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イベントレポート

2020年度 山本雄士ゼミ 第三回~医療業界の構造について~を開催(6/20)

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6月20日(土)にオンラインにて「2020年度 山本雄士ゼミ 第三回~医療業界の構造について~」を開催いたしました。(主催:山本雄士)今月も70名近くの参加者の方々にお越し頂き、2010イギリスNHS改革のケースをもとに、医療業界の構造について学びました。

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ケースの紹介「British National Health Service Reform

ブレア首相・ブラウン首相と続いた労働党からキャメロン首相の保守党に政権が渡った2010年。リーマンショックやギリシャ財政危機の影響を受け、財政緊縮の必要性が叫ばれていました。その流れを受けて、当時の保健省大臣ランズリーは「PCT(プライマリ・ケア・トラスト)の撤廃」「GPコンソーシアムの新設」「独立機関・ヘルスウォッチの設立」などの改革を行いました。これらには、以下に挙げる様な意味合いがあります。すなわち、PCTを中心としたトップダウン型の医療制度から現場で働くGPにより多くの裁量が与えられるボトムアップ型の医療への転換。それに伴う患者とGPの間での意思決定の共有の促進。また、独立評価機関による健康アウトカムを重視した評価制度の導入と言ったようなメリットが期待されていました。多くの反発を受けながらも何とか法案を通すことに成功したランズリー大臣。このケースでの実例を参考に、医療制度に携わるステークホルダーについて学びました。

今回は、医療費の議論について、医療費の集め方と使い方という観点で整理し、以下の様な議論を扱いました。

  • なぜ患者主体の医療に変革したのか
  • どうしてこれまでプロセス評価だったのか
  • 医療の質の評価はどのようにするのが最適なのか
  • 医療費の制度について,どうして今のような制度になったのか
  • 日本の医療制度を他国と比較したときにどのような特徴があるのか

以上が今回のゼミで挙がった主要な話・そして学びでした。最後に先生が強調されていたのは、今の医療制度は誰にとっても苦痛のない制度であるがため、何かが変わることで反対する人はいても、その変化を待っている人はいない。だからこそ今の制度を変えることの必要性を今の医学生が学ぶ必要があると言うこと。また、上記のような今の「静的な仕組み」に加えて、そこから何かを変えることでどのような競争原理が働き、どうステークホルダーの動きが変わっていくのか、言うなれば「動的な仕組み」に目を向けていく事が大切だということです。そのような視点を、今後も皆様と共にゼミを通して養って行ければと思います。

次回のゼミは7/18()「全米トップクラスの医療機関から考える医療戦略の全体像」です。是非、来月もご参加ください。

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