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投稿日:2024年12月04日 投稿者:一般社団法人Luvtelli

小児期からの骨粗鬆症予防 「こつこつ骨育プロジェクト」が、第13回「健康寿命をのばそう!アワード」 厚生労働省健康・生活衛生局長優良賞を受賞!

一般社団法人Luvtelli(東京都中央区、代表理事 細川モモ、以下 ラブテリ)の取り組み、小児期からの骨粗鬆症予防「こつこつ骨育プロジェクト」が「第13回健康寿命をのばそう!アワード」(主催:厚生労働省 スポーツ省)生活習慣病予防分野 団体部門 厚生労働省健康・生活衛生局長優良賞を受賞いたしました。

骨粗鬆症患者が1,590万人にのぼりその7割が女性である、という我が国の実態を背景に、成長期と妊娠・出産前後に定期的かつ気軽に骨密度を測り、骨に関心をもち、強い骨をつくる生活習慣を営んでいけるよう「測る機会」と「知識を提供する場」が必要だと考えたことからラブテリが始めたプロジェクトです。

ラブテリは女性と子どもの健康増進を叶えるため、約10年前から自治体、企業、学校、商業施設等での「女性向け保健室」「おやこ保健室」を実施し、気軽に骨密度を測る機会及び骨に関する知識の提供、さらに介入効果がもっとも大きいとされるその場でのフィードバック(管理栄養士による指導)を実現してまいりましたが、骨密度計の購入や実施回数の増加によりその機会を増やしております。2023年からは、愛媛大学等と「こどものためのビタミンD欠乏質問紙」を開発する研究に取り組んでおり、この質問紙が完成すると採血不要の機器を使用して血中ビタミンD濃度の推定値把握が可能となります。2023年12月から2024年2月に骨とビタミンD研究のためのクラウドファンディングを実施し、たくさんのご支援を頂き活動に活かさせていただいております。先日からは、小学生以上のお子さんもお母さんと一緒に骨密度を測定する「おやこ骨密度測定」の取り組みを全国の商業施設などで開始し測定を重ねた上で、専門家の助言のもと、お母さんとこどもの骨密度の母子相関をみていきます。さらに、2025年には産前、妊娠中、産後の女性を包括的に診る母性内科と小児科を開院予定です。

ラブテリは、今後も「気づきと学びの機会」「予防医療」の提供により健康寿命延伸に貢献してまいります。

ラブテリホームページ:https://www.luvtelli.com/

ラブテリの取り組み 「こつこつ⾻育プロジェクト」について

厚⽣労働省の「国⺠⽣活基礎調査」によれば、⾼齢者が要介護となる原因として⾻折・転倒は認知症や脳⾎管疾患に次いで上位を占めており、その主な原因は⾻粗しょう症です。⽇本では年間約12万⼈の⼤腿⾻近位部⾻折が新たに発⽣しており、年間の医療・介護費⽤は約7千~8千億円と推計されています※1。⾻粗しょう症性⾻折にかける社会的コストは深刻な課題といえます。

⾻粗しょう症の推計患者数1,280万⼈のうち、⼥性が76.7%(980万⼈)を占めており、更年期以降の⾻折リスクが⾼いことが知られています。しかし、BMI18.5 未満の痩せている⼥性は⾻密度が低い傾向にあり、⾻粗しょう症の割合が⾼いことがわかっています※2。⽇本⼥性はOECD加盟国で最も痩せが多く、⾻への影響が危惧されています。

新潟県内の病院で出産した、痩せている20代⼥性の70%が産後低⾻密度だったという報告もあり※3、⼩・中学⽣705 名を対象にした調査では、19.1%に⾻密度低下が⾒られたという報告もあります。⽼齢期の⾻粗しょう症は⼦ども時代の栄養・運動・睡眠不⾜がリスクを⾼めることがわかっています。寝たきりリスクに⼤きく影響する“ピークボーンマス(最⼤⾻量)”は18歳~20歳頃にピークを迎えますが、平均より10%⾼いピークボーンマスを得られれば⾻粗しょう症発症リスクを13年遅らせることができ、反対に10%少なければ⾻折リスクが⾼まるという報告があります※4。  

しかしながら、成⻑期を含め、妊娠前に⾻密度を測る機会は滅多にありません。多くの⼈が⾃分の⾻密度について知る機会がないことがピークボーンマス獲得を妨げ、⾻粗しょう症の発症リスクを⾼めているとラブテリは考えています。そこで、⼦ども~産後のお⺟さんを対象にした「こつこつ⾻育プロジェクト」を⽴ち上げ、専⾨家の協⼒(⼥⼦栄養⼤学 武⾒ゆかり先⽣、NPO法⼈HAP代表・薬剤師 宮原富⼠⼦先⽣)をもとに、5つの取り組みを進めています。

