いわゆる「和食」がヘルシーであるというイメージは、今では海外でも広く知られている。
これまで「和食」の身体への影響を、主に肉体的な健康に注目して研究された事例は数多く見られる。
またそれに加え、近年「和食」が精神的な健康にも影響を与えるという知見が確認されてきている。
今回のHMT無料ウェビナーでは、防衛医科大学校 医学教育部医学科 精神科学講座 古賀農人 先生に、日本型の食事がメンタルヘルスに与える影響について、疫学的調査や代謝物の網羅解析(メタボローム解析)により明らかになったことを中心にご講演をいただく。
プログラム
日本型の食事とメンタルヘルス
― 米を中心とした食事の脳機能改善効果 ―
= 要 旨 =
世界的には、日本の食事は健康に良いというイメージがあるものの、日本人における食行動のパターンが、ストレス関連行動、精神活動、認知機能、睡眠覚醒リズムやパーソナリティ形成に及ぼす影響を検討した研究はこれまでに無かった。そこで、我々は、生活習慣病リスクの高い中高年層を対象にして食行動及び心理状態、睡眠、パーソナリティについて質問紙を用いた疫学的調査を行った。その結果、米飯摂取と抑うつ度、睡眠及び衝動性における改善効果との相関関係が示された。また、この関係には大豆製品(味噌)、納豆、緑茶摂取の介在が示された。これらのことから、米飯を中心とした食事において米と共に摂取される食材に含まれる脳の健康に有効な生理活性を持つ栄養素を十分取り入れられることが日本型食の強みであることが示唆された。続いて、食事指導による介入研究も行い、疫学的調査研究により食事内容との相関関係が示された心理状態や脳機能について因果関係を検証した。また、研究協力者の介入前後の代謝物について網羅的解析を行い、この因果関係における生化学的機序の探索を行った。
本講演では以上の研究で得られた知見について紹介する。
参加費
無料
定員
300名 ※ご参加には事前登録が必要です。先着順となりますのでご了承ください。
主催
お問い合わせ先
hmt_seminar@humanmetabolome.com