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イベントレポート

第2回 メドテック・イノベーション シンポジウム&ピッチ~デジタル、AIが医療の近未来をどう変えるか~を開催(11/5)

医療機器をはじめとする「メドテック」領域における新たなイノベーションの創出を考えるシンポジウム「メドテック・イノベーションシンポジウム&ピッチ」が11月5日、日本橋三井ホールで開催されました。2回目の開催となった今年のテーマは「デジタル、AIが医療の近未来をどう変えるか」。シンポジウムは、澤芳樹氏・宮田満氏の両名による基調講演と対談企画でスタートしました。

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パネルディスカッションでは「デジタルヘルスが医療領域及びヘルスケア領域において成功を収めるためには何が必要なのか」を議題に活発な議論が行われました。その後、休憩を挟んで「メドテック・イノベーションピッチ」が開催され、国内のスタートアップ5社が豪華賞品(海外派遣または最大1億円の事業化資金)をかけたコンテストに挑戦しました。休憩時間には、ポスター展示コーナーでショートプレゼンテーション「メドテックオークション」が行われ、企業や団体が日頃の活動成果を来場者にアピールしました。

【基調講演】澤 芳樹氏(LINK-J/大阪大学大学院医学系研究科外科学講座心臓血管外科)
開会にあたり、澤芳樹氏が基調講演を行いました。心臓外科医である澤氏は、医療機器技術の開発と心臓外科の成績向上の歴史を振り返り、その上で期待される「デジタル医療と人工知能」についても「間違いなく未来の医療の質を大きく変えるだろう」と指摘し、その先の「誰が・どこで・どのように変えるのか?」が重要になると強調しました。「日本は、医療を変革する技術の発信地になり得るのか?」という視点で澤氏が注目するのが「目利きと仕掛け」で、大阪大学での取り組みを例に挙げ説明しました。大阪大学では、「目利き」について、起業家マインド育成プログラムや産学連携プログラムなどを通じた人材育成、「目利き」に努めています。「仕掛け」としては、大阪大学で『仕掛学』を研究する松村真宏博士の好奇心を刺激して行動変容を促すという研究の方向性は、人工知能やデジタル医療でも重要だと指摘しました。例えば、ゴミ箱の上にバスケットゴールを設置した、捨てたくなるゴミ箱などです。澤氏は、イノベーションに必要な3大要素として「資金・教育・プラットフォーム」を挙げ、さらに、大阪人として「目利きと仕掛け」で『三方良し』を目指していきたいとの展望を示しました。

【基調講演】宮田 満氏(株式会社宮田総研、株式会社ヘルスケアイノベーション)
続いて登壇した宮田満氏は、「融合」をキーワードに、未来のデジタル医療の展望について独自の見解を紹介しました。コンピュータ技術の進歩に伴い、私たちはゲノム情報からメタボローム情報まで多種多様な生体情報を入手できる時代になりましたが、海外では次のステップ「情報の融合」による医療の最適化を目指す動きが進んでおり、英国など各地で国民を対象とした大規模なゲノム情報収集プログラムが進行していると宮田氏は説明しました。宮田氏は「住民参加による新しい科学『コミュニティ・デライブド・サイエンスcommunity-derived science』」が、近未来の医療の基盤技術になるだろうと考察します。さらにデジタルと情報技術の融合の実例として「デジタルセラピューティクス(Digital therapeutics:DTx)」を例示。すでに米国では、2型糖尿病のスマートフォン用治療アプリケーションが認可を受けており、ランダム化比較試験では、標準的な経口血糖降下薬よりも優れた治療効果を証明しています。日本でも来年にはニコチン依存症治療アプリの承認が期待されており、宮田氏は「デジタルセラピューティクスが保険診療で利用できる時代がきている」と評した上で、「近未来の医療では全ての技術が融合して患者の課題解決に向かう」との見解を明らかにしました。

