- VectorBuilderが開発した網膜細胞へ高効率に遺伝子を導入可能な新規AAVカプシド群より、Ikarovecに1種類を独占的にライセンス供与。
- IkarovecのAAV遺伝子治療候補「IKAR-003」は、世界中の中期AMD患者に対し、硝子体投与での治療を可能にする。
- 疾患の進行予防が重要となる中期AMD患者に対して、より効果的な治療法への迅速なアクセスを提供。
- IKAR-003の中期AMDを対象とする想定取引額は、10億ドルを超えると見込まれる。
ノリッジ, 英国 & シカゴ, 米国, 2026年1月6日 – 網膜疾患に対する二重経路遺伝子治療(dual-pathway gene therapies)を手掛けるIkarovecは、遺伝子デリバリー技術の世界的パイオニアであるVectorBuilderと、同社の新規AAVカプシド技術をIkarovecの中期加齢黄斑変性症(中期AMD)の遺伝子治療候補IKAR-003へ適用するための独占的な世界オプション契約を締結しました。二重経路遺伝子治療技術の追加の評価が完了した後、両社は戦略的な提携関係に入り、IKAR-003の臨床開発および商業化についてはIkarovecが担当します。IKAR-003の中期AMDに対する潜在能力を考慮すると、この提案された案件における取引額は10億ドル(1ビリオンUSD)を超えるものと見込まれています。
VectorBuilder独自のカプシド技術を活用することで、IKAR-003の網膜への遺伝子送達は、低侵襲の硝子体注射経路を通じて、病院施設外の診療所などでも投与が可能になります。このアプローチにより、疾患の進行予防が優先される早期から中期AMDの患者が、より効果的な治療法への迅速なアクセスが可能になります。IKAR-003では、神経保護と補体調節(complement modulation)という二重経路のアクションを組み合わせたAAV遺伝子治療を単回投与し、視覚機能を維持して疾患の進行を阻止するよう設計されています。
現在、承認された治療法がない中期AMDは、世界で何百万もの患者に影響を与えています。この病期にある患者は、いずれも不可逆的な視力喪失につながる地理的萎縮症(Geographic Atrophy, GA)や湿性AMDへ進行する危険性が著しく高くなっています。
「VectorBuilderとの提携を通じてIKAR-003を展開することで、我々は診療所でも投与可能な硝子体内治療薬を生み出します。これにより、病気の進行防止という極めて重要な目的を達成するための、理想的なパイプラインの価値を最大化できます」と、Ikarovec社長兼CEOのThomas Ciulla, MD, MBA,は語りました。「他の硝子体内投与用AAVカプシドの選択肢を徹底的に評価した結果、VectorBuilderの技術が優れた効果を発揮すると確信に至りました。」
「IKAR-003は、当社の主要プログラムであるIKAR-001と同じ二重経路アプローチを採用しています。先行するIKAR-001では、進行した地理的萎縮症(GA)を対象とし、実績のある網膜下注射(subretinal injection)によるAAV遺伝子送達を用いて2026年末に臨床試験を開始する計画です。したがって、当社はそれぞれのニーズに合わせたアプローチにより、異なる二つの患者集団に対応します。」と彼は続けました。
「私たちはIkarovecと数年間にわたる技術協力から、同社のアプローチや技術的な条件を深く理解することができました」と、VectorBuilderの創設者兼チーフサイエンティストであるブルース・ラーン博士は語りました。「当社は、合理的設計とAAV配列空間の超ディープサーチを融合させたAI搭載のDeepCapプラットフォームを活用することで、最高水準の眼科用AAVカプシドの設計を実現しました。非臨床試験において、当社の硝子体内投与用AAVカプシドは、網膜の広い領域を標的とし、黄斑細胞のほぼ全てに遺伝子を効率よく導入(トランスダクション)しました。その結果、現在の既存の臨床用カプシドよりも、広範かつロバストなトランスダクション効果が確認されています。弊社のカプシド技術と、Ikarovecの画期的な二重経路治療アプローチ、さらに経験豊富な両社のリーダーシップチームが一体となることで、視力喪失につながる網膜疾患患者のための、革新的な治療法開発に向けた確固たる基盤が構築されると確信しています。」
詳細については、ベクタービルダー・ジャパン株式会社にお問い合わせください。
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Ikarovecについて
英国に拠点を置くIkarovec Limitedは、臨床段階に近いバイオテクノロジー企業として、視力を脅かす網膜疾患への二重経路遺伝子治療を先導しています。同社は、2020年にQuethera(2018年にアステラス製薬が買収)からスピンアウトして設立され、イギリス・ノーフォークのノリッジ・リサーチ・パークに本社を構えています。Ikarovec独自のbicistronic遺伝子治療プラットフォームは、既に検証されている治療アプローチを基盤としつつ、相乗効果を発揮する第二のメカニズムを追加します。これにより、現在の単一経路療法に欠けている、病態の発生リスクを低減する効果を補完します。同社のリードプログラムは、大規模な市場に対応しており、検証済みの網膜下投与を用いる地理的萎縮症や網膜色素変性症、そして診療所を拠点とした硝子体内投与を用いる中期AMDおよび湿潤型AMDなどが含まれています。Ikarovecは、bicistronic遺伝子治療の専門家集団によって運営されています。チームメンバーは、Spark、Iveric、EyeBioといった企業を含め、総額130億ドルを超える主要な眼科製品やイグジットに直接的に携わった豊富な経験を持っています。より詳細な情報については、www.ikarovec.com をご覧ください。
VectorBuilderについて
遺伝子デリバリー技術の世界的パイオニアであるVectorBuilderは、世界中の数千の研究所、バイオテクノロジー企業、製薬企業にとって不可欠なパートナーです。基礎研究から臨床開発まで、あらゆる段階の研究・臨床ニーズに対応する広範な遺伝子デリバリーソリューションを提供しています。VectorBuilderは、低い組織特異性、免疫原性、限られたカーゴサイズ、低い製造効率など、現行の遺伝子送達技術における主要な課題を解決することにより、遺伝子医薬品の機能性・安全性・製造性の向上に注力しています。これを支えるのが、独自のAI搭載DeepCapプラットフォームです。このプラットフォームは、機械学習と合理的設計に加え、分散配列空間の大規模並列探索を組み合わせることで、クラス最高のトランスダクション効率と組織特異性を持つ新規AAVカプシドのエンジニアリングを実現しています。VectorBuilderは、このプラットフォームを活用して、中枢神経系、末梢神経系、筋肉、心臓、網膜、内耳といった治療的に重要な幅広い組織に対応する大規模なAAVカプシドパネルを構築しました。さらに当社は、約10,000平方メートルの最新cGMP施設を稼働させ、遺伝子医薬品製造に関するICHガイドライン、ならびに米国およびEUの規制基準に完全に準拠しています。VectorBuilderは、米国、ヨーロッパ、オーストラリア、日本、中国、韓国といったグローバルな顧客基盤に、IND対応の高品質なベクターを提供することで貢献してきました。また、BioTech Breakthrough Award、PharmaVoice 100 Award、Bioz Rapid Star Award、CDMO Leadership Awardをはじめとする、数々の著名な賞を受賞しています。詳細については、www.vectorbuilder.com をご覧ください。
お問い合わせ先
ベクタービルダー・ジャパン株式会社