理研ジェネシス、「AmoyDxⓇ肺癌マルチ遺伝子PCRパネル」が
タレトレクチニブのコンパニオン診断薬として国内初の承認
株式会社理研ジェネシス(本社:東京都品川区、代表取締役社長:大井優子、以下「当社」)は、
2025年9月5日付で、体外診断用医薬品「AmoyDxⓇ肺癌マルチ遺伝子PCRパネル」(以下「本製品」)について、製造販売承認事項の一部変更承認を取得いたしましたので、お知らせいたします。
本承認により、日本化薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川村茂之)が製造販売承認を取得した「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を対象とした、
「イブトロジーⓇカプセル200mg」(一般名:タレトレクチニブアジピン酸塩、以下、タレトレクチニブ)のコンパニオン診断薬※1として、本製品の使用が可能となりました。
なお、タレトレクチニブのコンパニオン診断薬として承認されたマルチプレックス遺伝子検査は、本製品が日本国内で唯一※2となります。
本製品は、非小細胞肺癌の7種のドライバー遺伝子(EGFR、ALK、ROS1、BRAF、MET、KRAS、RET )をカバーする、リアルタイムPCR法を原理とした体外診断用医薬品です。
7種のドライバー遺伝子のマルチプレックス検査として、EGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子、ROS1融合遺伝子、BRAF遺伝子変異(V600E)、MET遺伝子エクソン14スキッピング変異、KRAS 遺伝子変異(G12C)、RET融合遺伝子を一回の測定で同時に検査が可能です。
今回の承認により、本製品は19種の抗悪性腫瘍剤の適応判定を補助することが可能となり、タレトレクチニブのコンパニオン診断薬としての適応追加は、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺癌患者に対する治療機会の拡大に貢献することが期待されます。
私たちは、革新的な診断技術の開発を通じて、すべての患者に最適な治療を届けるという使命のもと、精密医療の進化を力強く牽引してまいります。
【注釈】
※1 コンパニオン診断薬(Companion Diagnostics: CDx)
医薬品の効果や投与量を投薬前に予測するため、個人の遺伝子情報やバイオマーカーを調べる体外診断用医薬品のこと。使用により、最適な治療法や医薬品の選択が可能となる。
※2 2025年9月現在、厚生労働省の承認情報に基づく。
■製品概要(2025年9月現在)
(1) 製品名 | AmoyDxⓇ肺癌マルチ遺伝子PCRパネル |
(2) 一般的名称 | クラスⅢ免疫検査用シリーズ EGFR遺伝子変異検出キット、ALK融合遺伝子検出キット、ROS1融合遺伝子検出キット、BRAF遺伝子変異検出キット、MET遺伝子変異検出キット、KRAS遺伝子変異検出キット、RET遺伝子変異検出キット |
(3) 承認番号 | 30300EZX00076000 |
(4) 製造販売業者 | 株式会社理研ジェネシス |
(5) 使用目的 | がん組織から抽出したDNA中の遺伝子変異(EGFR遺伝子変異、BRAF遺伝子変異(V600E)及びKRAS遺伝子変異(G12C))並びにRNA中の融合遺伝子(ALK融合遺伝子、ROS1融合遺伝子及びRET融合遺伝子)及びMET遺伝子エクソン14スキッピング変異の検出 非小細胞肺癌患者への、以下の抗悪性腫瘍剤の適応を判定するための補助に用いる ・EGFR遺伝子変異: ゲフィチニブ、エルロチニブ塩酸塩、アファチニブマレイン酸塩、 オシメルチニブメシル酸塩、 アミバンタマブ(遺伝子組換え)及びラゼルチニブメシル酸塩水和物 ・ALK融合遺伝子: クリゾチニブ、アレクチニブ塩酸塩、ブリグチニブ、ロルラチニブ ・ROS1融合遺伝子: クリゾチニブ、エヌトレクチニブ、レポトレクチニブ、タレトレクチニブアジピン酸塩 ・BRAF遺伝子変異(V600E): ダブラフェニブメシル酸塩及びトラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物 ・MET遺伝子エクソン14スキッピング変異: テポチニブ塩酸塩水和物、カプマチニブ塩酸塩水和物、グマロンチニブ水和物 ・KRAS遺伝子変異(G12C): ソトラシブ ・RET融合遺伝子: セルペルカチニブ |
(6) 検査原理 | リアルタイムPCR法 |
(7) 検体材料 | 腫瘍細胞の存在が確認されたFFPE組織、新鮮凍結組織 |
(8) 保険点数 | 12,500点(D006-24 肺癌関連遺伝子多項目同時検査(7項目)) |
(9) 包装 | 1キット(12テスト)※ポジティブコントロール、ネガティブコントロールを含む |
(10) 卸売販売業者 | シスメックス株式会社 |
(11) 製造元 | Amoy Diagnostics Co., LTD |
株式会社理研ジェネシスについて:
理研ジェネシスは、最先端の遺伝⼦解析技術やバイオインフォマティクスを活⽤した遺伝⼦受託解析サービスや製品を提供し、個別化医療における技術・経験・ノウハウを保有する数少ない⽇本企業の⼀つです。2007年、凸版印刷株式会社(以下「凸版印刷」、現TOPPANホールディングス株式会社)、国⽴研究開発法⼈理化学研究所(以下「理化学研究所」)および株式会社理研ベンチャーキャピタルの共同で、個別化医療における理化学研究所の最先端研究成果を広く社会に展開し医療現場における実⽤化を促進することを⽬指し設⽴されました。2014年、凸版印刷およびシスメックス株式会社(以下「シスメックス」)が、個別化医療における遺伝⼦検査事業の発展のため、相互に協⼒していくことに合意し、それぞれ理研ジェネシスに出資。さらに 2016 年、ゲノム医療の臨床実装の実現に向けて、シスメックスの⼦会社となりました。詳しくは、以下のウェブサイト(https://www.rikengenesis.jp/)をご覧ください。
お問い合わせ先
本件に関するお問合せ先:
株式会社理研ジェネシス マーケティング部 齋藤辰朗
Eメール:info2@rikengenesis.jp
電話番号:03-5759-6042