10年かかる新薬開発の課題をテクノロジーの力で解決し、新薬承認の期間短縮を実現させる治験・臨床研究プラットフォーム事業、製薬企業と患者をつなぐSNS 事業を展開する株式会社Buzzreach(本社:東京都港区、代表取締役CEO:猪川崇輝/以下、Buzzreach)は、シンガポールに拠点を置くグローバルスタートアップで、最先端の生成AIを活用した、新薬の研究開発における全てのプロセスを専門とするAIプラットフォームを開発しているDeep Intelligent Pharma (SG) Private Limited(DIP)(本社:シンガポール、CEO:Xing Li 氏/以下、DIP)と戦略的パートナーシップを締結いたしました。
この戦略的パートナーシップは、両社の強みを相乗させることで日本のグローバルスタディ(国際共同治験)に対する、スピードやコスト面の課題を払拭し、より多くの参画機会を増やすことを目的としています。
具体的には、サイトスタートアップ(SSU)※1 のドキュメント翻訳やドキュメント生成などの効率化、臨床試験の運用段階に入ってからの候補患者スクリーニングの効率化など、臨床試験の計画から立ち上げから運用フェーズにおいて、様々な業務にAIを取り入れることで労働集約化しているプロセスを効率化します。
また、臨床試験全般の効率化はもちろんのこと、Buzzreach社内の既存業務、既存プロダクトに対してもLLM※2の導入を検討し、既存サービスの提供スピード向上、品質向上も併せて検討していきます。
このパートナーシップは、DIPがシンガポールを中心とするAPACなどのグローバルで展開する製薬企業パートナーやCRO(医薬品開発業務受託機関)にも拡大され、両社は協力して2024年第1四半期に開始予定の臨床試験/臨床研究でPoCを実装させていく予定です。
※1:臨床開発の仕事のひとつで,モニタリング業務における医療機関選定以降の治験開始のための手続きを担当する。
※2:Chat-GPTを代表とする大規模なデータセットを学習し、多様な自然言語処理タスクをこなすことができる人工知能モデルの総称
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DIP CEO Xing Li氏より
DIP は、日本の臨床試験におけるDocument Intelligenceに革命を起こすことを目的とした、この戦略的パートナーシップを発表できることを誇りに思います。 過去6年間にわたるDIPのこの分野への長年の貢献に基づいて、私たちは大規模言語モデル(LLM)の力を利用して臨床試験関連文書の効率化を再定義します。
Buzzreachと協力し、日本の臨床試験プロセスを合理化するために、Generative Pre-trained Transformer (GPT) の技術導入を加速していきます。 この提携は単に最先端のAIを統合するだけではなく、臨床試験分野における業務効率化の新たなパラダイムを確立することを目指しています。 私たちは、患者の利益と業務の進歩を私たちのパートナーシップの中心に据え、製薬研究開発の運用や方法論に大きな変化をもたらすことができるよう、先駆的な旅に乗り出したいと願っています。
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Buzzreach 代表取締役CEO 猪川崇輝より
このパートナーシップは、日本の臨床試験の未来に良い影響を与えると信じています。
日本の臨床試験のこれからの未来の形は、Dry(Digital技術の活用)とWet(人を介するオペレーティブな部分の理解)の両面を理解し、臨床試験の現場の目線も取り入れながら進めていくことが重要だと感じています。日本がこれまで構築してきたWetな部分はグローバルの中でも群を抜いており、活かしていくべきところです。このWetの中のDigital技術(Dry)でより効率化していくことが出来る部分が、まさに今回のDIP社とのパートナーシップの意味だと考えております。
DCT(分散型臨床試験)の推進も含めて、我々が重要視するのはWetなoperationを理解し、どの部分にDryを当てはめていくかということです。これが今後の日本の臨床試験のDXの大きなポイントとなり、今回のパートナーシップが日本の新薬開発や患者さんの未来に少しでも貢献できれば嬉しく思います。
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DIPについて