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【対談】澤 芳樹氏×宮田 満氏
続いて、澤芳樹氏・宮田満氏による対談企画が行われました。日本発のデジタル医療技術の展望について、澤氏は「日本の心臓外科領域では、医療機器も手術室の設備も9割以上を海外製品が占めている」という現状を挙げて、これから登場するデジタル医療技術は現在の医療機器の輸入過多の状況からの脱却を目指す必要があると指摘しました。宮田氏は、デジタルセラピューティクス領域では日本にも強みがあるとの考えを示しました。その理由として「開発・製造コストの安さ」「副作用リスクがほとんどゼロ」「デジタル領域にはIT産業を中心に日本にも成功経験者が多い」を挙げました。この意見に澤氏も「IT産業で成功した人たちに参入してほしい」と、成功経験者の市場参画の重要性を訴えました。宮田氏はまた、国内の外科手術治療情報データベース事業を例に「非常に高い医療水準の治療成績がこれほど蓄積されている国は、日本しかない」と指摘し、日本の優れた治療成績とオミクス情報が融合することで「最適治療による最大効果を目指した医療モデルを提示できる」と提言しました。その上で、いきなり全世界を目指すのではなく、人種的にも日本人と近い東アジア地域から挑戦してはどうか、との見方を示しました。 

講演&パネルディスカッション
モデレーター:浅野 武夫氏(順天堂大学革新的医療技術開発研究センター)

126.jpg【講演】松村 泰志氏(大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学講座医療情報学)
松村泰志氏は、阪大病院で実証実験中の「医療版情報銀行」を解説しました。患者ひとりひとりの医療データの利活用は、医療の最適化から創薬・保険事業まで様々な分野での応用が期待されていますが、実際には患者個人が複数の事業者と個別に交渉・契約するのは現実的ではありません。そこで個人の信託を受けて医療データを管理するのが医療版情報銀行です。阪大病院は総務省の委託を受けて、三井住友銀行と共同で医療版情報銀行の実証実験に取り組んでいます。はじめは産科から小さく開始した同事業について、松村氏は「始めてみると様々な問題に直面した」と振り返ります。その上で、今後は営利企業を対象とした利活用を支援できる体制構築も目指したいとの展望を示しました。

135.jpg【講演】三宅 邦明氏(株式会社ディー・エヌ・エー/DeSCヘルスケア株式会社)
三宅邦明氏は、株式会社ディー・エヌ・エーの事業における共通理念「利用者が楽しみながら続けられるシステム」について講演しました。三宅氏曰く、「エンゲージメント・サイエンス」と呼ばれるこの手法は、スマホゲームから遺伝子検査サービスまで、同社の様々な事業に共通する基本理念です。例えば、同社の健康管理サービス「ケンコム」は、登録者の健康状態に合わせた最新情報の配信・ポイントサービス・チーム対抗戦イベントなどを通じて、健康アプリとしては驚異の継続利用率75%超を達成しています。三宅氏は「『貴方のためだ』といって無理強いしても人は動かせない」と指摘し、そこに楽しさやお得感を織り交ぜることが継続のポイントになるとの見方を示しました。

155.jpg【講演】井上 祥氏(株式会社メディカルノート)
井上祥氏は、医師と患者をつなぐ医療情報プラットフォーム「メディカルノート」を紹介しました。同社は医療情報発信・病院検索・医師検索・医療相談・疾患啓発などを主事業としており、創設以来の閲覧ユーザー数は累計で数億人、月間でも二千万前後に上ります。最近では、地方自治体(横浜市)と連携して同社で作成した記事などからエピソードを製作、漫画化して一般生活者に届ける「医療マンガ大賞」を通して「医療情報との接点(タッチポイント)構築」にも挑戦しています。井上氏は「たとえ内容が優れていても、そこに至るタッチポイントがないために、誰にも閲覧されないという事態が往々にして起きている」と指摘。必要な情報を必要な人に届けるには、人と情報をつなぐ導線を意識することが重要だと訴えました。

169.jpg【講演】上野 太郎氏(サスメド株式会社/ 医師・医学博士)
上野太郎氏は「デジタル医療技術の開発」について講演しました。上野氏が代表を務める株式会社サスメドは、同社のデジタル技術を用いた医療課題の解決に挑戦しており、その1つに「睡眠障害」があります。睡眠障害に対するデジタルセラピューティクスは、睡眠薬のように副作用の懸念がなく、認知行動療法と比べて医療者側の負担も小さいことから、高い有用性が期待されています。本システムは、患者の個人情報を含むセキュリティを担保しつつ、臨床試験へのデータのスムーズな利活用が可能な基盤をしっかり構築することで、他の疾患領域での患者支援プログラムにも即座に対応できるようになっています。ほかにも、「乳がん患者向け運動療法アプリを用いた臨床研究」などを紹介し、医療分野におけるデジタル技術の幅広い可能性に強い期待感を示しました。

