イベントレポート

第1回オープンセミナー~創薬エコシステムにおけるオープンイノベーション~を開催(6/18)

2026年6月18日(木)、第1回オープンセミナー~創薬エコシステムにおけるオープンイノベーション~が開催されました。 本イベントは、東京都による創薬エコシステムけん引人材創出モデル事業「Blockbuster Pathfinders」の一環として実施された公開セミナーで、創薬スタートアップ、大手製薬企業、アカデミア、支援機関など多様な立場の登壇者が集い、日本の創薬エコシステムにおけるオープンイノベーションと人材のあり方について議論しました。
 


当日は、創薬スタートアップの現場で求められる視点や意思決定、アカデミア・製薬企業・支援機関が果たす役割、そして日本の創薬エコシステムが今後さらに発展するために必要な人材や連携の在り方について、実践的な知見が共有されました。
 

オープニング・東京都挨拶
 


はじめに東京都スタートアップ戦略推進担当課長 直井 亮介より開会挨拶を行いました。 直井氏は、創薬分野が国の成長戦略上も重要な領域であることに触れたうえで、東京都としてスタートアップ支援の文脈から創薬分野を後押ししていく考えを示しました。 また、創薬エコシステムにおいては「人材」が大きな課題であるとの認識のもと、本事業を通じてエコシステムをけん引する人材の発掘・育成を進めていく方針が語られました。

続いて事務局より、Blockbuster Pathfindersの事業概要が紹介されました。 本事業は、創薬分野の高度な専門知識を生かし、創薬エコシステムやオープンイノベーションをけん引する人材の発掘・育成を目的としたもので、①オープンセミナー、②選抜制のPathfindersプログラム、③交流イベントの3つのプログラムで構成されます。 特に、2026年8月から2027年2月まで実施予定の選抜プログラムでは、講義・ワークショップ・交流を通じて、創薬スタートアップやオープンイノベーションの現場で活躍できる人材の育成を目指すことが説明されました。
 

セッション1 ”薬”を創る~創薬スタートアップに求めたもの/求められたもの~


セッション1では、「“薬”を創る~創薬スタートアップに求めたもの/求められたもの~」をテーマに、蒲 香苗氏(ファイメクス株式会社 代表取締役 CEO)、辻󠄀 真之介氏(reverSASP Therapeutics株式会社 代表取締役 CSO)、森中 紹文氏(リジェネフロ株式会社 CEO)が登壇し、橋本 遥氏(株式会社Convallaria 代表取締役)がモデレーターを務めました。 各登壇者からは、大手製薬企業やVC、研究現場からスタートアップへと至ったキャリアの経緯とともに、創薬スタートアップならではの挑戦や醍醐味が共有されました。
 


スタートアップに踏み出した背景には、「有望な研究テーマを自らの手で実現したい」という強い意思や、「より主体的に創薬に関わりたい」というキャリア観の変化がありました。一方で、創業初期には研究開発に加え、資金調達、知財、採用、組織づくりなど幅広い業務を担う必要があり、大企業とは大きく異なる環境であることが共有されました。 

こうした環境においては、限られたリソースの中で社外ネットワークも活用しながら意思決定を進めることが求められます。パネルディスカッションでは、スタートアップにおいて重要なのはスキル以上に「パッション」や「どうすれば実現できるかを考え続ける姿勢」であることが強調されました。また、患者に薬を届けるという共通の目的に向かい、自社の技術やビジョンに共感しながら主体的に行動できる人材の重要性が示されました。
 

セッション2 オープンイノベーションという戦略


セッション2では、「オープンイノベーションという戦略」をテーマに、上村 成章氏(慶應義塾大学病院 訪問講師)、後藤 正英氏(アステラス製薬株式会社 イノベーションラボ オープンイノベーションマネジメント ヘッド/東北大学 大学院医学系研究科 創生応用医学研究センター 特任教授)が登壇し、引き続き橋本 遥氏がモデレーターを務めました。 ここでは、アカデミア・製薬企業・支援機関の立場から見た日本の創薬エコシステムの現状と課題、そしてそれを乗り越えるための連携のあり方が議論されました。
 


日本は基礎研究力や創薬シーズの質に強みを持つ一方、それを実用化につなげる人材や仕組み、資金の不足といった課題が指摘されました。創薬は単一の組織や個人では完結できず、研究・開発・知財・薬事・事業開発など多様な専門性が求められるため、組織や分野を越えた連携、すなわちオープンイノベーションが不可欠であるとされています。

また、創薬スタートアップの育成や支援においては、アカデミア発シーズと産業界の経験を結びつけることが重要であり、企業によるオープンラボや産学連携プログラムなどの取り組みが紹介されました。現在は政策的な支援や資金の流入も進んでおり、日本の創薬スタートアップにとっては成長の好機であるとの認識も共有されました。 

最後に、エコシステムを支える人材像として、他者と協働しながら自らも価値を提供できる「オープンな姿勢」が重要であることが強調されました。攻めと守りそれぞれの役割を持つ人材が共通の目標を共有し、連携することこそが、創薬の実現につながるというメッセージで締めくくられました。

本イベントは会場・オンライン合わせて約240名のみなさまにご参加いただきました。会場ではイベント終了後にネットワーキングも実施され、参加者同士が活発に交流する様子が見られました。ご参加いただいた皆様からは、「当事者のリアルな話が聞けて大変有意義でした」「日本におけるスタートアップ・エコシステムがいかに重要かを理解できた。」などの感想をいただきました。

Blockbuster Pathfindersは今後も、オープンセミナーや選抜プログラム、交流イベントを通じて、創薬エコシステムをけん引する人材の発掘・育成を進めていきます。次回は9月に第二回オープンセミナーを開催予定です。奮ってご参加ください。
 

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