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投稿日:2024年10月31日 投稿者:一般社団法人ヘルスケアイノベーション協会

GifTs R&Dチームがアジア薬剤疫学会で口頭発表 - 地域活性化プロジェクト参加者も募集中!

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一般社団法人ヘルスケアイノベーション協会がオフィシャルスポンサーとして支援を行っているGifTs(Glocal Innovator & Future Talent society)のR&Dチーム(Research & Data science)がこの度、2024年10月12日~14日にかけて開催された第16回アジア薬剤疫学会(ACPE 2024)に参加し、研究内容に関するOral Presentationを行ったことをご報告いたします。

また、前回のプレスリリースで参加者の募集開始をお伝えした軽井沢地域活性化プロジェクト3rd seasonについても、11月17日(日)まで募集しておりますので、ご興味を持たれた方はぜひ応募をご検討いただけますと幸いです。

軽井沢地域活性化プロジェクト3rd seasonへのエントリーはこちらから

<GifTs R&Dチームについて>

GifTsは、地域の課題解決を通じて地域社会に貢献し、参加者の新たな才能を開花させることを目標とする団体です。これまでは、軽井沢の地域活性化プロジェクト開催が主な活動でしたが、GifTs発足に際してR&D (Research & Data Science) 活動も開始しました。R&Dチームではヘルスケアに限定しない幅広い社会課題を対象とした研究活動や、データサイエンスに関する勉強会に注力しています。

<アジア薬剤疫学会 (ACPE)と学会での研究発表>

疫学とは、人間集団の中で顕在化する健康関連の事象の頻度や分布およびそれらに影響を与える要因を明らかにして、健康関連の諸問題に対する有効な対策の樹立に役立てるための学問です。

今回で16回目を迎えるアジア薬剤疫学会が今年は東京大学にて開催され、中国・香港・台湾・インド・サウジアラビアをはじめとした様々なアジアの国・地域から研究者が参加しました。

ACPEでの研究発表形式はPoster SessionとOral Presentationの2つがあり、学会に研究内容の要旨 (Abstract) を提出したのち、採択されればPoster Sessionにおいてポスター発表が可能となります。さらに採択された要旨の中から優秀と判断されたものは、Oral Presentationにおいてステージに登壇しての英語での研究発表が可能となります。

今回GifTs代表責任者・発起人の石田武浩(帝京大学公衆衛生大学院博士客員研究員)が提出した要旨は、見事Oral Presentationに採択され、貴重な日本人登壇者(日本人発表者は全発表者中10%程度)となりました。

今回、R&Dチームから社会人責任者を兼任する石田武浩(帝京大学 公衆衛生学博士 客員研究員、写真左)、学生リーダーの姫越翔(東京大学4年、写真中央)と山口智史(東京科学大学 大学院修士1年、写真右)の計3名体制で本学会参加に向けた準備に取り組みました。また、一般社団法人ヘルスケアイノベーション協会は、ACPE参加に際して学会参加費のサポートを行いました。

(学会中の東大食堂でのR&Dチームランチ)

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<学会当日までのR&Dチームとしての準備>

2024年7月から発表準備を開始しましたが、学会当日までの3ヶ月間は、R&Dチームの社会人責任者を務める石田武浩が海外長期出張で米国ニュージャージー州にいるという状況で、米国と13時間の時差がありました。その中で、R&Dチームとして計10回におよぶオンラインミーティングを実施し、学会発表後の国際誌への論文投稿を見据え、世界中の先行研究の読み込み、研究内容の理解を急速に深めながら、学生リーダー2名を中心に本発表のストーリー構成や発表資料作成を進めてきました。

学生メンバーは所属大学では別の領域を専門として研究活動を行っており、姫越翔はコンピューター科学を、山口智史は生命理工学を専門としています。

R&Dチームとして学会に参加するにあたり、帝京大学の公衆衛生学博士号を保有し同大学公衆衛生学研究科の客員研究員でもある石田武浩の指導の下、学生メンバーは新たな専門分野として疫学に関する知識を深めていきました。その上で、学生メンバー主導でOral Presentationで使用する発表スライドを作成し、登壇した石田による英語での発表練習を行いました。

当時の学会準備の状況を、R&Dチーム学生リーダーを務める山口智史は以下のように振り返っています。

「各々が多忙な中で、未経験の疫学分野での研究にも関わらず、とても効率的に研究内容に対する理解を深めながら、発表準備を進められたことに達成感がありました。自分自身も大学での研究と就職活動を同時並行で進めており、学会発表も論文発表も未経験だったことから、新たにGifTsのR&Dチームでの研究活動に手を伸ばすことに対して、最初は少し不安でした。しかし、チーム内で役割分担を決め、効率的にスライド作成等のタスクを進めることができました。また、オンラインミーティングにて、私達からの研究内容に関する初歩的な質問に対して、石田さんが先行研究を調べる際のコツをはじめ、疫学やポリファーマシーに関する知識をわかりやすく説明してくれました。毎回視野が広がることを楽しみながら、研究内容に関する理解を深めることができ、研究内容や論文投稿の解像度が驚くほどクリアになりました。」