【パネルディスカッション】
上記4名の講演後には、演者4名と、ピッチコンテストの審査員3名を加えてのパネルディスカッションが実施されました。デジタル医療開発における目下の課題は「マネタイズ(収益化)」構造の実現です。

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ディスカッションでは、メディカル領域とヘルスケア・ウェルネス領域それぞれの「収益化構造を阻害する要素」を指摘する声があがりました。例えば、メディカル領域では「医療機器としての承認取得には長い時間と費用を要する」「承認されても開発費に見合う価格設定になるとは限らない」、ヘルスケア・ウェルネス領域では、「予防医療だけで収益化構造を作るのは難しい」「ヒトは病気にならないと動かない」などの課題が出ました。その一方で、メディカル領域については「治療アプリは国民皆保険制度にも馴染みやすい筈だ」、ヘルスケア・ウェルネス領域については「個人の支出は期待できない。まずは生命保険会社や保険者を対象とした成功報酬型モデルで収益化を目指すべきだ」との意見も聞かれました。投資家側から起業家側に対しては、「何が成功するかは私たちにもまだ分らない」と前置きした上で、「新しい世界観を聞かせてほしい。私たちはそこに惹かれて出資を決断する」との注文も出ました。

【展示者によるショートプレゼン】

264.jpg株式会社志成データム
志成データムは、通信機器・医療機器などの製造販売を行う機器会社です。中でも同社の医用電子血圧計は、従来のカフ式自動血圧計と変わらないサイズと操作感で動脈硬化指標が測定できる画期的な製品です。同社代表は、現在はアームイン式測定器も開発しており、来年度までには製品化できるとの展望を示しました。また、薬局・公共施設・職場などで利用してもらい、健常者から重症者まで多様な集団を同じ硬化指標で評価することで、将来の動脈硬化性疾患の発症リスク診断の精度向上のためのシステム構築につなげたいとの展望を示しました。

282.jpgトリプル・リガーズ合同会社
トリプル・リガーズは、主にヘルスケア領域に特化したデザイン制作を行う会社です。同社代表は、医学と美術の両方で専門教育を受けており、かつ製薬会社での営業経験も有する異色の経歴の持ち主です。同社は、主にデジタルコンテンツのデザイン制作などを行う一方で、かつて代表が2型糖尿病と診断された経験から、血糖値を楽しく測定するイベントなど、医療とアートの融合にも積極的に挑戦しています。代表氏は「皆様の会社をデザインで楽しくしていきたい」と来場者に呼びかけました。

266.jpg合同会社BeCellBar
名古屋大学発ベンチャー企業のBeCellBar(ビーセルバ―)は、もっとも身近な医療機器「注射器」から針をなくす技術開発に挑戦する会社です。分子量が2千を超える中分子医薬品の場合、皮膚の上から塗布をしても上皮細胞のバリア機能に妨害されてしまい生体内には移行できません。そこで同社が着目するのが、バリア機能を緩和する「医薬品吸収促進剤」です。担当者は「非侵襲的治療を目指す上で『注射から針をなくす技術』は非常に重要な技術となるだろう」と指摘。今後の医薬品開発の主流となる中分子医薬品開発における同社の技術の強みを解説しました。

288.jpg株式会社フジタ医科器械
医療機器の製造販売、及び卸売を行うフジタ医科器械は、医工連携による新たな技術開発に取り組む会社の1つです。これまで、脳腫瘍手術の専門家である福島孝徳氏と共同で「新しい脳腫瘍手術に用いる専用器具」の開発に成功しており、現在でも医工連携事業を通じて様々な医療機器を開発しています。例えば、「ワイヤレス生体情報モニター」は、「リアルタイムで生体情報を確認できる小型端末がほしい」という救急医の要請で誕生しました。担当者は「今後は東南アジアなど遠隔医療の需要が大きい地域の進出も予定している」との展望を示しました。

