グローバル臨床試験データインテリジェンスのリーディングカンパニーであるCiteline(サイトライン)は、2024年に完了した臨床試験に関する年次レポート『Annual Completed Clinical Trials Report』を発表しました。
本レポートは、Citeline独自のデータベース「Trialtrove」に基づき、主要な治療領域、疾患別トレンド、スポンサー別の試験動向などを網羅的に分析したものです。
臨床試験、過去8年間で最大の成長率
2024年に完了または主要評価項目を達成した業界主導の臨床試験は4,903件にのぼり、
前年比14.2%増と、過去8年間で最大の成長率を記録しました。

『Annual Completed Clinical Trials Report』より抽出
特にオンコロジー(22.5%増)、中枢神経系(19.6%増)などの領域で顕著な伸びが見られました。

『Annual Completed Clinical Trials Report』より抽出
また、疾患別では非小細胞肺がん(NSCLC)、乳がん、2型糖尿病、COVID-19、結腸直腸がんが上位を占めています。(上図)成功率の高い疾患としては、呼吸器ワクチン(48.2%)、COVID-19(37.8%)、肥満(37.6%)などが挙げられています。
スポンサー別では、メルクが228件の試験を完了し、初の首位に
『Annual Completed Clinical Trials Report』より抽出
2024年における完了試験数の上位5社は、いずれもトップ20製薬企業に該当しており、中でもMerck & Co.は過去最多となる試験数を記録し、初めて首位に立ちました。同社の試験数は2022年以降着実に増加しており、2024年には2年前のほぼ2倍に達しています。
また、Merck & Co.がスポンサーとなった試験のうち、半数以上(128件、非公開データ)はオンコロジー領域に関連していました。
その他、Sino Biopharmaceuticalsが2024年に完了した試験のうち47.6%が主要評価項目を達成し、成功率の高いスポンサーの一つとして位置づけられるなど、臨床試験の成功確率を高めたいと考える製薬企業やCROにとって、本レポートは設計戦略の見直しに役立つ実践的な示唆を提供します。
Citelineでは、臨床試験に関連する信頼性の高いデータをもとに、試験デザイン、施設・医師選定、患者リクルートまでを一気通貫で支援するソリューションを提供しています。
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