"本業以外にリソースをかけられない"
スタートアップ企業のバックオフィス機能を支援する、2つの新サービスの開始
①調達業務に関する支援 「研究用機器共同購入」
三井不動産がメーカー・販売代理店と協業し、特別価格にて機器を購入できる仕組みをご提供
② 労務管理に関する支援 「産業保健サービス」
「労働安全衛生」の身近な相談者となる産業医と連携し、ラボならではの産業保健サービスをご提供
三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 植田俊、以下「三井不動産」)は、2024年5月、ライフサイエンス領域のイノベーションを推進する賃貸ラボ&オフィス「三井リンクラボ」に入居する研究開発型スタートアップ向けに、研究用機器の調達および労務管理に関する支援サービスを開始したことをお知らせいたします。
本支援サービスは、ラボの入居者が抱える様々な課題への解決施策を提供する「オープンイノベーション支援プログラム」の一環です。日本政府は、「スタートアップ育成5か年計画」を2022年に策定するなどその育成に注力していますが、スタートアップを生み育てるエコシステムの創出には、官だけでなく民も協力した取り組みが求められています(※)。
そのような中、「三井リンクラボ」に入居する研究開発型スタートアップ企業の皆さまからは、「本業以外のバックオフィス業務に十分なリソースをかけられない」という会社経営の課題について様々なご意見をいただいていました。今回、こうした課題解決に資するべく新サービスを開始いたしました。
三井不動産は今後も、様々な研究者にとって利用しやすい「場」の整備と、一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(理事長 岡野栄之、以下「LINK-J」)と協働した「コミュニティ」の構築を通じて、ライフサイエンスイノベーションの創出に貢献いたします。
※出典 ...内閣官房「新しい資本主義実現本部/新しい資本主義実現会議」「スタートアップ育成5か年計画」
"研究に集中できる環境づくり"へ2つの取り組み
「三井リンクラボ」はこれまでに4施設(三井リンクラボ葛西、三井リンクラボ新木場1・2、三井リンクラボ柏の葉)を展開、ライフサイエンス領域を中心に様々な研究開発を行う企業にご入居いただいています。入居企業には大企業のほか、スタートアップ企業も4割近く含まれます。
スタートアップ企業はイノベーション創出のエコシステムにおける重要なプレーヤーのひとつであり、当社はオープンイノベーション支援プログラムを通じて、スタートアップ企業を積極的に支援してまいります。そして今回、入居者の皆さまの声に基づき、バックオフィス支援を通じた"研究に集中できる環境づくり"に資する2つの取り組みを開始し、今後も順次支援領域を拡充する予定です。
① 研究用機器共同購入(対象施設:三井リンクラボ新木場2、順次拡大予定)
三井不動産が、「三井リンクラボ」への集積によるスケールメリットを活かして入居および入居検討企業の購買力を束ねることで(共同購入)、市場価格より割安の「三井リンクラボ」向け特別価格にて機器を購入いただけるサービスを提供いたします。
今回、まず三井リンクラボ新木場2において、幅広いラボ什器・理化学機器を扱うサーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループ、設計支援ができる代理店の株式会社バイオテック・ラボと協業し、本サービスの提供を開始し、今後対象施設や、取扱い商品を順次拡大予定です。
入居および入居検討企業にとっては、研究開発に必要な研究用機器を取り揃えるための多額の投資(資金負担)の削減・スムーズな調達の実現というメリットが見込める一方、メーカーや代理店にとってもユーザーにまとめてアクセスできるという意義があり、ライフサイエンスエコシステム全体の活性化につながる取組みと考えています。
② 産業保健サービス(対象施設:三井リンクラボ新木場1・2、三井リンクラボ葛西、順次拡大予定)
「三井リンクラボ」では、これまで入居者向け講習会の実施などを通じて、「労働安全衛生」に関する入居者の知識向上支援に取り組んできました。そのような中、複数の入居者から「今後会社が拡大した時に、何から対応すべきか」、「どのように適切な産業医を選べば良いか」といった具体的なお悩みの声をいただいたことがきっかけとなり、今回産業保健サービスを開始いたしました。 本サービスでは、「三井リンクラボ」が日本医師会認定産業医(労働衛生コンサルタント有資格者)を入居者へご紹介し、薬品を取り扱うなどラボで有害業務を行う"ライフサイエンス企業"ならではの義務(特殊健康診断・作業環境測定実施など)へのフォローアップを含む「三井リンクラボ」入居者に寄り添った質の高い産業保健サービスをご提供すると共に、企業の更なる価値向上を目指す上での"健康経営"についても、きめ細かなアドバイスを行います。 |
入居者向け講習会の様子(2023年7月) |
オープンイノベーション支援プログラムについて
「三井リンクラボ」オープンイノベーション支援プログラムは、入居者が抱える多様な課題に対し、(1)研究・事業サポート、(2)コミュニケーション・ネットワークサポートの2点を軸に、幅広い解決施策を提供する取り組みです。第1弾では、消耗品・試薬を1点から販売したり、研究機器のレンタルサービスや実験サポートサービスを提供したりする"研究者のためのコンビニ"として、三井リンクラボ新木場2内に「LINK Stock」を2024年1月に開業しています。また、研究や事業戦略等について相談できる「サイエンスコンシェルジュ」や、高価な汎用機器を共同利用できる「共通機器室」の設置、交流・連携を促進するイベントの開催、地域コミュニティによる街ぐるみでのイノベーション創出支援を実施しています。
参考リリース
2023年5月18日「三井リンクラボ オープンイノベーション支援プログラム」始動
■一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)について
LINK-Jは、三井不動産と産学の有志が中心となって設立した一般社団法人です。医薬関連企業が集積する東京・日本橋エリアを本拠点に、産官学連携によるライフサイエンス領域でのオープンイノベーションを促進し、新産業創造を支援することを目的としています。医学をはじめ、理学や工学、ICTや人工知能といった新たなテクロノジーなど、あらゆる科学の複合領域であるライフサイエンス領域において、分野を超えた内外の人的交流・技術交流を促進していきます。https://www.link-j.org/
■三井不動産グループのサステナビリティについて
三井不動産グループは、「共生・共存・共創により新たな価値を創出する、そのための挑戦を続ける」という「&マーク」の理念に基づき、「社会的価値の創出」と「経済的価値の創出」を車の両輪ととらえ、社会的価値を創出することが経済的価値の創出につながり、その経済的価値によって更に大きな社会的価値の創出を実現したいと考えています。
また、2024年4月の新グループ経営理念策定時、「GROUP MATERIALITY(重点的に取り組む課題)」として、「1.産業競争力への貢献」、「2.環境との共生」、「3.健やか・活力」、「4.安全・安心」、「5.ダイバーシティ&インクルージョン」、「6.コンプライアンス・ガバナンス」の6つを特定しました。これらのマテリアリティに本業を通じて取組み、サステナビリティに貢献していきます。
【参考】
「グループ長期経営方針策定」 https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/innovation2030/
「グループマテリアリティ」 https://www.mitsuifudosan.co.jp/esg_csr/approach/materiality/
*なお、本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における4つの目標に貢献しています。