/products/it/lumada/ 
*6 OT(Operational Technology):制御・運⽤技術

■本サービスの特⻑
 タンパク質定量解析「Olink Explore」に、⽇⽴の説明可能なAI「B3」や⽣成AI を活⽤した解析をオプションとして提供するサービスです。

1.グローバルで豊富な解析実績を有する「Olink Explore」 
 オーリンクプロテオミクス株式会社の「Olink Explore」を使⽤した網羅的タンパク質定量解析は、イムノアッセイ*7 と次世代シーケンサー(Next Generation Sequencer, NGS)*8 を組み合わせた、⾼マルチプレックス*9 と極めて⾼い特異性を両⽴させた解析ソリューションです。この技術は、微量の検体から数千種類のタンパク質を網羅的に解析できるため、創薬ターゲットの探索、臨床試験における患者層別化、市販後の臨床研究におけるバイオマーカー探索など、さまざまな医薬品開発フェーズでの活⽤が期待されます。「Olink Explore」は、UK バイオバンク*10 において5 万⼈を超える解析実績があり、⽇本でもバイオバンクジャパン(BBJ)や新型コロナウイルス感染症の研究に採⽤されています。

2. AI が導き出した結果を説明可能
 「B3」は⾮線形な解析モデルをシンプルな線形モデルで表現することが可能なため、「AI がなぜその答えを出したのか」を⼈が解釈しやすく、医療や創薬の現場での意思決定に有効です。

3. データのサンプルサイズが⼩さくても解析が可能
 「B3」は独⾃の次元圧縮・過学習抑制の機構を組み込んでおり、検体数が少ない研究においても精度を保った解析が可能です。

4. マルチバイオマーカーの探索に対応
 臨床現場において、病態⽣理が複雑な疾患、不均⼀性が⾼い疾患などに対する予測性能を⾼めるための、複数因⼦を組み合わせたバイオマーカー(マルチバイオマーカー)の探索にも対応しています。

5. ⽣成AI によるエンリッチメント解析結果の要約レポート作成
 ⽣成AI を活⽤して、エンリッチメント解析で得られた遺伝⼦機能に関する⽂献を調査し、グラフ・表・要約をまとめたレポート資料を作成・付録します。これにより、遺伝⼦機能と疾患の関連性を調査する⼯数・期間を短縮できます。

6. アカデミアや製薬会社での利⽤実績
 「B3」は国内のアカデミアや製薬会社で、リスク因⼦探索などの⽤途で利⽤実績があります。

*7 イムノアッセイ:抗原と抗体の特異的な結合を利⽤して、特定の物質(抗原または抗体)を検出・定量する分析⽅法
*8 次世代シーケンサー(Next Generation Sequencer, NGS):DNA またはRNA の塩基配列を⾼速かつ⼤量に解析することができる技術
*9 ⾼マルチプレックス:複数の⽣体分⼦を同時に測定する技術
*10 UK バイオバンク:50 万⼈の英国⼈参加者から得られた、匿名化された遺伝⼦情報、⽣活習慣、健康情報、⽣物学的サンプルを収めた⼤規模な⽣物医学データベースおよび研究リソース

■「Olink Explore」について(Olink, Part of Thermo Fisher Scientific のWeb サイト)
https://olink.com/products/olink-explore-series 
■理研ジェネシスの「Olink Explore」受託サービスについて
https://www.rikengenesis.jp/placement/olink.html 
■⽇⽴の「Hitachi Digital Solution for Pharma/バイオマーカー探索サービス」について
https://www.hitachi.co.jp/products/it/industry/solution/hdsf_pharma/biomarker.html

■理研ジェネシスについて
  理研ジェネシスは、最先端の遺伝⼦解析技術やバイオインフォマティクスを活⽤した遺伝⼦受託解析サービスや製品を提供し、個別化医療における技術・経験・ノウハウを保有する数少ない⽇本企業の⼀つです。2007 年、凸版印刷株式会社(以下「凸版印刷」)、国⽴研究開発法⼈理化学研究所(以下「理化学研究所」)および株式会社理研ベンチャーキャピタルの共同で、個別化医療における理化学研究所の最先端研究成果を広く社会に展開し医療現場における実⽤化を促進することを⽬指し、設⽴しました。2014年、凸版印刷およびシスメックス株式会社(以下「シスメックス」)が、個別化医療における遺伝⼦検査事業の発展のため、相互に協⼒していくことに合意し、それぞれ理研ジェネシスに出資。さらに2016年、ゲノム医療の臨床実装の実現に向けて、シスメックスの⼦会社となりました。
  詳しくは、理研ジェネシスのウェブサイト( https://www.rikengenesis.jp/)をご覧ください。

■⽇⽴製作所について
 ⽇⽴は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDX を⽀援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3 セクターの事業体制のもと、IT やOT(制御・運⽤技術)、プロダクトを活⽤するLumada ソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動⼒に、お客さまとの協創で成⻑をめざします。3セクターの2023 年度(2024 年3 ⽉期)売上収益は8兆5,643 億円、2024 年3 ⽉末時点で連結⼦会社は573社、全世界で約27 万⼈の従業員を擁しています。詳しくは、⽇⽴のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)をご覧ください。
参考資料

お問い合わせ先

株式会社理研ジェネシス 営業部 〒141-0032  東京都品川区大崎1-2-2 TEL: 03-5759-6042 E-mail: RGK-info2@rikengenesis.jp 株式会社理研ジェネシス 営業部 お問い合わせフォーム 株式会社⽇⽴製作所 インダストリアルデジタルビジネスユニット お問い合わせフォーム
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