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投稿日:2023年11月03日投稿者:特定非営利活動法人日本医療政策機構

日本医療政策機構(HGPI)が、「COP28 グローバルヘルスおよびヘルスコミュニティからの化石燃料に関する公開書簡」に署名

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特定非営利活動法人日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)(事務局:東京都千代田区、代表理事:黒川清)、プラネタリーヘルスチームは、2023年11月1日、「国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)グローバルヘルスおよびヘルスコミュニティからの化石燃料に関する公開書簡」に署名いたしました。

2015年にフランスで開催されたCOP21において採択されたパリ協定は、気候変動対策と「健康への権利」の関連性を認めていますが、1990年以来気候変動に関する政府間パネル(IPCC: The Intergovernmental Panel on Climate Change)が人間の健康への影響について警告してきたにもかかわらず、今までの気候変動枠組条約(UNFCCC: United Nations Framework Convention on Climate Change)の下での方針決定とモニタリングは健康に関する側面を十分に取り入れていません。

2023年10月25日、200誌を超える医学誌(英国医師会雑誌(BMJ: British Medical Journal)、ランセット誌(the Lancet)、米国医師会雑誌(JAMA: Journal of American Medical Association)、オーストラリア医学雑誌(Medical Journal of Australia)など)が、世界保健機関(WHO: World Health Organization)に対し、気候変動および生物多様性の損失は世界的な保健上の緊急事態といえるほど深刻になっていることを強調し、緊急事態宣言を求める共同論説「今こそ、気候変動と自然の危機を、不可分の世界的な保健上の緊急事態として取り組む時だ(Time to treat the climate and nature crisis as one indivisible global health emergency)」を同時に発表しました。

2023年9月21日に開催された「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC: Universal Health Coverage)」ハイレベル会合では、新たな「UHC政治宣言」が採択され、プラネタリーヘルス課題についても取り上げられました。また、2023年11月30日から12月12日、第28回締約国会議(COP28)がアラブ首長国連邦(UAE: United Arab Emirates)のドバイで開催されます。COP28では、12月3日に「健康の日(Health Day)」が初めて設定され、気候変動の健康影響について光を当て、各国の保健大臣による議論が予定されています。この書簡に署名した当機構を含む、賛同団体は、COP28においてヘルスを前面に押し出す各国のリーダーシップを支持します。

しかし、現在採択が予定されている「気候変動と健康に関する宣言(Declaration on Climate Change and Health)」の草案には、気候変動を引き起こしている化石燃料についての認識が欠落していることが懸念されています。

本書簡においては、以下の内容について、COP28議長国およびすべての国の指導者に対して要請しています。

  • 世界中の保健医療分野の取り組みにおいて、私たちはすべての人々の健康と幸福の実現にコミットし取り組んでいますが、これには、安全で安定した気候が欠かせません。パリ協定は、気候変動対策の中核的な義務として、「健康への権利」を明記しました。しかし、世界中の地域社会、医療従事者、医療システムは、すでに気候変動の異常な影響に直面しています
  • 気候変動が引き起こす異常気象は、より頻繁に、より深刻になりつつあり、多くの国々が、猛暑、未曾有の暴風雨、洪水、食糧・水不足、山火事、避難民による、健康への影響を受けています
  • COP28が真の意味で「健康COP」となるためには、気候危機の根本原因である「石炭、石油、ガスなどの化石燃料」の採掘と利用を続けることについて、対処する必要があります
  • 私たちは、COP28議長国およびすべての国の指導者に対し、全ての人の健康への決定的な道として、化石燃料の段階的な削減をスピードアップさせると約束することを求めます

この書簡の原文は、こちらをご覧ください。

また、賛同される場合は、こちらのフォームをご利用ください。

各要請に関するエビデンスについては、この詳細なバックグラウンドノートをご参照ください。

なお、書簡の日本語訳(こちら)は日本医療政策機構で作成いたしました。

本書簡は、気候変動と健康のコミュニティを代表して、ヘルス・ケアー・ウィズアウト・ハーム(HCWH: Health Care Without Harm)とグローバル・クライメイト・ヘルス・アライアンス(GCHA: Global Climate and Health Alliance)が調整したものです。

■署名組織・署名者:(順不同・敬称略)
世界医師会(WMA: World Medical Association)、世界公衆衛生学会(WFPHA: World Federation for Public Health Associations)、国際看護師協会(ICN: International Council of Nurses)、ランセット・カウントダウン(Lancet Countdown)、英国医師会雑誌(BMJ: British Medical Journal)、南アフリカ公衆衛生協会(Public Health Association of South Africa)、国際小児科学会(IPA: International Pediatric Association)、インドメダンタ病院の胸部外科・胸部腫瘍外科・肺移植研究所、ハーバード公衆衛生大学院、個人など、世界4,630万人以上の医療従事者。

>> 詳細はこちら
https://hgpi.org/research/ph-20231101.html

日本医療政策機構とは

2004年に設立された非営利、独立、超党派の民間の医療政策シンクタンク。市民主体の医療政策を実現すべく、中立的なシンクタンクとして、幅広いステークホルダーを結集し、社会に政策の選択肢を提供しています。特定の政党、団体の立場にとらわれず、独立性を堅持し、フェアで健やかな社会を実現するために、将来を見据えた幅広い観点から、新しいアイデアや価値観を提供しています。日本国内だけでなく、世界に向けても有効な医療政策の選択肢を提示し、地球規模の健康・医療課題を解決すべく、活動しています。

参考資料

お問い合わせ先

特定非営利活動法人 日本医療政策機構 プラネタリーヘルスチーム 〒100-0004 東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ3階 Global Business Hub Tokyo TEL:03-4243-7156 FAX:03-4243-7378
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