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投稿日:2025年09月10日 投稿者:株式会社Crown Bioscience&MBL

Crown Bioscience:血液悪性腫瘍に対する3D骨髄微小環境を用いた前臨床in vitroスクリーニングモデルを発表

ハイコンテンツイメージングベースの3Dモデルは、臨床的に関連のある腫瘍モデリングによる血液がん研究を加速します。

2025年9月2日—米国に本社を置き、JSRライフサイエンスおよび日本に本社を置くJSR株式会社傘下のグローバルCROであるCrown Bioscienceは本日、血液がん研究を加速する最先端の3D骨髄微小環境 (bone marrow niche, BMN)in vitroモデルを発表しました。この革新的なモデルは、細胞間相互作用という物理的環境と、血液がん細胞の増殖に必要な成長因子カクテルの両方を備えており、急性骨髄性白血病(AML)や多発性骨髄腫(MM)などの血液悪性腫瘍の研究のためのダイナミックなプラットフォームを提供します。

このシステムは、患者由来の腫瘍細胞を播種した生体機能性ハイドロゲル内に、主要な細胞成分である間質細胞と内皮細胞を組み込み、必要に応じて自己免疫細胞を補充します。腫瘍の重要な微小環境を正確に捉えることで、ニッチは生理学的に関連性のあるシステムを提供し、腫瘍の挙動、免疫回避、薬剤耐性に関する知見を提供します。細胞生存率、アッセイの汎用性、臨床予測性において、従来の懸濁液アッセイを凌駕する性能を発揮します。

Crown Bioscienceのリサーチ・イノベーション担当バイスプレジデント、Ludovic Bourré氏は次のように述べています。「クラウン・バイオサイエンスは、このハイコンテントイメージングに基づく3D BMNプラットフォームを発表できることを誇りに思います。このプラットフォームは、患者一次細胞を用いた独自の堅牢なハイスループット薬剤スクリーニングを提供し、悪性腫瘍や毒性の大規模な試験を可能にします。これまで、骨髄研究は、適切なin vitroモデルがないことにより、固形がん研究に遅れをとっていました。今回のBMN技術の進歩により、研究者は骨髄に到達したがんが治療に抵抗する仕組みを理解できるようになります。これにより、オフターゲットや骨髄関連の副作用が少ない薬剤候補の選択や、薬剤耐性メカニズムの解明が可能になります」。

BMNモデルを用いることで、研究者は以下のような大きなメリットを享受できます。

  • がん細胞への反応精度を向上させるための、より予測性の高いex vivoデータの利用
  • 医薬品開発プロセスのより早い段階で、化合物の血液毒性スクリーニングが可能に
  • 情報に基づいたin vivo研究のためのトランスレーショナルインサイトがより強化され、動物実験の削減と医薬品開発の迅速化に貢献
  • 細胞接着を介した薬剤耐性モデリングにより、より効果的で標的を絞った治療法の開発が可能に
  • 幹細胞、血液悪性腫瘍、骨髄特異的腫瘍研究における新たな可能性を提示

BMN プラットフォームの導入により、Crown Bioscience の 3D オルガノイドのような細胞培養、薬剤耐性モデル、AML マウスモデルに関する専門知識がシームレスに統合され、in vitro モデルと in vivoモデル間のギャップが埋められます。

Bourré氏は、「これは研究者にとって非常に喜ばしい進歩であり、Crown Bioscienceの既存のソリューションに統合されるこのサービスにより、私たちは継続的にイノベーションを促進し、医薬品開発を加速することができます」と述べました。

なお、Crown Bioscienceは、9月25日~27日開催の「第84回日本癌学会学術総会」で3D骨髄微小環境に関するオーラルセッション(英語)を行います。詳細は下記をご覧ください。

  • タイトル:3D Bone Marrow Niche: Scalable and Predictive Drug Screening Platform for Acute Myeloid Leukaemia and Multiple Myeloma
  • 演者:Talita Stessuk PhD (Crown Bioscience Nederland)
  • セッションタイトル:I-E15   Evaluation & Prediction of Pharmacological Effects
  • セッション日時:9月26日(金)午後3時20分~4時35分(このうちの8分間)
  • 場所:第8会場(ホテル日航金沢3F孔雀の間C)
  • 公開抄録番号:E-2054
     

上記セッションについての詳細は、こちらをご覧ください。

3D BMNの詳細については、プラットフォームページをご覧ください。

Crown Bioscienceについて

JSR Life Sciences傘下のCrown Bioscienceは、腫瘍学およびがん免疫における創薬とその開発を加速することに注力する世界的な医薬品開発業務委託機関(CRO)です。当社はバイオテクノロジー企業や製薬会社と提携し、前臨床研究、トランスレーショナルプラットフォーム、臨床試験サポートに及ぶ革新的で、カスタマイズされたソリューションを提供しています。「Hubrecht Organoid Technology」を使用して提供される約1,000の腫瘍オルガノイドモデルと世界最大の市販の患者由来異種移植(PDX)コレクションを活用し、35種類のがんを網羅した比類のないインサイトを提供します。当社の専門知識は in vivo、in vitro、 ex vivo、in silico手法などに及び、医薬品開発の全過程に広がる先進的なラボサービスで補完されます。さらに、当社の臨床履歴を備えた液体およびヒトバイオ試料の広範なバイオバンクは、腫瘍学の研究能力を強化します。米国、ヨーロッパ、アジア太平洋地域に11の最先端施設を運用している当社の研究施設は、米国病理学会(CAP)や国際標準化機構(ISO)による認定を含む、最も高い業界標準を満たしています。  詳細については、 www.crownbio.com を参照してください。 

お問い合わせ先

Crown Bioscience Japan

Associate Director, Marketing

永尾 真由美

contact@crownmbl.co.jp

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