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イベントレポート

「政策キーパーソンと語ろう! ~vol.3 経済産業省 商務・サービスグループ 稲邑ヘルスケア産業課長との60分間~」を開催(6/11)

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2021年6月11日(金)に「政策キーパーソンと語ろう! ~vol. 3 経済産業省 商務・サービスグループ 稲邑ヘルスケア産業課長との60分間~」をライブ配信しました。

「ライフサイエンス領域での産官学連携によるイノベーション創造」の重要度が、コロナ禍においてさらに増しています。そこで本イベントシリーズは政府や自治体の取組・支援の現状、課題、方向性等を「官」キーパーソンと本音で語りあうことを目的に企画しました。第三回となる今回は、経済産業省 商務・サービスグループの稲邑(いなむら)ヘルスケア産業課長にご講演を頂き、厚生労働省医療系ベンチャー振興推進会議座長の本荘様とともにパネルディスカッションを致しました。

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【登壇者】
稲邑 拓馬 氏(経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課長)
本荘 修二 氏(厚生労働省医療系ベンチャー振興推進会議座長、多摩大学MBA客員教授、本荘事務所代表) 
曽山 明彦 (厚生労働省医療系ベンチャー振興推進会議構成員、東北大学客員特任教授、LINK-J常務理事)

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【講演】
稲邑氏は、ヘルスケア産業をMedical careWellnessと定義した上で、公的医療保険内のヘルスケア産業は43兆円規模のマーケットがあるが、一方で医療の範囲は公的保険外も広く存在し、投資が不十分であると言います。講演ではその課題の解決策を4つの論点に分け説明しました。

1つ目は健康経営と顕彰制度を用いた職域を範囲として投資を促すことです。個人での健康管理を推進するよう働きかけるよりも企業側に働きかけ、より大きな投資を呼び込みヘルスケア産業を活発化させます。投資家にとっては「ESG(環境・社会・企業統治)としての健康経営」という観点から、投資先を選ぶ際の基準にもなっています。一方中小企業には、自治体側から健康経営の顕彰を推進していくことで制度促進させます。健康経営度調査に協力した企業は、フィードバックシートを国からもらい健康経営の見える化をしていきます。今後は、「他社と比較できる指標づくりも行っていきたい」とのことです。

2つ目は、公的医療保険外における製品やサービスのエビデンスやオーソライズといった信頼性の確保をしていくことです。公的医療保険内であれば、薬機法による基準もあり、PMDAといった機構による評価もありますが、保険外となると定まりません。そのため、供給団体による自主的な認証制度、ガイドラインの作成や需要者側から評価する仕組みづくりをしていくことや、エビデンスから社会実装までをよりAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)に協力を求めることで、信頼性を確保していくことを考えています。

3つ目は、PHRPersonal Health Record)の利活用です。今まで所属先が管理していた健康診断情報を、個人が一括でアプリの中で管理することで、より個人の健康状態が一貫して明らかになると共に、それを実現するためのデジタルヘルスによる新たなベンチャーの創出を目指します。ヘルスケア産業の中でもデジタルヘルス分野の成長率は年平均14%(2019-2030年)と比較的高く、成長市場として、国も投資を応援していきたい分野ということです。

最後は、このようなヘルスケア産業創出のためイノベーション・エコシステムの構築です。ベンチャー支援のため経産省にはInnoHub、厚労省にはMEDISOがありますが、今年から同じ団体が受託したことにより、より柔軟な連携ができるようになります。またAMEDからのベンチャー支援を強化し、国自身もヘルスケアビジネスコンテストを通じたベンチャーの資金調達を支援していきます。

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パネルディスカッションでは稲邑様の話を受け、モデーレーターの本荘様、LINK-Jの曽山に加え、視聴者の多くの方からご質問を頂き、稲邑様との活発な議論が展開されました。「アントレプレナーシップを活用することが産業化を進める上で不可欠だが、サービスの信頼性の担保とアントレプレナーシップの活用のバランスは?」といった需要側のサービスの質の確保の問題から、「健康経営のスコープを配偶者まで広げては?」といった政策の改善点までプレゼンテーションの内容理解が深まる質問が多数寄せられました。その後のネットワーキングタイムでも引き続き多くの方にご参加頂き、一体感のあるイベントとなりました。
ご参加頂いた視聴者の皆様、ご登壇者様、誠にありがとうございました。

アーカイブ動画を20211219日まで公開しております。ぜひご登録の上ご視聴ください。こちら
*申込は1216日まで。一部映像に編集を加えております。
またプレゼンテーション資料はこちら

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