277.jpg株式会社常光
東京都文京区に本社を置く医療機器メーカーの常光は、北海道で進行中の現在の産学連携について紹介しました。もともと検査機器の開発を得意としてきた同社ですが、新たに透析医療分野にも挑戦しています。同社の電解質分析装置は世界有数のセンシング技術を誇り、今では世界中で約3千台が稼働しています。また、東京での活動とは別に、アカデミアとの産学連携を目指し札幌市を起点とした研究開発活動を開始しています。北海道の大学数は東京に次ぐ全国2位であることを踏まえ、担当者は「大学に眠る有望なシーズを呼び起こしていきたい」と今後の展開に期待を述べました。

296.jpg東大阪市(東大阪市医工連携研究会)
東大阪市は約6千もの製造業が集積する「モノづくりのまち」です。大阪大学大学院医学系研究科・医学部附属病院 産学連携・クロスイノベーションイニシアティブと包括連携協定を締結し、自治体として唯一参画するなど積極的に医工連携を推進しています。本年度からは、医療・健康・介護機器企業を対象に、実際の製造現場を見学してもらう「東大阪モノづくり企業ツアー」を実施しており、確度の高い商談につながっています。担当者は、初のアジア開催となったラグビーワールドカップ2019とかけて、「皆様とスクラムを組みワンチームで日本の医療機器開発に取り組みたい」と訴えました。

273.jpgフェノバンス・リサーチ・アンド・テクノロジー合同会社
動物を用いた研究の世界は、未だ実施者の手技に頼る部分が大きく、低い効率性と精度が課題でした。フェノバンス・リサーチ・アンド・テクノロジーは、今後の医学研究・創薬研究においても欠かせない「動物を用いた研究」に対する支援技術を提供する会社です。例えば「マウスの行動を常時記録するシステム」と「独自開発した認知課題ライブラリ」との組み合わせで、疾患モデルマウスの認知機能を短時間で評価できるシステムを開発し、受託サービスとして外部企業に提供しています。担当者は「興味があればぜひ声をかけてほしい」と呼びかけました。

291.jpgリサーチコーディネート株式会社
リサーチコーディネートは、生命科学領域の研究支援プラットフォームとして「動きの可視化」技術を提供する会社です。従来の技術では動きの追跡・可視化に様々な準備が必要でしたが、同社の技術は、ホームビデオから内視鏡カメラまで、どんな映像からでも動きを検出して可視化することができます。対象物がショウジョウバエ(体長2~3ミリ)でも追跡が可能(担当者)といいます。医療・介護領域からスポーツ分野まで、幅広い領域の活用が期待され、担当者は「アイデア次第でどんな使い方もできる」と汎用性の高さに自信を見せました。

【大学・企業・病院発 メドテック・イノベーション ピッチ】
ピッチコンテストには、あらかじめ書類選考で選ばれたスタートアップ5チームが参加しました。いずれも個性的なプレゼンテーションでしたが、選考の結果、電気的神経刺激で心筋梗塞後の心不全発症を予防するデバイスの開発に挑戦する「アドリアカイム株式会社」が優勝となりました。

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アドリアカイムの小林正敏氏は、「こんなにも優れた技術を埋もらせてはいけないという想いから起業を決断した」と、その経緯を振り返るとともに、授賞については「栄えある大きな賞をいただき、ありがとうございます」と謝辞を述べました。なお、本チームには優勝賞品として、米国派遣プログラムまたは日本医療機器開発機構より最大1億円の事業化資金のいずれかが授与されます。

審査員
内田 毅彦氏(株式会社日本医療機器開発機構)
大下 創氏(MedVenture Partners株式会社)
Kirk Zeller氏(US-Japan Medtech Frontiers)
長谷川 宏之氏(三菱UFJキャピタル株式会社)

ピッチコンテスト参加スタートアップ

324.jpgbitBiome株式会社:「マイクロバイオーム」×「シングルセルゲノム解析」が切り開く、次世代医療応用
早稲田大学発のスタートアップ企業のbitBiomeの藤岡直氏は、大量の微生物叢を低コストでゲノム解析可能な新技術を紹介しました。藤岡氏によると、地球上に存在する微生物のうち商業的に利用されている種類はわずか1%です。その1%の微生物が、医薬品・工業原料・化粧品・酒類など6兆円規模の市場を生み出しています。同社の技術「マイクロバイオーム」×「シングルセル解析」とは、ひとりひとりの腸内微生物を、網羅的に且つシングルセルでゲノム解析し、病原菌や有用物質の生産菌を特定するものです。藤岡氏は、ゲノム解析技術が新たながん精密医療に繋がったように、この技術が実用化されれば、患者ひとりひとりの病態に合わせた精密医療、すなわち「マイクロバイオーム・ベースド・プレシジョンメディスン」が誕生すると指摘し、「未知の×(エックス)を皆様と一緒に発見したい」と呼びかけました。

