Wnt3a代替ペプチド (βカテニン経路アゴニスト) [製品コード:PG-008] について
ペプチグロース株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:杉本二朗)は、Wnt3aと同様の機能を持つ特殊ペプチド 『Wnt3a代替ペプチド (βカテニン経路アゴニスト) [製品コード: PG-008] 』の開発に成功、2023年11月中旬以降、販売を開始します。
今回開発が完了した"Wnt3a代替ペプチド"は、Wnt3aのレセプターであるFZD およびLRP5/6に結合する2種類の環状ペプチドで構成されるヘテロダイマーペプチドです。Wnt3aと同様に、FZDおよびLRP5/6に結合し、Wntシグナル伝達経路におけるβ-カテニン経路を活性化します。
下記に詳細を記載します通り、リコンビナントWnt3a・低分子CHIR99021と比べ同等以上の活性をもち、高濃度でも細胞毒性のない合成ペプチドとなっております。
リコンビナントWnt3aを上回るβ-カテニン経路活性化能
PG-008と市販されているリコンビナントWnt3aについて、TCF-LEFレポーターアッセイを用いてβ-カテニン経路に対するアゴニスト活性を比較しました。その結果、PG-008はより低濃度でレポーター遺伝子を活性化させることが出来ました。PG-008はリコンビナントWnt3aよりも優れたアゴニスト活性を持つことが示されました。
CHIR99021と比べ、極めて低い濃度で細胞分化誘導活性を発揮
iPS細胞から胚体内胚葉(Definitive Endoderm: DE)への分化誘導において、PG-008・低分子化合物CHIR99021 (以下CHIR)・リコンビナントWnt3aのそれぞれを用いた場合における分化誘導効率を比較しました。なお、CHIRはWnt3aの代替として広く用いられているGSK-3β阻害剤です。
その結果、リコンビナントWnt3aを使用した場合、未分化の細胞が多く見られDEの分化誘導効率はおよそ60%でした。一方、PG-008およびCHIRを使用した場合、DEへの一様な分化が見られ、98%以上の分化誘導効率が得られました。これにより、PG-008は1 nMの低濃度でCHIRを3 µMの濃度で使用した場合と同等の分化誘導効率を発揮することが示されました。さらに、PG-008は10 µMの高濃度でも細胞毒性を示さないことも確認しております。
近年盛んに研究開発が行われているiPS細胞からの内胚葉系の細胞への分化誘導や、各種オルガノイドの培養維持などの用途にお使い頂く事を想定しております。
当社におけるPGペプチドの開発状況について
当社では数十種類の成長因子・サイトカイン等をターゲットに代替ペプチドを開発しております。これまでに合計8品目の製品販売を開始しました。開発は順調に進んでおり、2023年から2024年初頭にかけてPDGF-AA、TPO、FGF2などを対象とした成長因子代替ペプチドを、複数品目上市する予定です。詳細は随時WEBサイトにてアップデートして参ります。ご興味をお持ちいただけましたら、以下問い合わせ先までご連絡ください。