2021年3月22日(月)に「政策キーパーソンと語ろう!」シリーズの第二弾として「政策キーパーソンと語ろう! ~vol.2 内閣府 オープンイノベーション担当 石井企画官との60分間~」をライブ配信しました。
「ライフサイエンス領域での産官学連携によるイノベーション創造」の重要度が、コロナ禍においてさらに増しています。そこで本イベントは、政府や自治体の取組・支援の現状、課題、方向性等を「官」キーパーソンと本音で語りあうことを目的に企画されました。シリーズ第二回目となる今回は、内閣府 政策統括官 科学技術・イノベーション担当付 オープンイノベーション担当 石井企画官にお話いただき、その後厚生労働省医療系ベンチャー振興推進会議座長の本荘様、同会議構成員であり且つ株式会社ウィズグループ 代表取締役の奥田様とともにパネルディスカッションを行いました。また今回は本シリーズでは初めてとなるネットワーキングタイムを実施しました。参加者、登壇者の意見交換により、より意義深い会となりました。
【登壇者】
石井 芳明 氏(内閣府 政策統括官 科学技術・イノベーション担当付 オープンイノベーション担当企画官)
本荘 修二 氏(厚生労働省医療系ベンチャー振興推進会議座長、多摩大学MBA客員教授、本荘事務所代表)
奥田 浩美 氏(厚生労働省医療系ベンチャー振興推進会議構成員、株式会社ウィズグループ 代表取締役)
曽山 明彦 (厚生労働省医療系ベンチャー振興推進会議構成員、東北大学客員特任教授、LINK-J事務局長)
【講演】
石井様は「世界に伍するスタートアップ・エコシステムの形成に向けて」と題して講演を行いました。シリコンバレーやボストン、ニューヨーク、パリ、ロンドン、シンガポール、上海、北京に伍するような日本のスタートアップ・エコシステムを形成するため、内閣府では7つの戦略が必要と考えています。7つの戦略は、多くの人材が集まり刺激し合い、スタートアップが創業しやすくイノベーションが起こりやすい「スタートアップ・エコシステム拠点都市」の選定(戦略1)に始まり、大学での研究成果・技術シーズが事業化に繋がるための支援策(戦略2)、アクセラレーションプログラムや資金面の支援(戦略3・4)、政府自体が顧客となり起業のチャレンジを推進する仕組み(戦略5)や、オープンイノベーションの気運の醸成(戦略6)、各省のスタートアップを支援機関が連携し一気通貫で支援していく体制の確立(戦略7)で構成され、スタートアップをステージ毎に幅広く骨太にフォローする内容となっています。また、日本版のSBIR(中小企業技術革新制度)を例に挙げ、各省庁のスタートアップ・中小企業等への研究開発補助金等の機能を強化していくことを説明されました。今までの各省庁の縦割りや個々の積み上げによる施策の不統一をなくすため、科学技術・イノベーション活性化法の改正で、経済産業省所管のSBIRを内閣府所管に移し、内閣府の司令塔機能のもと各省庁を繋ぎ、課題設定の明確化などの統一的なルールのもと、支援の中心であった中小企業に限らずスタートアップの早い段階にも十分な補助金等が交付されるように見直されています。イノベーションの分野でライフサイエンスは特に日本が世界と伍する、勝つことのできる分野であり、ぜひ各関係者と連携を深めていきたいと展望を述べて講演を終えられました。
続いてモデレーターに本荘様、パネリストに奥田様を迎え、パネルディスカッションを行いました。オープンイノベーション推進のための内閣府のリアルな取り組みやスタートアップ・エコシステムの拠点となる都市選定の際の苦労話、企業規模毎のオープンイノベーションの施策の違いについて、限られた時間の中で有意義な議論が展開されました。
また、今回のシリーズでは初めてとなるネットワーキングタイムには、80名以上の方にご参加頂きました。石井様をはじめ登壇者と参加者同士が現状の施策の問題点について、議論を深めることができ、多くの方とオープンイノベーション推進のための情報を共有することができました。
ご参加頂いた皆様、ご登壇の皆様、ありがとうございました。今後の本セミナーシリーズもぜひご視聴ください。
本セミナーの録画映像は、LINK-JのYouTubeチャンネルにてご覧いただけます。また、石井様のプレゼン資料はこちらからご覧ください。