毒性試験は医薬品開発の基盤です。臨床投与量の選択、潜在的な安全性リスクの特定に利用され、IND(治験薬申請)およびNDA/BLA(新薬承認申請)申請における規制要件を満たすために不可欠です。

「Rang, H.P. 2006. Drug discovery and development. Elsevier. London」より引用
従来では、非ヒト霊長類(NHP)は前臨床毒性試験において広く使用されてきました。ところが、倫理的懸念の高まり、高いコスト、そして長期にわたる試験期間を必要とするため、規制当局や業界では代替手段の検討を迫られています。2025年4月10日に、FDAは毒性試験におけるNHPへの依存を減らす計画を発表したのをきっかけに、薬剤標的ヒト化マウスモデルが有効な代替手段として認識されました。この変化を反映し、業界ではIND申請(IND)に必要な毒性試験において、ヒト化マウスモデルの採用が増加しつつあります。
ヒト化マウスを選ぶ理由 :
ヒト化マウスモデルは、ヒト特異的遺伝子を発現するように遺伝子編集されているため、ヒト標的に対して薬剤候補を直接に試験することができます。NHPと比較して、ヒト化マウスには多くの特長があります。
- ヒト標的への特異性と作用機序を維持
- 50%以上のコスト削減と試験期間の短縮が実現
- マウスの体格が小型であるため、試験材料の用量が減る。
科学的・実用的課題の両方に対応することで、ヒト化マウスは毒性評価に向けて、生物種がヒトに近くてより効率的なプラットフォームを提供します。
毒性試験用のBiocytogenヒト化マウスモデル
Biocytogenは、前臨床安全性試験のための薬物標的ヒト化マウスモデルの開発とアプリケーションをリードする企業です。当社のモデルは世界中の製薬企業に広く採用、検証されており、規制当局への申請や承認取得に直接支援しています。
• 20種類以上の候補医薬品のFDA/NMPA/TGA IND承認をサポートした実績
• 2種類の候補医薬品がNMPAよりBLA承認を取得しました。
• 一般毒性試験およびDART(発生・生殖毒性試験)試験適用できました。
• モノクローナル抗体/ 二重特異性抗体/ ADCなど、異なるタイプの薬剤タイプで検証済みです。
▷ INDのサポート
当社の豊富な経験とインフラにより、ヒト化マウスのデータを規制当局への申請にシームレスに統合できます。
- 安全性評価センターとの連携実績
- IND補足ファイルとして直接使用可能な、規制対応の製品データパッケージ
- 長期毒性試験および生殖毒性試験をサポートする包括的なデータセット
▷ 最先端の技術
Biocytogenの技術基盤は、毒性研究における品質、一貫性、信頼性を保証します。
- 10年以上にわたる遺伝子編集の専門知識
- 標的の発現、機能、薬剤結合を網羅するモデル検証
- 独自のIVF技術により、体重変動が3g未満の大規模コホートでの同期化を実現
Case Study 1:喘息治療薬評価向けのIL4/IL4Raヒト化マウス(B-hIL4/hIL4Rα)
Biocytogenのヒト化モデルがリアルの医薬品開発における最新の事例を紹介します。
適応症:喘息
候補化合物:LQ036(喘息経路であるIL-4Rαを阻害する吸入ナノボディ、Zhu et al. 2024)
試験デザイン:
- B-hIL4/hIL4Rαヒト化マウスを用いたGLP準拠の反復投与毒性試験
- B-hIL4/hIL4Rαヒト化マウスにおけるOVA誘発急性アレルギー性炎症に対する有効性試験
- B-hIL4/hIL4Rαヒト化マウスにおけるLQ036の薬物動態および組織的分布
LQ036の毒性に関する知見:
- NOAEL(無毒性量)は20.9 mg/kgと設定されました。
- 臨床化学検査において、有意な毒性学的変化は認められませんでした。
- 主要サイトカイン(IL-2、IL-6、IL-10、IFN-γ、TNF-α)は正常範囲で維持しました。
- 主要免疫マーカー(IgA、IgG、C3、CIC、T細胞、CD4+、CD8+、CD4+/CD8+比)は正常範囲で維持しました。
- 免疫原性は低く、抗薬物抗体は少数の動物でのみ検出されました。
臨床状況:LQ036は中国で第IIa相臨床試験に進んでいます。

