第25064号
ゲノム解析装置・サービスの市場を調査
― 2035年国内市場予測(2024年比) ―
■NGSを起点とするゲノム解析装置・サービス 1,493億円(3.0倍)
サービス市場、特に、バイオインフォマティクス分析サービスの伸びが拡大をけん引
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、一次配列の決定や単純な変異の有無などといったシンプルな解析での利用にとどまらず、NGSを起点としたより高度な解析手法の進展により、近年は創薬研究や開発モニタリングなどでも利用が進んでいるゲノム解析装置・サービスの国内市場を調査した。その結果を「NGS(次世代シーケンサー)/ゲノム解析市場 2025」にまとめた。
この調査では、NGSを起点とするゲノム解析装置・サービスの市場を技術ごとに体系的に捉え、市場ごとの相関やトレンドを分析した。また、医療応用と非医療に分け、それぞれ将来の市場を展望した。併せて、ゲノム解析装置・サービスの全体市場についても把握した。
◆調査結果の概要
1.NGSを起点とするゲノム解析装置・サービスの国内市場
装置市場は、NGS(次世代シーケンサー)とシングルセル解析装置を対象とする。
NGSは、医療分野での解析需要の増加に加え、近年では大学や公的研究機関といったアカデミアでロングリードの解析需要が高まっていることもあり、市場が拡大している。アカデミアでは解析の外注が増えており、装置を購入しない施設が増加しているが、外注の増加で解析サービス企業の装置購入が増えている。シングルセル解析は、アカデミアで実施されることが多いが、アカデミア自体が外注指向にあるため、シングルセル解析装置の伸びはやや低くなっている。
サービス市場は、NGS解析(次世代シーケンシング)、オミックス解析、シングルセル解析、空間解析、バイオインフォマティクス分析を対象とする。NGS解析は、一次配列を中心とした解析サービスを対象としており、市場規模が最も大きい。
近年、解析を外注する施設が増えており、解析需要も高まっていることから各サービスとも市場が拡大している。特に、細胞同士の位置情報を把握しながら各細胞の変異を解析することができる空間解析は、ゲノム解析の最先端トレンドとなっており、アカデミアを中心に需要が高まっていることから今後更に市場成長していくと予想される。また、バイオインフォマティクス分析においては、ハイスループット化により検体数が増加する中で、構造的にバイオインフォマティシャンが不足しており、サービスに対するニーズが高いことから今後も大幅に伸長するとみられる。
2.用途別市場
ゲノム解析装置・サービスの国内市場を医療応用、非医療に分け分析した。市場は医療応用、非医療ともに拡大している。非医療より医療応用の方が市場規模が大きく、2035年に向けた伸び率も高くなると予想される。
医療応用の市場では、NGS解析のウエイトが最も高い。医療応用では主にCGP(がんゲノムプロファイリング検査)とコンパニオン診断の市場が大きく、解析需要が多いことからである。一方、CGPの大手は海外の自社ラボで検査を実施していることが多く、NGSも海外で入手しているケースがほとんどであるため、市場に占めるNGSの割合は低くなっている。
非医療においては、NGSおよびNGS解析のウエイトが高くなっている。アカデミアにおいて近年ロングリードの解析需要が増加していることが要因である。
◆調査対象
装置
・NGS(次世代シーケンサー)※
※第一世代とされるサンガー法によるシーケンサーは対象外
・シングルセル解析装置
サービス
・NGS解析(次世代シーケンシング)
・オミックス解析
・シングルセル解析
・空間解析
・バイオインフォマティクス分析
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