特定非営利活動法人日本細胞農業協会と培養食料研究会は、細胞農業・培養肉に関する学術集会「第3回細胞農業会議」を2021年8月29日(日)にオンラインにて開催いたします。
細胞農業(Cellular Agriculture; セルアグリ)とは、従来家畜や水産資源など動物個体から得ていた生産物を、特定の細胞を培養することで収穫する生産方法のことです。今後の人口増加に伴い、持続可能な新しい食の生産体系として注目されています。「培養肉」をはじめ、サーモンやエビなどの「培養魚介」の研究開発も進められています。日本国内では培養肉は市場に出ていませんが、昨年12月シンガポールにおいて、培養鶏肉の販売認可が下りたことを皮切りに、アメリカやイスラエルにおいて工業生産設備の開設と販売許認可に向けた動きが活発化しています。今後規制の確立と共に製品化や上市が進むことが予想されます。
当該分野のさらなる技術的発展に向けて、本イベントでは各分野の第一人者の先生方、清水 達也氏(東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 教授)、竹内 昌治氏(東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授)、武部 貴則氏(東京医科歯科大学 統合研究機構 教授)、永井 健治氏(大阪大学産業科学研究所 教授)、古川 英光氏(山形大学大学院理工学研究科機械システム工学専攻 教授)(50音順)をお迎えし、再生医療から3Dプリンターまで最先端の研究内容をご講演頂くとともに、細胞農業の研究に取り組む学生の皆様、これから細胞農業に関わって下さる皆様による発表を企画しております。聴講者を募集しておりますので、奮ってご参加ください。
こちらのリンク先からお申し込みください。
後日、 視聴用のURLを別途メールにてご連絡いたします。
お申込み締切8月28日(土)。
プログラム
時間 | 内容 |
10:00- | 開会 |
10:15-11:40 | 講演/研究成果発表 ・食肉3.0に向けた培養ステーキ肉づくり(竹内昌治) ・培養食料生産に向けたサステナブルな培養液の開発(清水達也) |
12:00-12:30 | シンポジウム ・オルガノイド・アグリカルチャー(武部貴則) ・蛍光・生物発光タンパク質が変革する細胞農業(永井健治) ・題目未発表(古川英光) |
12:30-13:00 | パネルディスカッション アカデミアのリーダーらによる、培養食料実現に向けた討論 (清水達也・竹内昌治・武部貴則・永井健治・古川英光) |
13:00-14:00 | 休憩 |
14:00-15:00 | 一般演題 10分間の研究成果発表 |
15:00-15:40 | ショートプレゼン発表 3分間の細胞農業に関する構想発表 |
16:00- | 閉会 |
(敬称略。スケジュールは都合により⼀部変更となる可能性がございます。)
登壇者
登壇者プロフィール | |
竹内 昌治(たけうち しょうじ)
東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授 1995年東京大学工学部産業機械工学科卒業。97年同大学大学院工学系研究科機械情報工学専攻修士課程修了。2000年同博士課程修了。01年東京大学生産技術研究所講師、03年同助教授、14年同教授、19年同大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻教授、現在に至る。この間、04-05年 ハーバード大学化学科客員研究員、08-18年同大学生産技術研究所バイオナノ融合プロセス連携医研究センター センター長、10-17年JST-ERATO竹内バイオ融合プロジェクト研究総括、17-19年同大学生産技術研究所統合バイオメディカルシステム国際研究センター センター長などを歴任。専門はバイオハイブリッドデバイス、ナノバイオテクノロジー、マイクロ流体デバイス、MEMS、ボトムアップ組織工学。
講演題目:食肉3.0に向けた培養ステーキ肉づくり 培養肉の開発は新たな食文化をつくる営みでもあります。実現には異分野の研究者はもとより、多方面の企業や官公庁、一般の方など、多くの方々の関心と参画が必要です。是非ご協力よろしくお願いいたします。 |
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清水 達也(しみず たつや)
東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 教授 1992年東京大学医学部卒、循環器内科医師。1999年東京女子医科大学先端生命医科学研究所で組織工学研究を開始。2011年同教授、2016年同所長。組織工学の再生医療・創薬モデル・培養食料への応用を展開。
講演題目:培養食料生産に向けたサステナブルな培養液の開発 細胞培養により食料を生産する技術の開発は、今後の食料生産における課題を解決できるものと期待されています。これまで開発してきた再生医療技術を基盤に、さらなる技術融合と発展により未来に向けた豊かな食料生産システムを構築したいと考えています。 |
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永井 健治(ながい たけはる)
大阪大学産業科学研究所 教授 1994年筑波大学大学院農学研究科修士課程修了、98年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。理化学研究所基礎科学特別研究員、JSTさきがけ研究員を経て、2005年北海道大学電子科学研究所教授。12年から現職。 講演題目:蛍光・生物発光タンパク質が変革する細胞農業 細胞農業・培養食料には未来を感じます。 |
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古川 英光(ふるかわ ひでみつ)
山形大学大学院 理工学研究科機械システム工学専攻 教授 ソフトマター(高分子ゲル・食品)やハイブリッド材料の3Dデジタル製造の研究を展開。2018年に「やわらか3D共創コンソーシアム」を設立、会長に就任。高分子学未来塾塾長、山形大学ライフ・3Dプリンタ創成センター長、ソフト&ウェットマター工学研究室代表。1996年東京工業大学大学院物理学専攻修了。博士(理学) |
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武部 貴則(たけべ たかのり)
東京医科歯科大学 統合研究機構 教授 横浜市立大学 特別教授 / コミュニケーション・デザイン・センター センター長 シンシナティ小児病院 オルガノイドセンター 副センター長 / 消化器部門・発生生物学部門 准教授 2013年に世界で初めてiPS細胞から血管構造を持つヒト肝臓原基(肝芽)を創り出すことに成功、2019年にはヒトiPS細胞から肝臓・胆管・膵臓を連続的に発生させることに成功。専門は再生医学、コミュニケーション・デザイン学 講演題目:オルガノイド・アグリカルチャー(Organoid Agriculture) われわれが、ヒューマンオルガノイド研究で培ってきた細胞培養技術基盤を、アニマル由来幹細胞に派生させることで、様々な社会課題解決の役に立てられないかと期待しています。様々なコラボレーションが生まれることを願っています。 |
参加費
一般 3,000円、協会/LINK-J会員 1,000円、学生 0円
主催
主催:特定非営利活動法人日本細胞農業協会、培養食料研究会
協賛:一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)、インテグリカルチャー株式会社、Beyond Next Ventures株式会社