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インタビュー・コラム

MIYAMAN's column vol.17 今こそ、バイオベンチャーへの迅速な投資を

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今こそ、バイオベンチャーへの迅速な投資を

 20206月にヘルスケア・イノベーション(HCI1号ファンドを組成し、翌月から新米ベンチャーキャピタリストとして投資活動を開始しました。約40年間勤めてきたジャーナリズムとは別世界に飛び込んだ訳ですが、幸いにして違和感はあまりありませんでした。ライフサイエンス(LS)や先端医療に対する投資判断も、その技術や製品を理解するだけでは不十分だからです。今後の市場動向や現在のアンメットニーズ、競合企業や競合技術に対する幅広い目配りが不可欠であり、これは今まで日経バイオテクで記事を書く際に要求されてきた解析方法に他なりません。加えて、今までの取材対象が投資対象になったり、投資判断するためのレファレンスになったりする利点もあります。これまで3万人以上のバイオ・先端医療関係者と面談して蓄積した名刺のデータベースは、まさに宝物なのです。

 現在までの9か月間でファンドの40%の資金を5社に出資し、来月には2~3社への投資も予定しています。Vol.16のコラムにも記載しましたが、人脈とSNSなどの活用によるベンチャー企業の迅速発掘システムも奏功し、現在80社以上のヒアリングを終え、今年中に1社、23年後に合計4社~5社の上場を期待しています。こんなにも迅速にプレIPOベンチャーに投資できたのも、我が国のLSベンチャーキャピタリストの草分けである当社の大滝会長と、お世話になった皆さんのご支援の賜物です。そもそもHCI1号ファンドの投資の7割は、IPOを目指しながら足踏みを繰り返している優良ベンチャーを支援し、企業価値を増大、早期に株式上場を果たすことを目的としています。こうした実績を示すことで、「ICTは分かるが、バイオベンチャーは分からない」と投資をためらっていた機関投資家や事業会社からの投資を誘引する"呼び水ファンド"となることを目指しています。今、バイオベンチャーへの投資を増やさないと、21世紀の我が国の成長や新型コロナウイルスのパンデミックなどへの不安で、国民が楽しく安心して暮らすことができないと思っています。

miyata.png 宮田 満 氏
東京大学理学系大学院植物学修士課程修了後、1979年に 日本経済新聞社入社。日経メディカル編集部を経て、日経バ イオテク創刊に携わる。1985年に日経バイオテク編集長 に就任し、2015年に株式会社宮田総研を設立、新Mmの憂 鬱などメディア活動を開始。2017年、株式会社ヘルスケアイ ノベーションを設立、2020年6月よりバイオ・先端医療関 連のベンチャー企業に投資を開始した。厚生労働省厚生科 学審議会、文部科学省科学技術・学術審議会、生物系特定 産業技術研究支援センターなど、様々な公的活動に従事。

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