2021年2月3日(水)、オンラインにて米国サンディエゴと東京を結び「LINK-J & UC サンディエゴ 特別ウェビナー「UCサンディエゴにおけるCOVID-19対策について~私たちがReturn to Learnプログラムの実践から学んだこと」」を開催いたしました。(主催:LINK-J)
本イベントは、UCサンディエゴのReturn to Learnプログラムという新しいプログラムをテーマとして、UCサンディエゴ医学部感染症・国際公衆衛生部門のRobert T. Schooley教授をお招きし、UCサンディエゴ校のCOVID-19対策に関して講演いただきました。
登壇者:
Robert T. "Chip" Schooley, M.D.教授(Professor of Medicine, Division of Infectious Diseases and Global Public Health Co-Director, Center for Innovative Phage Applications and Therapeutics Senior Director, International Initiatives Interim Faculty Director, Global Education)
【アーカイブ動画】
※2021/8/31までご覧いただけます。
UCサンディエゴのCOVID-19対策に関しての取り組み
UCサンディエゴはCOVID-19対策として、専門家チームによるReturn to Learnプログラムを立ち上げました。
Schooley教授によると、Return to Learnプログラムは3本の柱で成り立っています。
1つ目はウイルスの検出です。トップダウンではなく、各分野の研究者や臨床医の専門知識を活用して、統計的モデリングを用いてCOVID-19の早期発見を促しています。2つ目は大学が積極的に介入して、陽性者の学生のサポートと隔離を徹底すること。3つ目は研究室や教室の人口密度の制限やマスク使用によるリスクの低減です。
※アーカイブ動画の中で、5億ドルを投入してこのプログラムを開始したと訳している部分がありますが、正しくは「(UCサンディエゴは)年間の研究費が約15億ドル(1500億円)に上る研究機関であり、それ自体が重要であることはもちろんですが、研究活動が教育の重要な一角を占めているので、Return to Learnプログラムも研究活動を継続させることを考慮に入れて展開する必要がありました。」です。謹んでお詫び申し上げます。
また、COVID-19は半数以上の保菌者が無症状のまま感染を拡大させるため、大規模な検査プログラムを開始しました。UCサンディエゴでは1日に1万2千件の検体を処理することができ、検査キットも自動販売機で無料配布しています。
その他にもドライブスルー検査や、排水の検査、重層的なリスクマネジメント等、このプログラムで実施している具体的な施策についてご紹介いただきました。
質疑応答
講演の後にはQ&Aがおこなわれました。
「学生たちのワクチン接種の実態と、それによる次学期の授業形態について」「キャンパスは、ロックダウンしたのでしょうか?またその予定は?」「検査の回数と頻度について」などの活発な質疑がなされました。
今後もUCサンディエゴと協力したセミナーを、継続的に開催する予定です。 本セミナーの録画映像は、2021年8月末までLINK-JのYouTubeチャンネルにてご覧いただけます。
【参考資料】
San Diego Union Tribune
"Quiet giant who helped slow AIDS crisis has UC San Diego on fast track out of coronavirus pandemic"