(R&Dチームでのオンラインミーティングの様子)

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<ACPE当日>

当日は、主にPoster Sessionでの国際交流と、Oral Presentation直前準備を行いました。

Poster Sessionではアジア各国からの参加者とのネットワーキングを行い、疫学領域に関する意見交換や参加者との交流を深めました。R&Dチーム学生リーダーを務める姫越翔はTOEFL104点(120点満点)の英語力を活かして積極的に交流を行い、その経験を以下のように振り返っています。

「学会では2点感じることがありました。1点目は海外から来ている学生のレベルの高さです。特に、インドの薬学部6年生の女性の方が印象的でした。彼女は卒業後はオーストラリアで薬剤師となり、臨床の道に進む予定とのことです。それにもかかわらず、研究にも精力的に取り組んでおり、すでにFirst Authorとして論文を2本国際誌に通しており、現在3本目も投稿して査読対応中と話していました。日本では考えられない研究成果に驚かされ、私自身も今後大学院に進学するにあたり、世界のレベルを意識して頑張らないといけないと気が引き締まりました。

2点目はコミュニケーションスキルの重要性です。一緒に参加していた石田さんの様子を見て、英語力も非常に高いレベルなのはもちろんですが、相手の文化を理解した上で雑談やボディランゲージなどを交えながら、急速に相手との距離を縮める姿が印象的でした。

これらの学びを生かして、今後もGifTsのR&Dチームとしての研究活動に精力的に取り組んでいきたいと思います。来年のアジア薬剤疫学会は中国の四川で開催されるとの事なので、自分自身も発表者として参加できればと思います。」

(Poster Sessionでのインド学生との交流)

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<発表: Nationwide Cross Sectional Study for Local Polypharmacy by NDB during COVID-19>

10月14日(月)の学会最終日に、GifTs代表責任者・発起人の石田武浩が登壇し、10分間の口頭発表と5分間の質疑応答を行いました。発表したテーマは、日本におけるポリファーマシー(多剤投与)問題に対する新型コロナウイルス流行の影響について分析した内容となっています。ポリファーマシーとは、患者に対して必要以上に多くの種類の薬剤を処方・服用してしまう状態であり、健康への悪影響や薬剤の廃棄などの観点から多剤投与は可能な限り削減すべきとされています。本発表では、全国の処方箋データを厚生労働省が集計して公表しているNDBオープンデータを用いて、地域ごとのポリファーマシーの割合を算出しています。また、緊急事態宣言前後のポリファーマシーの割合を比較することで、ポリファーマシーを削減するための政策に対する新型コロナウイルス流行の影響に関する考察を行っています。

学会発表の動画はこちらから視聴可能です。

(学会でのGifTs石田の口頭発表の様子)

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<今後のGifTs R&D活動>

今後は、学会で発表した研究内容の国際誌掲載に向けて、投稿論文の執筆にR&Dチームとして尽力していきます。

また、来年中国の成都(四川省の省都)で開催される第17回アジア薬剤疫学会にも参加する予定です。来年の学会に向けて学生メンバーも各自テーマを持って研究活動を行い、その内容を学会で発表する予定です。

今後のR&Dチームの展望に関して、社会人責任者を兼任する石田武浩は以下のように述べています。

「GifTsにおけるR&D活動は、チームで研究に取り組むことで研究に対するハードルを下げて、"研究活動に市民権を"という想いで活動を開始しました。今回は専門分野の異なる理系学生との協働にトライしましたが、彼らの成長速度に感銘を受けた事はもちろん、何より楽しく協働しながら発表の準備を行えたのが良い思い出です。今後は、働きながら博士号を取得した社会人や、文系の学生も研究活動に巻き込み、幅広い社会課題に対応可能なGifTs独自の研究体制を構築していきたいと考えています。」

<最後に>

R&Dチームを含め、GifTsは今後様々な活動に取り組んでいく予定です。来年3月には軽井沢地域活性化プロジェクト3rd seasonを予定しています。軽井沢地域活性化プロジェクトでは、主に農業・インバウンド・ヘルスケアの3分野で学生と社会人がチームを組み、軽井沢での協力者に対して課題解決提案を行うプロジェクトです。こちらの参加応募は11月17日(日)まで募集していますので、ご関心をお持ちの方々やご支援を希望される企業様、大学関係者の方々は、下記のGifTs公式ホームページをご覧ください。

GifTsに関してはこちらから

軽井沢地域活性化プロジェクト3rd seasonへのエントリーはこちらから

編集担当:山口智史(GifTs R&D学生リーダー)

お問い合わせ先

一般社団法人ヘルスケアイノベーション協会 info@hc-innovation-association.org

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