2023年11月に開催された大人気セミナー「皮膚ガスセミナー ~研究開発の最前線~」より下記2つの講演を配信いたします。
株式会社アイシン 先進開発部 山口 秀明 様
「客観指標を用いた高ストレス者の早期把握 ~皮膚ガスによるストレス蓄積予兆検知~」
= 要 旨 =
うつ病など精神障害に係る労災認定数は年々増加しており、企業におけるメンタルヘルス対策は今後さらに重要になると考えられます。すでに多くの企業がメンタルヘルス対策に取り組んでいますが、精神障害への罹患者の増加を抑えるためには、メンタル不調の発生や重症化リスクの高まりを早期に、客観的に把握できる新たな技術が必要であると考えています。我々は手掌拇指から放散する皮膚ガスを用いて作成した代謝活動指標と血管運動指標を軸とする心身状態判定二次元マップにてストレス蓄積の予兆(リスク)を捉える手法を考案しました。本セミナーでは考案手法、およびメンタルヘルス対策への活用に向けた取組み(考え)について報告します。
川崎市環境総合研究所 都市環境研究担当 鶴見 賢治 様
「皮膚ガスを指標とする『みどり』のストレス軽減効果等に関する調査研究
~データに基づき『みどり』の価値を情報発信!~」
= 要 旨 =
川崎市環境総合研究所は、今年度に「環境とみどり」をテーマに調査研究を行っており、その一環として東海大学理学部関根研究室と共同で「皮膚ガスを指標とした『みどり』のストレス軽減効果に関する調査研究」を実施している。
本共同研究では、2023年5月に市内の公園緑地において緑地利用前と利用中におけるアンモニア、揮発性有機化合物の皮膚ガスを捕集・分析を行った。この結果、緑地利用によってアンモニアの放散フラックスは減少傾向、揮発性有機硫黄化合物(2成分)は有意に減少し、公園緑地の利用によるストレス軽減効果が示唆された。なお、2023年8月に実施した街路樹緑陰による暑熱ストレス軽減の実態調査は、現在解析中である。
申込締切:2024年4月30日(火)
参加費
無料