ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社(以下、HMT)は代謝物質の一斉網羅解析(メタボローム解析)の受託企業として5,500試験以上の実績を誇る、メタボロミクスのリーディングカンパニーである。山形県鶴岡市の慶應義塾大学先端生命科学研究所発のベンチャーとして15年以上に渡りメタボローム解析を実施している。
腸内細菌研究においては、菌叢解析だけでは解明できない、代謝物質を介した宿主–腸内細菌叢間相互作用の重要性が非常に注目されている。HMTでは血液や糞便などの生体試料をもとに、短鎖脂肪酸、胆汁酸、芳香族アミノ酸、ビタミン、TMAO、トリプトファン代謝物など、腸内細菌叢の関与が考えられる多くの代謝物を分析できる。特に近年は腸内細菌叢由来代謝物質を標的とした商品化、事業化が予防・未病・ヘルスケア市場等で加速しており、メタボローム解析が多く活用されている。
今回は本分野において先進的な研究成果を多く出されている、株式会社メタジェン代表取締役社長CEO/慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授 福田真嗣先生をお迎えして腸内細菌と代謝物質について基礎から最新研究、実用化までをウェブセミナーにてご紹介をいただく。
プログラム
株式会社メタジェン代表取締役社長CEO/慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授
福田 真嗣 先生の特別講演
「ニューノーマル時代の腸内フローラと免疫力~メタボロゲノミクスが紐解く腸内細菌が産生する代謝物質の機能~」
==要旨==
ヒトの腸内にはおよそ1,000種類で38兆個もの腸内細菌が生息していると見積もられており、その集団(腸内細菌叢)は、宿主と密接に相互作用することで複雑な腸内生態系を構築している。近年のメタボロゲノミクスアプローチにより、腸内細菌叢から産生される代謝物質が、ヒトの健康維持や疾患発症、特に免疫系に大きな影響を与えることが次々と明らかとなっている。したがって、この異種生物の集合体を体内における「もう一つの臓器」と捉え、その機能を理解し制御することが、新たな健康維持や疾患予防・治療基盤技術の創出には重要である。ヒトが摂取した食品や医薬品成分は腸内細菌叢により更に代謝されるが、腸内環境は外部とつながる体外環境であるため、腸内に生息している細菌群の種類やバランスは個々人で異なる。そのため、摂取した食品や医薬品成分の効果が全員一律に作用するとは限らない。そこで本講演では、「層別化」をキーワードに、個々人で異なる腸内環境にあわせた食習慣改善や適切な食品・サプリメント選択による免疫機能増強といった、新たな健康維持や疾患予防・治療基盤技術の創出に向けたわれわれの取り組みについて紹介する。
参加費
無料
定員
200名 ※ご参加には事前登録が必要です。先着順となりますのでご了承ください。
主催
主催:ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社
お問い合わせ先
hmt_seminar@humanmetabolome.com