DIPは、Document Intelligenceによる医薬品の研究開発の効率化を使命として、2017 年10月に設立されました。DIPは、ライティング、翻訳、要約、書式設定、eCTD、知識抽出などを含む、デジタルドキュメント(doc、docx、Excel、PDF、フォーム、構造化データベース、xml、json、TLF など)処理のライフサイクル全体の専門家集団です。また、医薬品開発分野で大規模言語モデル(LLM)を活用する業界のパイオニアであり、文書処理の基幹プラットフォーム「HYGEIA」を駆使して、650社を超える世界の製薬会社、バイオテクノロジー企業、CROなどにサービスを提供し、協働しています。
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Buzzreachについて
2017年に設立されたBuzzreachは、新薬開発プロセス(治験)における製薬企業、医療機関、患者間のギャップを埋める革新的なソリューションに特化し、ヘルスケアテック分野でダイナミックな力を発揮しています。2023年1月に開催された経済産業省主催の「ジャパンヘルスケアビジネスコンテスト2023」において、Buzzreachは優秀賞を受賞しました。
Buzzreachは、創業初期から革新的な治験の効率化に特化したITプラットフォームを活用し、不足する治験参加患者の確保をパートナーサイトと治験実施医療機関を繋げて地域別の患者の確保するプラットフォームを提供しています。
また、新たに治験実施医療機関の治験業務管理とプロジェクトマネジメントがワンストップで管理でき、治験に関わるステークホルダーである患者・医療機関・製薬企業をひと繋ぎにするコミュニケーションプラットフォーム『StudyWorks』の運用を開始し、医療機関を軸に臨床試験の効率化をサポートしていきます。
StudyWorksは、治験実施医療機関の業務を一元管理し、効率化するプロジェクト管理アプリケーションとして、CRC※3や医師、製薬企業を一つのプラットフォームで繋ぐことが可能で、既に大学病院などに導入が開始されています。これらのアプリケーションは、臨床試験の情報発信から患者エンゲージメントまで、臨床試験プロセスを合理化し、より効率的で効果的な医薬品開発プロセスに貢献します。
※3:治験の実務を担う治験コーディネーター
Buzzreachはさらに、4つの強力なアプリケーションを提供しており、それぞれが臨床試験と患者エンゲージメントの様々な側面を効率化するように設計されています。
①smt(治験情報公開/患者募集支援)は、製薬企業や医療機関のための臨床試験情報発信プラットフォームとして、臨床試験の詳細を患者、医師と公開・共有することができます。新たな治療法を求める患者や医師と、日本で実施されている関連臨床試験とのマッチングを行い、臨床試験やその実施医療機関に関する具体的な情報を提供することで、日本に今までなかった臨床試験の情報公開を行なっています。
また、患者の紹介管理を行うことも可能で、パートナーサイトを活用した治験ネットワーク型の患者募集支援が可能です。
②スタディ・コンシェルジュは、患者専用の臨床試験参加患者管理アプリとして機能しています。CRCが臨床試験の参加に関する服薬管理や来院管理などの様々な情報を管理し、治験の進行に遅れないよう支援することが可能です。
③フィージビリティ・コンシェルジュは、製薬企業やCROが日本で治験実施医療機関を調査する際に、効率的な調査業務の管理と業務支援を行うことが可能です。
④患者特化SNSミライクは、患者の声を製薬企業や研究者に届けるSNSで、一般患者や患者家族はもちろん、治験に参加した患者をSNSで継続してフォローすることが可能です。
①から④までのアプリケーションはStudyWorksと連動をしていくことで、より効率的なプラットフォームへと進化していきます。
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会社概要
会社名:株式会社 Buzzreach
代表取締役 CEO:猪川 崇輝
所在地:〒108-0071 東京都港区白金台3丁目19-1興和白金台ビル
設立:2017年6月23日
資本金:8億9,032万5,015円(資本準備金含む)
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患者さんと治験実施医療機関を繋ぐ業界初のプラットフォーム
・治験・臨床試験の様々な課題を解決するSaaSサービス「puzz」
・治験の実現可能性調査・施設選定システム「Feasibility Concierge」
・治験情報公開・管理機能「smt」
・臨床試験業務とプロジェクトの運用管理システム「Study Works」
・患者(被験者)向け治験管理アプリ「スタディ・コンシェルジュ」
・患者等主観情報収集アプリ「VOICE」
・患者特化型SNSサービス「ミライク」