キッズウェル・バイオ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 谷 匡治。以下、「キッズウェル・バイオ」)と、アルフレッサ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 福神 雄介。以下、「アルフレッサ」)並びに三菱倉庫株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長 斉藤 秀親。以下、「三菱倉庫」)は、キッズウェル・バイオが再生医療等製品*1として開発中のヒト乳歯歯髄幹細胞*2(Stem cells from human exfoliated deciduous teeth。以下、「SHED」)の高品質かつ安定的な保管・輸送体制の構築に関する業務委託基本契約(以下、「本契約」)を3社間で締結しました。
本契約は、キッズウェル・バイオが目指しているSHEDを原料とした再生医療等製品の実用化に向けて、アルフレッサ及び三菱倉庫が保有する再生医療等製品の保管・輸送に関する豊富な実績及び高度な技術・ノウハウを活用し、3社協働の下、SHEDの高品質かつ安定的な保管・輸送体制を確立することを目的としています。
キッズウェル・バイオは、SHEDを用いた再生医療等製品を実用化させるための開発活動の一環として、乳歯を提供いただくドナーを安定的に確保する仕組みから、"薬のもと"となるSHEDのマスターセルバンク製造までの、一連のSHED中間製品提供サービス(以下、「S-Quatre®」)を構築いたしました。S-Quatre®において、キッズウェル・バイオは我が国で定められている医薬品における安全と品質の基準であるGCTP及びGMPに準拠したSHEDマスターセルバンクを製造し、このSHEDマスターセルバンクを用いた再生医療等製品の研究開発活動を鋭意推進しております。また、臨床、すなわちSHEDのヒトへの投与開始が見込まれる状況に至っていることから、SHEDをより高品質かつ安定的に保管・輸送できる体制の構築に取り組んでまいりました。
アルフレッサ並びに三菱倉庫は、再生医療を始めとした次世代医療の研究開発を営む企業が増加する環境を踏まえて、業界に先駆けて特殊な医薬品の流通スキーム及び管理に対応した新しいプロセス・技術の構築に取り組み、一般的な医薬品よりもさらに厳格な条件での管理体制が要求される再生医療等製品に対応した超低温保管や輸送技術を有しております。また、超低温保管施設を複数有していることから、自然災害等においても、高品質なSHEDを安定的に供給できる体制の構築が可能です。
今後本契約に基づく3社協働により、キッズウェル・バイオは、ドナー確保からSHEDの高品質かつ安定的な保管・輸送にまで機能を強化・拡張し信頼性を向上したS-Quatre®を基盤としてSHEDの研究開発活動をより一層加速させると共に、複数のアカデミアや企業との連携による研究・開発パイプラインを拡充し、2030年度を目標にSHEDによる再生医療等製品の実用化を目指します。
■キッズウェル・バイオについて
キッズウェル・バイオ株式会社は、「バイオで価値を創造する‐こども・家族・社会をつつむケアを目指して‐」を企業理念に掲げ、細胞治療(再生医療)、バイオシミラー*3、バイオ新薬事業を展開しています。病気に苦しむ患者さま、特に子供たちに、早期に革新的な治療薬・治療法を提供し、みんなが幸せに明るく暮らすことができる社会の実現に貢献できるよう、日々研究開発活動に取り組んでおります。詳しくはウェブサイトをご覧ください。
キッズウェル・バイオ株式会社 https://www.kidswellbio.com/
*1 再生医療等製品:人の細胞に培養等の加工を施したもので、疾病の治療・予防を目的として使用するもの
*2 ヒト乳歯歯髄幹細胞:乳歯内部の歯髄組織から採れる幹細胞で、骨や神経などに分化する能力を有する。ドナーが若く細胞年齢も若いため、他の組織由来の幹細胞と比較して増殖能が高い。また、各種成長因子(特に神経栄養因子)の分泌能が高い。
*3 バイオシミラー:バイオ医薬品(遺伝子組換えや細胞培養などの技術を応用して製造された医薬品)の特許期間が切れた後に製造・販売された医薬品のことで、先行バイオ医薬品と類似した品質や有効性、安全性を持つ。