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イベントレポート

「LINK-J×LINK-J会員のタイアップイベント がん領域をめぐる 次世代プラットフォーム」を開催(11/25)

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2021年11月25日(木)に日本橋ライフサイエンスハブとオンラインにて「LINK-J×LINK-J会員のタイアップイベント がん領域をめぐる 次世代プラットフォーム」を開催いたしました。
本イベントは、LINK-Jが会員500を突破したことを記念し新たにスタートしたタイアップイベントの第1弾となります。日立グローバルライフソリューションズ(日立GLS)と共同し、京都大学iPS細胞研究所の金子先生、株式会社ニコン、Elixirgen Scientific, Inc.を迎え、がん領域の最新の話題と事業紹介をさせていただきました。(主催:LINK-J、共催:日立GLS)

【登壇者】

古江 美保(株式会社ニコン シニアフェロー/ ヘルスケア事業部 副事業部長)
金子 新(国立大学法人京都大学 iPS 細胞研究所 教授/国立大学法人筑波大学 医学医療系 教授)
清田 泰次郎(株式会社ニコン フェロー ヘルスケア事業部ステムセル事業推進部長)
高木 大輔(Elixirgen Scientific, Inc. VP of RNA Manufacturing service)
松崎 和仁(日立グローバルライフソリューションズ株式会社 空調システムソリューションセンタ CPC事業推進Gr 担当部長)
佐藤 祐一(日立グローバルライフソリューションズ株式会社 空調事業戦略本部 システムソリューション企画部 担当部長)

【アーカイブ動画】

下記のリンクにてご登録いただいた方は当日の録画をご覧いただけます。

URL:http://ptix.at/D6niFQ

公開期限:2022年331()

オープニング

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はじめに株式会社ニコンの古江美保氏よりアイスブレイクとして、がんを取り巻く状況とiPS細胞のがん治療への応用への展望をご説明いただきました。

iPS細胞を介した免疫細胞の再生と臨床応用

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1つ目の講演として金子新先生より「iPS細胞を介した免疫細胞の再生と臨床応用」についてご講演いただきました。
これまでのがん免疫療法はTIL(腫瘍浸潤リンパ球輸注療法)と呼ばれる患者本人のがん組織の中で浸潤しているT細胞を体外で培養し体内に戻す治療法ですが、近年注目を集めているのはTCR(T cell receptor(T細胞受容体)の略)もしくはCAR(キムリア)と呼ばれる外来性の遺伝子を患者の体内に戻す方法です。金子氏は、この治療法が成功するためにはT細胞の「がん抗原特異性」「患者体内での数」「患者体内での機能(若さ)」が重要だといいます。
金子氏はiPS細胞を介し特異的なT細胞を再生する研究を進めています。患者自身の特異的なT細胞を取り出し、iPS細胞により体外で培養させます。再生したCD8αβキラーT細胞は標準細胞より多く増殖し、体内に長く残存するため高い治療効果を発揮します。また、患者からだけではなく日本人に合いやすいHLA組織型のiPS細胞をストックし、T細胞遺伝子受容体を導入することで再生キラーT細胞を作り出す研究も行なっています。その研究の成果や臨床治験に至るまでの道のりをご説明いただきました。
参加者からは「iCAR-Tcellの凍結保存を行う場合、性能が落ちますか?」、「卵巣癌をターゲットにした理由はあるのですか?」など多数のご質問をいただきました。

免疫細胞を利用したがん医薬品開発をサポートする細胞評価・選別システム

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続いて株式会社ニコンの清田泰次郎氏より「免疫細胞を利用したがん医薬品開発をサポートする細胞評価・選別システム」についてご講演いただきました。
ニコンは再生医療・創薬支援に関する事業として主に3つの事業を行なっており、その1つが細胞培養の安定した品質評価システムの提供です。細胞培養においては、未だ大多数は培養作業者による手作業で行われています。ニコンのライブセルイメージングとその画像を解析することで、細胞の状態を可視化・数値化し、培養作業者の客観的・定量的な判断を支援しています。
また、シングルセルへのアプローチとして従来の培養容器を使ったスクリーニング領域だけではなく、BeaconというOEPプラットフォーム機器を用いて1細胞ごとの細胞種・状態のシングルセル解析を実施することができます。清田氏はBeaconのOEP技術のメリットや今後の展望について説明し、最後に「Beacon及びLightningの実験トライアルができる環境を用意しているので、ご興味のある方はご連絡ください。」と述べました。

mRNAを用いた医薬品開発支援の取り組み

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続いてElixirgen Scientific, Inc.の高木大輔氏より「mRNAを用いた医薬品開発支援の取り組み(高速細胞分化、mRNA-CDMO事業)」についてご講演いただきました。
mRNA製品はCOVID-19のワクチンにより50billionの売り上げを記録し、今後の多様な展開が期待されています。高木氏はがん領域をモデルにmRNA医薬品開発の特徴と課題を述べました。Elixirgen Scientific社は2021年9月からCDMO事業を新たに開始し、mRNA原薬、治験薬、研究用試薬の開発受託事業を行なっています。
2021年6月からラボにmRNA-CDMOサービスを提供するクリーンルームを設置し、21年12月よりcGMP準拠での治験薬製造サービス、QCサービスを提供開始します。
高木氏は「今後、全ての バイオ医薬品が mRNA 医薬で置き換えられる可能性がある。我々の技術で皆様の研究開発をサポートできれば」と述べました。

次世代モジュール型CPC(細胞培養加工施設)紹介

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続いて日立グローバルライフソリューションズ株式会社の松崎和仁氏より「次世代モジュール型CPC(細胞培養加工施設)紹介」と題し、ご講演いただきました。
日立グループはCPCや自動培養装置、クリーンルームや空調機器のバリデーションなど包括的な再生医療事業のサポートを行なっています。日立GLSは日立が提供する再生医療のソリューションをシミュレーションできる施設として「日立GLS再生医療イノベーションセンタ」を日本橋にオープンしました。この施設では細胞培養加工施設を実際に見ることができ、実際の滅菌検証や生産装置自動化検証、製造プロトコル、管理手順との連携、防虫検証も行なっています。
またこの施設にも採用されている次世代モジュール型CPCの特徴についてもご説明いただきました。

クロージング

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最後に日立グローバルライフソリューションズ株式会社の佐藤祐一氏より本日の講演の統括と、今後のがん治療への期待を述べたご挨拶をいただきました。

名刺交換会

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今回は、会場とオンラインのハイブリッドでの開催となり、会場参加者の皆様と登壇者の名刺交換会がおこなわれました。感染対策を講じた上での開催でしたが、久しぶりの対面での挨拶や情報交換、新たなビジネスへの機会に会場は盛り上がりました。

イベントにご参加の皆様、ご登壇者の皆様、誠にありがとうございました。
なお、今回のWebinar詳細については、URL にてご登録いただければ録画をご視聴いただけますので、是非ご覧ください。(2022年3月末まで)。

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