※セミナー当日までにお申込みいただくと、同内容の「見逃し配信」を期間限定でご視聴いただくことができます。
協和キリン株式会社 研究本部 研究ユニット 疾患サイエンス第1研究所
吉岡 健太郎 先生の講演をお送りします。
= 要 旨 =
糖尿病性腎臓病(DKD)患者には急速に腎機能が低下する ”fast decliner“が存在し、末期腎不全への進行リスクが高いことが知られる。我々は、DKD患者150名の血漿および尿を前向きに取得し、網羅的なメタボローム解析からfast decliner群の尿中で特徴的に上昇する代謝物としてリゾフォスファチジルコリン(LPC)を同定した。次に、病態モデルにおける生物学的検証を実施した。急速進行型DKDモデルラット群では、コントロール群と比較して尿中LPC濃度が顕著に上昇し、腎臓皮質中でリン脂質代謝異常を伴ったLPC蓄積が観察された。加えて、腎臓近位尿細管細胞に対するLPC刺激は、脂肪滴蓄積を伴ったミトコンドリア/小胞体ストレスを惹起させ、これらはperoxisome proliferator-activated receptor (PPAR)-δの不適切な活性化に起因するという機序を明らかにした。これらの結果より、LPCは尿細管障害因子として腎機能低下に寄与する可能性が示唆された。本セミナーでは、臨床研究におけるメタボローム解析例として上記の研究成果を報告し、創薬研究への将来展望を含めて見解を述べさせていただく。
(参考:Kidney Int. 2022;101:510–526. doi: 10.1016/j.kint.2021.10.039.)
参加費
無料
定員
300名 ※ご参加には事前登録が必要です。先着順となりますのでご了承ください。