346.jpg株式会社シンクアウト:AIによって点眼状況を把握する点眼瓶センサー
兵庫県姫路市のツカザキ病院からのスピンアウトであるシンクアウトの升本浩紀氏は、毎日の点眼状況が把握できるデバイス(点眼瓶)の有用性をPRしました。現在の点眼治療の課題の1つは、治療をきちんと続けられないこと。升本氏によると、「緑内障」も例外ではなく、本疾患は日本人の中途失明原因の第1位であり、適正に点眼をしないことで視野狭窄リスクは6倍になるとの報告もあります。そこで升本氏らは、自宅での点眼状況の把握を目的に、点眼瓶の動き感知センサーを開発し、同院眼科で検証を始めました。国内には現在約400万人の緑内障患者がいると推定されており、升本氏は「高齢化が進むほど緑内障患者も増加する。市場規模は今後ますます大きくなる」との展望を示しました。

364.jpg株式会社CROSS SYNC:ICTやAIを用いた患者重症度の見える化や情報共有のソリューション開発
横浜市立大学附属病院集中治療部の医師であるCROSS SYNCの高木俊介氏は、急性期医療の現場における医療事故の防止を目的とした患者管理プラットフォームの構築に挑戦しています。本システムは、カメラなどのデバイスと医療情報を収集するサーバで構成されており、集中治療室の患者の重症度をAIによる画像解析で自動判定します。さらに、データは院内ネットワークを通じて医療スタッフ間で常時共有されることから、複数の患者の中から治療の優先順位をつけることも可能です。今後の展開について高木氏は、次のステップではβ版による検証を行い、できれば来年から横浜市立大学附属病院でスタートする遠隔集中医療(Tele-ICU)事業への導入も検討したいと述べました。

382.jpgアドリアカイム株式会社:電気的神経刺激を用いた新治療システムの実用化(心筋梗塞領域縮小)
国内大手医療機器企業からのスピンアウト・ベンチャーであるアドリアカイムの小林正敏氏は、心筋梗塞後の心不全発症を抑制する医療デバイスの概要をPRしました。医療技術の進歩により、急性心筋梗塞患者の救命率は大幅に向上した反面、救命後に心不全を発症する心筋梗塞由来心不全は増加しています。そこで小林氏らは、副交感神経を電気刺激で活性化させることで梗塞領域の拡大を食い止め、将来の心不全発症を抑制するデバイスの開発に挑戦し、すでに短時間の手術で留置可能なデバイスの開発にも成功しています。現在は非臨床試験の段階ですが、小林氏は「今の段階で資金調達を実現して、治験を通じて2025年の上市を目指したい」との展望を示しました。

395.jpg株式会社iMed Technologies:脳梗塞・くも膜下出血の手術支援AI
iMed Technologiesの河野健一氏は、脳血管内治療の手術支援AI技術を紹介しました。血管内を通り患部を直接治療する脳血管内治療は開頭手術と比べて侵襲性が小さく、近年広く採用されています。しかし河野氏は、現在の脳血管内治療の課題として「非常に小さい医療デバイスの動きを常に注意していないと大きな事故につながる」と指摘。「術者は複数のモニターを同時に見ながら、自分が操作しているデバイス以外のところにも注意を払わないといけない」と事故リスクと医師の負担を訴えます。そこで河野氏は、術者をリアルタイムで支援する「手術支援AI」、すなわち「神の眼」の開発に挑戦。講演では「脳梗塞や脳動脈瘤・くも膜下出血の治療として脳血管内治療が拡大していく時代。これからはAIで安全な手術を提供したい」と述べました。

【懇親会】
シンポジウム終了後は懇親会を行い、LINK-J副理事長でもある澤芳樹氏が乾杯の音頭を取りました。懇親会では、シンポジウムの登壇者および参加者、展示者による意見交換が積極的に行われ、活気ある賑やかな会となりました。

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