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イベントレポート

LINK-J緊急企画!サポーターと語る会特別編「有事の際のスタートアップの心得」を開催(4/13)

4月13日(月)、「コロナに負けない」をキーワードに、緊急企画としてオンラインで「サポーターと語る会特別編・有事の際のスタートアップの心得」を開催いたしました。本イベントは、コロナ禍によりリアルな場でのイベントが困難なため、LINK-Jが初めて行ったオンラインイベントでございます。

今回は、起業家として多くの経済危機を経験してきたTomyK代表 / 株式会社ACCESS共同創業者 鎌田 富久氏と、ベンチャーキャピタリストとして日々投資先スタートアップや投資家と対話しているCoral Capital 創業パートナー 澤山 陽平氏にご登壇いただき、現在の投資状況や今後の見通し等についてざっくばらんにお話いただきました。

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司会:宮﨑 尚(LINK-J)
登壇者:鎌田 富久(TomyK代表 / 株式会社ACCESS共同創業者)
澤山 陽平(Coral Capital 創業パートナー)

――株式会社ACCESSの起業や、TomyKでの投資で様々な困難を乗り超えてきた鎌田さんですが、現在の状況をどう見ていますか

鎌田「ACCESSが上場したのが2001年の1月、ITバブルの崩壊寸前でした。今も次々と上場を取り止める企業が多いですが、当時もその波はありました。しかし結果として我々はそのまま上場する道を選びました。そしてその年に9.11が起こりました。ACCESSはグローバル展開に力を入れていましたが、そのために海外の活動は一時制限されてしまいました。2008年のリーマンショックも経験していますが、その頃は資金的には余裕を持っていて、事業領域も順調だったので幸運にも影響はあまり受けなかったです。周りで資金調達をしていた知人たちからは、かなり厳しかったと聞きました。しかし今はもっとひどい状態ですね。正しいことをしているスタートアップも経済活動がストップしているので、まったく動けない状況。今はしのぐしかないです。」

澤山「金融時代の知人と話していても、3月までは本質的な問題ではなく一時的な天災のような印象で、一時的に暴落してもすぐに跳ね上がってバブルに突入すると考えている人が多かった印象です。しかし今月に入っても見通しが立たない状況で一気に雰囲気が曇ってきています。」

――コロナが与えたポジティブな変化はありますか?

鎌田「オンライン診療や、紙文化の撤廃など、元々ゆっくり進んでいた未来が一気に進んだので、その分野のスタートアップにとっては追い風だと思います。日本はオンライン教育も遅れていたけど、この短期間で一気に準備が進んだ印象ですね。」

澤山「学校の先生なども授業のやり方を1から変える必要が出てきたので、ここから生まれるイノベーションもある気がしますね。」

――特に影響を受けているスタートアップについて

澤山「ハードウェア関係だと、投資先60社中5,6社は結構深刻です。特に大きなハードウェアを扱っている企業は、開発を止めるかリスクを取って続けるかの2択を迫られています。しかし、3月頃はリスクを取ることもできたが、今はそれすら批判にさらされる可能性があるので、ソフトウェアの開発に注力するなどできることを進めている状態です。バイオ系も研究室に出入りできないなどしんどい状況だと思います。」

――この状態がいつまで続くかで打つ手は変わりますか?

鎌田「そうですね。今は見通しが立たないので、最悪を想定してまずはコストセーブをして、今できることを進めてしのぐしかない状況だと思います。」

澤山「投資先には最低でも1年間のランウェイを用意しろという話をしています。あと何ヶ月生き延びられるか確認して12か月間を切っていたら、良い条件は難しくてもブリッジファイナンスしてしまう等して最低でも1年は生き延びられるようにアドバイスしています。知っている中で一番保守的な会社は、2年半くらい耐えられる計画で進めています。」

――エンジェル投資家の投資状況はどうでしょうか

澤山「投資決定の際に上場する可能性が5%でも投資していたものが10%でないと投資できなくなる可能性はあります。上場できそうな会社に投資が集中してしまうかもしれない。そんな中エンジェル投資家だと期待が持てることはありますか?」

鎌田「エンジェル投資家は個人なので人によると思います。個人の資産でやっているので、どうしても目減りしてしまうと投資しにくい人もいれば、逆にバリュエーションが下がるのでチャンスだと考える人もいる。しかしこういう時でもスタートアップはめげずに社会を元気にするように頑張ってほしいです。」

――リモート勤務の課題とこれから

鎌田「リモートだと新たな課題が発生しがちですが、うまく乗り越えている事例はありますか?」

澤山「一番よくやられているのはミーティング回数を増やす、ということですかね。SlackやTeamsが普及して、オンラインに慣れている人が事務的に仕事をこなすのは、そこまで苦ではないけれど、それだけだと疲れてしまう。ここ最近急激に増えているのはZoom飲み。みんな雑談に飢えているのだと思います。これを制度や仕組みにしてしまうのがいいでしょう。Coralでは金曜の夕方に業務として飲みながら雑談をする機会を制度として作りました。他の企業でもDiscordやTandemを使い、離れている場所でも常に話しかけられる仕組みを作っているところもあります。ただ、どこまでこの状況が続くのかということと、初めて会った人とリモートでどこまで話せるかというのは懸念しています。採用や投資の時は実際に会いたいと思う一方、そこまでこだわらない人も投資家の中にはいて、価値観が切り替わるタイミングなのかもしれないと思っています。」

――採用について

澤山「コロナの影響は投資しているどこの会社も大なり小なり受けていますが、それで採用をストップしている話はあまり聞いていないです。どこもエンジニアは足りていないので積極採用中です。ただし、職種によってはフルタイムではなく業務委託にする等の変更はあるようです。」

鎌田「厳しいところは多いです。特にハードウェアはスケジュールが大きく後ろにずれることが多いので厳しいですね。コロナの影響をあまり受けていないスタートアップは、逆に良い人材を集めるチャンスなので、積極採用しています。」

――投資家に評価されるスタートアップの行動は

澤山「先ほどの2年半分のランウェイを確保していた会社は、3月の頭には動きだしてオフィスの解約縮小を1週間程度で終わらせていました。動きが早い会社は安心感があるなと思います。また、コストカットするにしても、事前に考える打ち手とその内容や影響をすべてリストアップしてそれぞれのインパクトを把握しておくのが大事だと思います。」

鎌田「そうですね。コストカットしたことにより、それ以上のマイナスを与える場合もあるので、可視化するのは大事だと思います。」

これ以外にも、「官だからできる効果的な支援について」や「遠隔医療やワクチンを研究しているスタートアップの今後の活躍」「EXITの今後の状況」などの質問に対しても、鎌田氏と澤山氏から色々な示唆をいただきました。

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参加者からは「未来に向けた明るい話で元気をもらえた気がする。 また、お二人の話も分かりやすく、ライフサイエンスに関係のない人が聞いても、勉強になる内容であった。」「開始前は少し長いかな、と思っていましたが、あっという間に時間が過ぎました。VCの立場からのお話が聞けて、勉強になりました。」等のお声をいただきました。ご視聴いただきました皆様、誠に有難うございました。

本イベントは、LINK-Jがオンラインで開催する初のイベントとなりました。コロナ禍で先の見えない中ですが、LINK-Jは今後もオンラインイベントやホームページでライフサイエンスの様々な情報を提供していきます。今後の開催情報につきましてはLINK-Jのホームページに掲載していますので、どうぞご覧ください。

当日のアーカイブは下記にてご覧いただけます。ぜひご覧ください。

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