肺線維症治療薬の前臨床開発における課題と展望

肺線維症は、米国とヨーロッパで発症率が年間10万人あたり5例を超えると推定されてい る疾患である。慢性呼吸不全に至る可能性があり、高齢者にみられ(50 歳未満では非常に まれ)、診断時にはすでに進行していることが多く、治療選択肢が限られている。従って、 進行を遅らせ、停止し、あるいは改善することができる新薬への医学的ニーズは大きい。本 稿では、肺線維症に関する現在の知見と、新薬開発に利用できる前臨床研究の手法について 検討する。