喘息治療のためのIL-4Rαを標的とする新規吸入ナノボディ( Zhu et al. 2024)

LQ036の毒性 (Zhu et al. 2024)
Case Study 2:CD16ヒト化マウスを用いた自己免疫疾患治療薬に対する評価
適応症:免疫血小板減少性紫斑病(ITP)をモデルとした自己抗体介在性疾患
候補薬:GMA161 [自己抗体によるFcγRIII(CD16)を介した血小板除去を阻害するように設計されたヒト化抗CD16A抗体]。
試験デザイン:CD16ヒト化マウスを用いた反復投与毒性試験
結果:
- 2回目の投与後15~30分以内に過敏症様反応が確認されました。
- サイトカイン放出症候群に関連するレベルを下回る、軽度かつ一過性のサイトカイン(例:IL-6、IL-12)の上昇が認められました。
- 用量依存的な抗薬物抗体産生が確認されました。
- 軽微から軽度の骨髄異形成が見られました。

CD16ヒト化マウスにおけるGMA161の反復投与毒性(Flaherty et al. 2012)
今後の展望
ヒト化マウスモデルは、規制に準拠した毒性学の分野で注目を集めています。FDAの承認とバイオ医薬品業界での採用拡大に伴い、従来のNHP(非ヒト霊長類)研究に代わり、費用対効果が高く、科学的に検証可能な代替手段としてフォーカスされています。
Biocytogen社は、このトレンドの最前線に立ち、高度な遺伝子工学、検証済みのモデルシステム、そして規制に対応する専門知識を活用することで、パートナーの皆様が前臨床研究から臨床成功への道のりを加速できるよう支援します。
当社と共に、IND申請に向けた毒性学プログラムを効率化にすることをぜひご検討ください。(お問い合わせ)
毒性学研究において、ヒト化マウスモデルに関するFAQ:
1. 医薬品開発における毒性試験とは何でしょうか。
毒性試験の結果で、医薬品候補の安全性プロファイルを評価されます。潜在的なリスクを特定し、安全な投与量範囲を確立し、IND(治験薬申請)やNDA(新薬承認申請)などの規制当局への申請に必要なデータを提供することは要求されています。
2. ヒト化マウスモデルとは何でしょうか。
ヒト化マウスモデルは、ヒト特異的な遺伝子または受容体を発現するように遺伝子編集されています。そのため、医薬品候補がヒトの標的とどのように相互作用するかを評価するのに非常に適しており、臨床応用可能な前臨床安全性データを提供できます。
3. ヒト化マウスはFDAなどの規制当局に受け入れられますか。
はい。FDA、NMPA(中国)、TGA(オーストラリア)は、当社のヒト化マウスモデルの毒性データを複数のIND申請で受け入れられています。現在までに、当社のヒト化モデルを利用した医薬品候補が20種以上IND承認を取得しています。
4. ヒト化マウスを用いてどのような毒性試験を実施できますか。
ヒト化モデルは、一般毒性試験、発生・生殖毒性試験(DART)評価、反復投与毒性評価、長期安全性試験に適しています。
5. Biocytogenは、IND申請に必要な毒性試験においてどのような特長がありますか。
- IND申請にシームレスに統合できるよう設計された、規制対応データセット
- FDA、NMPA、TGAのIND承認をサポートする実績
- 10年以上の遺伝子編集の専門知識
- 独自のIVF技術
- 多様な標的および治療法で検証済み
Reference:
Rang, H. P., editor. Drug Discovery and Development: Technology in Transition. Churchill Livingstone/Elsevier, 2006.
Zhu, Min, et al. "A novel inhalable nanobody targeting IL-4Rα for the treatment of asthma." Journal of Allergy and Clinical Immunology 154.4 (2024): 1008-1021.
Flaherty, Meghan M., et al. "Nonclinical evaluation of GMA161—an antihuman CD16 (FcγRIII) monoclonal antibody for treatment of autoimmune disorders in CD16 transgenic mice." Toxicological Sciences 125.1 (2012): 299-309.
お問い合わせ先
Contact Email: info@biocytogen.com.cn


