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イベントレポート

「会員とサポーターが日本の医療の未来を語る会Vol.3」を開催(1/24)

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1月24日(金)、日本橋ライフサイエンスビル10階ラウンジにて「会員とサポーターが日本の医療の未来を語る会Vol.3」を開催いたしました。本イベントは、会員の皆様とサポーターとのディスカッションや懇親のための場として、会員限定で開催しており、今回で3回目となります。

今回は「日本の医療の未来」をテーマとして、株式会社ミナケア 創業者・代表取締役 山本 雄士氏にご登壇いただき、参加者からの質問を受ける形で質疑応答をメインとした会となりました。参加者から多数の質問が寄せられ、エッジの効いた質問にも山本氏が忌憚なく答える場面がいくつも見られました。その一部をご紹介いたします。

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司会:宮﨑 尚(LINK-J)
登壇者:山本 雄士(株式会社ミナケア創業者・代表取締役)

――ミナケア創業のきっかけについて教えてください

山本「元々循環器内科医として6年病院勤務の後、留学を経て2011年に株式会社ミナケアを立ち上げました。ミナケアは「投資型医療」をコンセプトにしています。「投資型医療」は「健康に投資する」ことを意味しています。
循環器内科医として勤務している時期、様々な患者が緊急搬送されている中で、以前から自覚症状があるにも関わらず放置していた患者が数多くいることに疑問を抱いていました。病気になってから治療をする医療ではなく、病気にさせない医療の実現を目指して起業しました。
我々が顧客としているのは主に健康保険組合と、健康保険組合に加盟している企業が対象となります」

主な顧客事例を基に健康経営の促進のための取り組みや、ヘルスケア業界の意識の低さを訴えました。また、参加者からマネタイズについて聞かれる場面もありました。ミナケアは自社資金のみで黒字経営していますが、もっと成功し、医療ベンチャーを志す若者のモデルケースとなってほしいという期待の声も寄せられました。

――医学部生がコンサルタントの道に進むことについて

山本「山本ゼミという医学部生を対象にしたゼミを開催しています。その中でたまにそういった相談を受けるのですが、基本的には反対しています。本当に行きたいなら、即座に休学して行くべきです。
医学部生の悲しいところは、高校3年生の頃のピークだった感覚のままで6年間を過ごしてしまうこと。自分が医療の勉強をして卒業する頃には、他の学部生は社会にでてビジネスなどの経験を積んで2年経過しています。医学部を卒業した直後に、経験のないままコンサルの道に進んだところで、ビジネスパーソンとしてのバリューはそう出せない。そんなに甘いものじゃないよと、アドバイスしています」

――製薬企業が医療の未来を変えることはできますか?

山本「製薬企業ができることはたくさんあります。例えば医者は1対1が基本の仕事。それに比べて製薬企業は組織としてのマネジメントやスケールさせる力を持っています。
ただ、製薬企業の一番の課題は今のビジネスモデルに拘泥しすぎているところにあります。電化製品の業界に例えると、製薬企業はソニーやパナソニックなどのメーカー。診療所や病院は町の電気屋さんです。ただ、その電気屋は集客力が思ったより低いんです。糖尿病できちんと通院している人が半数程度しかいないように。しかし、製薬企業はその閑散とした電気屋に自社製品を取り扱ってもらうことや、より良い製品を作ることが売り上げに繋がると思っています。
今、僕たちがビジネスとして担っている役割は、『君はテレビを買った方がいいから電気屋(=病院)に行くべきだ。おすすめは○○インチのディスプレイだ』というアドバイスをすることです。
しかしながら、今製薬会社は自社製品を電気屋のより良い場所に置いてもらい、ノルマを達成することしか考えていません。これこそが破壊されるべきイノベーションです。これから大事なことは、今の技術や今の社会ニーズが求める医療の役割は何かということを考えること。製薬企業として業界の構造やそこで出すべきバリューをロジカルに考えてほしいです。」

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これ以外にも、「ビッグデータやAIビジネスのこれから」や「VCの目利きについて」「医師会やToMMoの今後の活動について」などの質問に対して、山本氏が鋭く切り込む形でディスカッションが展開された後、「語る会」は懇親会へと場を移しました。懇親会では、山本氏とのネットワーキングは勿論のこと、参加者同士が年齢やキャリアに関係なく話し込む姿も見られました。

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参加者からは「F2Fに近い会合だったので、できれば又参加したい」「登壇者とのクロストークが活発で良かった。改めて山本先生の鋭い意見・見方を知れて良かった。」というお声をいただきました。ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。

LINK-Jは今後もサポーターと会員の皆様が交流できる機会を提供していきます。第4回は『スタートアップはなぜ失敗するのか』をテーマとし、TomyKの鎌田 富久氏、Coral Capital 澤山 陽平氏にご登壇いただき4月ごろに開催予定です。ぜひご参加ください。

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