Menu

イベントレポート

第11回 LINK-J ネットワーキング・ナイト WITH SUPPORTERS~仕掛学×ICT×ヘルスケア ユーザーが使い続ける ヘルスケアサービスの実践~を開催(2/15)

2月15日(木)、日本橋ライフサイエンスビルディングにて「第11回 LINK-J ネットワーキング・ナイト WITH SUPPORTERS」を開催しました。テーマは「仕掛学×ICT×ヘルスケア ~ユーザーが使い続ける ヘルスケアサービスの実践~」。ヘルスケアサービスを作るために具体的にどうすればいいのか、ICT×ヘルスケアの今後と期待も踏まえてお話いただきました。

最初に登壇した浅野健一郎氏(株式会社フジクラ人事部 健康経営推進室 副室長)は、「健康経営実践企業の視点からみた健康経営」と題し、実際に健康経営に取り組んでいる自社のプログラムについてご紹介いただきました。

NWN11_le1.png

職場環境の悪化は社員の生産性や利益率の低下につながります。経営意図として社員の健康資源を向上させることが「健康経営」になります。フジクラでは、職場を働きやすい環境に変え、社員に選択肢を与え活き活きと働かせる健康視点での「働かせ方改革」を会社として推進しています。

環境だけでなく、体制を変えたり、メンタル面にアプローチしたりと、多角的にデータを測定し、分析を行うことで、モデルを構築しています。例えば、朝食習慣や睡眠時間、睡眠満足度といった指標と「活性度」との相関を共同研究を通じて調査しています。イベントをきっかけに「歩く」という身体活動を増やす機会を増やし、下肢筋力の改善につなげたりといった活動にも取り組んでいます。疾病、障害、年齢に関わらず、働きながら健康維持ができる就労環境を実現することが重要である、と述べました。

次に登壇した松村 真宏氏(大阪大学大学院経済学研究科 教授)は「仕掛学から考える健康経営」と題し、松村氏が研究を進めている仕掛学を健康経営に活かすアプローチとその具体例についてご説明いただきました。

NWN11_le2.png

行動変容において無関心期から関心期に変えることが最も難しいと松村氏は述べます。
無関心層への働きかけとして正論を述べるだけでは逆効果になることも多く、別の方法でアプローチを仕掛ける研究が「仕掛学」。その具体例を動画を交えてご紹介いただきました。

例えば、ファンが集まったコンサートでは、コンサートに使う電力を自転車を漕ぐことでエネルギーを貯めてもらう。発電がリアルタイムで行われるため、切れると音量がでないといった仕掛けがされています。「仕掛け」というのは、行動の選択肢を増やすもの。いつもの行動に対して、もう一つの行動を強制するのではなく自ら選択させることで、満足度が下がらずに問題解決ができるようになるのです。本来の目的ではなく、別の目的を介して本来の目的を達成する「目的の二重性」をうまく使うことが大事です。

「従来のアプローチは行動を変えるために意識を変えることから始めていたが、それは非常に困難。まず行動を変えて、その後本来の目的に意識が変わっていくようにアプローチをする方法を健康経営にも活かしてほしい」と述べました。

最後に登壇した秋田 正倫氏(株式会社エムティーアイ執行役員 ヘルスケア事業本部 副事業本部長)は「ICT ×ヘルスケアの現状、サービス提供者からみた健康経営」と題し、モバイルヘルスケアサービスの変遷と今後の可能性についてお話しいただきました。

NWN11_le3.png

株式会社エムティーアイは全体で約650万人の有料会員をもつモバイルサービスを中心に展開しています。ヘルスケアは今、最も力を入れている事業となっており、2000年から開始した女性の健康情報サービス「ルナルナ」は1,100万人のダウンロード数(2017年7月)を突破し、多くの方に使用いただいています。「ルナルナ」に蓄積されたビッグデータを使用し、独自の排卵日予測ロジックの構築と特許を取得し、論文も掲載されました。さらに、医師が診察に使うためのサービスにも発展させています。出産や月経といった女性がそれまで手帳で管理していたものをモバイルにするというニーズに答えたものになります。

現在は「カラダメディカ」「CARADA」といったサービスを展開しており、ユーザーの健康をサポートするサービスを医師などと提携して支援しています。また、企業への健康経営のバックアップにも力を入れており、ビジネスを成長させるために重要なのが「健康経営」という考え方です。「健康」と「病気」は別と考え、病気だけど健康、病気じゃないけど不健康という層が増えてきている。個々に合わせた医療を行い『健幸』を目指すことが大事、と呼びかけました。

続いて行われたパネルディスカッションでは秋田氏をモデレーターとし、最初に「行動経済学・仕掛学・ナッジの違い」というテーマからスタートしました。

IMG_1734.JPG

松村氏によると「ナッジは無意識下で選択しているものに対して中身を入れ替えて知らず知らずのうちにより良い行動に誘導するもの。仕掛学はデフォルトの構造はいじらずに新しく行動の選択肢を作るもの」。ナッジと仕掛学の大きな違いは「ナッジは無意識に選択しているため、人によっては選択した後に後悔をする可能性がある。仕掛学は明らかに目的をわからせた上で選択肢を設けるため、選択をした後の後悔が残りにくい傾向にある点」だと松村氏は述べます。「目的に合わせてナッジと仕掛学を使い分けていただければ。」と呼びかけました。

浅野氏からは株式会社フジクラが実践している数多くの事例を基に「ナッジ」と「仕掛学」どちらに属する実践なのかを具体的に松村氏に判断していただきました。また、ワークエンゲージメントを高めるための具体例や失敗例、会社としてヘルスケアサービスを推進する原動力について等、会場からも質問が上がりました。

講演の後はラウンジにてネットワーキングタイム。今回はネットワーキング・ナイトを開催以来初の100名を超える方にご参加いただきました、貴重なコミュニケーションの機会となりました。

IMG_1768.JPG

次回は3/13(火)、ネットワーキングナイト特別編としまして慶應義塾大学先端生命科学研究所所長、冨田 勝氏をお招きしての鶴岡シリーズ第一弾です。奮ってご参加ください。

Facebook で Share !
Twitter で Share !
pagetop