医薬品等の臨床開発においては、医薬品規制調和国際会議(ICH)における「GCP Renovation」(E8ガイドラインの近代化とE6ガイドラインの改訂)の検討が進んでいる。ICH E6の改訂では、2019年11月に発出されたConcept Papers及びBusiness Plansにおいて、Annex 2に本シンポジウムのテーマとなるdecentralized clinical trials(分散型臨床試験、以下「DCT」)やpragmatic clinical trialsを対象範囲とする旨が記載されている。
また、日本では、2020年3月27日に閣議決定された「健康・医療戦略」において、医療・ヘルスケア分野での身の回りのあらゆるモノに埋め込まれたセンサー等の機器がインターネットに繋がり、相互に通信が可能になるIoT(Internet of Things)を活用した健康・医療サービスの充実・強化の計画が明記された。デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation、以下「DX」)については、2021年9月の「デジタル社会形成基本法」の施行に伴いデジタル庁が発足し、ビジネスシーン、経済活動に限らず、社会全体でのDX推進が期待されている。
さらに、2020年からの新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって、人々の移動や接触が制限されたが、医薬品等の臨床開発の分野においても、従来型の被験者が実施医療機関を来院することが前提の臨床試験が実施できない等の影響が出ている。このような状況を鑑み、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)等の各国の規制当局はガイダンスを発出し、被験者が実施医療機関を来院せずとも、遠隔・非接触で対応する方法について助言している。ただし、医薬品等の承認審査に使用されるデータの収集を目的としたDCTの実装には、遠隔・非接触で収集されるアウトカムの妥当性や、臨床試験データの質、信頼性担保等の課題もあり、その解決には、研究者主導臨床研究のスキームにおける探索的な検討やバリデーションの取り組みも重要と考える。
本シンポジウムでは、企業治験・医師主導治験に加えて臨床研究も視野に、DCT推進の取り組みや具体的な事例についてご紹介し、その課題と今後の方向性について議論する。
日時: 2024年 1月20日(土)13:00~17:30
*会場:日本橋ライフサイエンスハブ 8階 A会議室
(外部サイトが開きます)
※参加お申込み〆切は 2024/1/11(木)15:00まで ※参加費入金〆切は 2024/1/12(金)15:00まで
参加費
会員 3,000円、非会員 5,000円 ※JSCTR賛助会員は一口に付き一名を会員価格とさせて頂きます。
定員
250名程度(会場参加:希望者先着 80名、Web 参加 170名程度)