Quanterix Corporationは、超高感度技術Simoa®を基盤としたバイオマーカー測定プラットフォームを通じて、網羅的なTau関連アッセイポートフォリオを展開することで、アルツハイマー型認知症(AD)の病態が進行するあらゆるステージの解明に貢献する、強力な研究・診断ツールを提供し続けています。
p-Tau217、p-Tau205、BD-Tau、p-Tau212などの先進的なバイオマーカー群を組み合わせることにより、創薬開発と診断研究を加速させる比類なき洞察力で、製薬企業や研究機関にサポートします。
この度、各Tau関連バイオマーカーの特性を解説したホワイトペーパーを公開いたしました。
Tau関連タンパク質は、リン酸化、凝集、そして脳内での拡散という一連の「カスケード」を経て、AD病理が進行する各ステージと強く相関します。そのため、これらのタンパク質は、疾患のメカニズムを解明し、治療介入の新たな標的を探る上で極めて重要です。Simoa®技術は、これまで困難であった血中での極微量なTau関連タンパク質の変化を捉え、この複雑なプロセスを解明する鍵となります。(添付資料にホワイトペーパー全文を閲覧可能)

Figure1. 疾患の病態生物学と並行して進化するバイオマーカーの全体像 。これらのバイオマーカーを組み合わせることで、病理ステージングを行い、ADの進行をより高い精度でモニタリング 。
アミロイド病理からTau病理までマッピングするSimoa®バイオマーカーポートフォリオ
当社の包括的なポートフォリオは、ADの進行ステージに応じて、それぞれ異なる分子イベントを捉えることができます。
1. 早期病理の検出とスクリーニング
- p-Tau181: アミロイドに起因する初期のTauリン酸化を検出し、臨床試験の被験者スクリーニングに広く使用されます。
- p-Tau212: 臨床症状が現れる前の、可溶性Tauが異常な構造変化を起こす極めて早期の段階で上昇します。早期介入治療薬の開発において重要な指標となります。
2. 病期分類と進行のモニタリング
- p-Tau217: ADの初期から中期にかけて、アミロイドとTau両方のPETイメージング結果と強く相関し、病期分類の精度を向上させます。FDA承認薬の臨床試験で薬効評価に用いられるなど、その臨床的価値は確立されています。特に血漿p-Tau217は、CSF診断バイオマーカーに匹敵するaccuracyとreliabilityを持つことが報告されており、最も有望なAD特異的血液バイオマーカーとして注目を集めています。
- BD-Tau(脳由来Tau): 中枢神経系(CNS)に由来するTauのみを選択的に測定し、脳に特異的な神経変性をより正確に評価します。これにより、ADを他のTauオパチーと鑑別する神経変性マーカーとして、また脳損傷や脳卒中のバイオマーカーとしても活用が期待されています。
3. 後期病理と神経変性の評価
- p-Tau205: 神経原線維変化(NFT)の形成と認知機能の悪化が加速する後期にピークを迎えます。Tau凝集阻害薬の有効性評価に最適なマーカーです。
Total Tau(総Tau): 脳内の全体的なTauの負荷量を反映し、ADを他のTau関連疾患と鑑別するのに有用です。
ビジネス連携による超早期スクリーニング・個別化医療の実現
Quanterixは、Simoa®プラットフォームの超高感度技術を基盤に、これら最先端のバイオマーカー測定法を提供します。このステージ特異的なアプローチは、臨床試験における被験者層別化、治療薬の薬力学的な評価、そして客観的な分子指標に基づく薬事申請戦略の策定を強力に支援します。
当社は、日本を含む世界中の製薬企業、メモリークリニックや病院、診断薬メーカー、CRO、臨床検査センター、そして最先端の研究機関との連携を強化してまいります。皆様との協業を通じて、中枢神経疾患領域における創薬研究や臨床試験を加速させ、超早期スクリーニングや個別化医療の実現に貢献していきます。
Quanterixについて
Quanterixは、超高感度バイオマーカー検出を通じて疾患発見から診断に至るまでのイノベーションを推進しています。同社のSimoa®技術は、従来のアナログ方法の定量下限(LoQ)を遥かに下回るタンパク質を定量化できる特徴を持ち、血液、血清、または血漿中のバイオマーカー検出においてゴールドスタンダードとして注目されています。Quanterixの超高感度プラットフォーム、デジタルイムノアッセイ技術、およびCLIA認定のアクセラレーターラボは、神経学、腫瘍学、免疫学、心臓病学、感染症における病理解明と管理を進める研究を支援しています。Quanterixは、科学コミュニティの信頼できるパートナーとして約20年間にわたり、3200以上の査読付きジャーナルで発表された研究を支援してきました。マサチューセッツ州ビレリカに拠点を置く同社に関する追加情報は、下記担当者までご連絡ください。