<その1 ⾻密度を測る機会を全国へ>
札幌~福岡まで全国12都市で妊娠前~産後の⼥性と成⻑期の⼦どもたちに無料で⾻密度を 測り、その場で管理栄養⼠にアドバイスがもらえる「おやこ保健室」を商業施設・⾃治体・ 学校で開催しています。今後も開催エリアの拡⼤を⽬指します。

<その2 研究を通じてエビデンスづくりに貢献>
妊娠適齢期世代の⼥性と⼦どもの⾻密度データは貴重です。北海道・四国・九州と離島を含 む全国で開催している「おやこ保健室」を通じて年間1,000組以上の⾻密度データの収集及 びデータバンク化を⽬指します(2024 年現在780 名分の⾻密度、体組成、ヘモグロビン、 ⾷事調査(BDHQ)、アンケートを取得済)。 第⼀弾として、第83回⽇本公衆衛⽣学会にて「⼦育て期の⼥性の⽇本⼥性における⾻密度 低下~地域差と⾷事・⽣活習慣の検討~」を発表しました。今後、⾷事・栄養状態との関連 を解析し、論⽂で発表予定です。

<その3 ⼦どもの⾻密度測定プランの確⽴>
今現在、超⾳波を⽤いて踵の⾻を測定するタイプの測定器には、⼦どもの基準値がありませ ん。先⾏研究では、「痩せ(ローレル指数低値)」「睡眠不⾜」「こどもロコモ」「⻑時間のス クリーンタイム」が影響し、⾻密度低下が報告されています。⼦どもたちのピークボーンマ ス獲得をサポートするため、年間1,000名以上の全国の⼦どもたちの測定を通じて、専⾨家 と協議のもと、ご家庭へのフィードバックを可能にする取り組みを進めています。

<その4 採⾎なしでビタミンD の不⾜をチェックできる質問票の開発>
昨今、⼦どもたちのくる病の増加が問題になっており、その主な原因はビタミンD ⽋乏で す。⾻の健康に⼤きな影響を与えるビタミンD の不⾜率は乳児期から⾼いことがわかって おり(外来を受診した乳児の約3割が⽋乏、半数が不⾜という報告があります※5)、対策が 急務といえます。ラブテリでは愛媛⼤学と四国こどもとおとなの医療センターとの共同研 究により、採⾎なしで0歳~15歳の⾎中ビタミンD濃度が予測できる質問票の開発に取り 組んでおり、研究資⾦の⼀部をクラウドファンディングで調達しました(今現在、420組に 研究参加いただいています※⽬標800組)。完成すれば「おやこ保健室」にて、採⾎なしで ⾻密度+ビタミンD充⾜度チェックを受けることができます。

<その5 受診環境を整える>
患者数の少なさから、健康な若い⼥性の低⾻密度・⾻粗しょう症に⼗分な知⾒をもつドクタ ーは多くありません。若い⼥性の低⾻密度・⾻粗しょう症は、現在の⽉経と将来の妊娠・出 産の可能性を踏まえた⻑期的な治療プランが必要であり、保健室を通じてスクリーニング だけが進んでも患者となった⽅々の受け⼊れ先が無い状態です。 そこで、2025年~2026年にかけて、若い⼥性を含むリウマチ患者を専⾨とし、⺟性内科医 としてプレコンセプション・ケアにも取り組まれているドクターと、スポーツ専⾨医のライ センスをもつ産婦⼈科医とともに受け⽫となるクリニックを関東・関⻄で開院予定。オンラ イン診療に対応するため、全国の保健室でスクリーニングにより低⾻密度・⾻粗しょう症の 疑いがある⼥性たちの受け⽫となり、⻑期的に⽀えていく環境を整えます。

「こつこつ⾻育プロジェクト」は、⾻密度を測る機会・⾻について学ぶ機会・エビデンスづくり・早期受診及び治療の機会提供を通じ、⽇本⼈の⽼齢期最⼤の健康課題と真っ向から向き合い、介護・医療費の適正化を通じて<次世代に⾻粗しょう症を予防・早期発⾒できる仕組みを遺す>ことを⽬的としたプロジェクトです。

※1 原⽥敦ほか. ⽇⽼医誌 2005; 42(6): 596-608

※2 Tatsumi Y, et al. J Epidemiol. 2016;26(11):572-578.

※3 Kurabayashi T, et al. J Bone Miner Metab. 2009;27(2):205-212.

※4 Osteoporos Int. 2003〔PMID : 12904837〕

※5 Nakano S, et al. J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 2018;64(2):99-105.

こつこつ骨育プロジェクト アドバイザリーボート

女子栄養大学 栄養学部 教授 武見ゆかり先生

日本骨粗鬆症学会・日本更年期医学会評議員 宮原富士子先生

参考資料
参考資料
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お問い合わせ先

一般社団法人Luvtelli(ラブテリ)

お問い合わせフォーム:https://www.luvtelli.com/contact

Email:info@luvtelli.jp

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