2026年8月5日(水)、理化学研究所(理研)と国立がん研究センター(NCC)とのシンポジウムをGLOBAL LIFESCIENCE HUB(招待者のみ)およびオンラインで開催しました。(主催:国立研究開発法人理化学研究所、国立研究開発法人国立がん研究センター 共催:LINK-J)
理研とNCCは、日本の創薬を阻むボトルネックを突破し、革新的な医薬品を社会へ届けることを目指し、連携を強化しています。
理研の世界トップレベルの科学技術基盤と、NCCの貴重な医療データと開発力。両者の強みを融合し、日本から世界へ革新的な創薬を届ける新たな挑戦が始まります。
それに伴い、本シンポジウムでは、その新たな共創の第一歩として、次世代型放射性医薬品、AI・ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)・がん臨床マルチモーダルデータを融合した数理創薬を切り口に、創薬プロセスを革新する新しいアプローチを紹介いたしました。
また、産官学のキーパーソンによる創薬共創の未来像を語るセッションも行われました。
当日は会場とオンラインを合わせて約700名の方が参加する大規模なイベントとなり、理研とNCCの創薬研究における「協創」「協働」への関心の高さがうかがえました。
開会挨拶 (国立がん研究センター 理事長 間野 博行 氏)
来賓挨拶 (文部科学省、厚生労働省)
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テーマ RI/放射性医薬品
座長:国立がん研究センター 土井 俊彦 氏
講演① 放射性医薬品治療の社会実装に向けた臨床課題と展望(国立がん研究センター 稲木 杏吏 氏)
放射性医薬品を活用したがん治療の社会実装に向け、核医学治療の最新動向や研究開発環境の整備について紹介がありました。また、臨床研究から実用化までの課題や、国内外の制度・体制の違いを踏まえた今後の展望について説明が行われました。
講演② 放射性医薬品を支えるRI供給基盤の現状と展望(理化学研究所 羽場 宏光 氏)
放射性医薬品開発を支える放射性同位元素(RI)の製造・供給基盤について紹介がありました。国内の供給体制や研究開発動向に加え、将来的な医療利用拡大を見据えたRI製造技術の高度化や供給体制整備の取り組みについて説明が行われました。
講演③ 生体内合成化学治療とα線核医学治療(理化学研究所 田中 克典 氏)
生体内で薬剤を創り出す新たな治療コンセプトと、α線放出核種を用いた核医学治療の研究開発について紹介がありました。創薬と治療をつなぐ新しいアプローチとして、異分野融合による研究の可能性や今後の発展が示されました。
テーマ ハイパフォーマンスコンピューター/数理創薬
座長:理化学研究所 本間 光貴 氏
講演④ 量子計算と生物情報学の融合で挑むがん研究・創薬(国立がん研究センター 加藤 護 氏)
量子計算技術と生物情報学を組み合わせた新しい創薬研究の取り組みについて紹介がありました。複雑な生命科学データを活用しながら、創薬研究や疾患研究の高度化を目指す最新の研究動向と今後の可能性について講演が行われました。
講演⑤ 患者由来リアルワールドデータと最先端AIの融合が拓く「AI for Cancer Science」の新展開(国立がん研究センター 浜本 隆二 氏)
医療AIと創薬AIの活用による新たながん研究・創薬基盤について紹介がありました。患者由来データやオミクスデータを活用したAI研究の進展と、研究から実臨床への展開を見据えた取り組みについて説明が行われました。
講演⑥ 量子-HPC創薬と数理AIが推進する次世代がん創薬基盤モデル(理化学研究所 角田 達彦 氏)
量子計算、高性能計算機(HPC)、数理AIを組み合わせた次世代創薬基盤の構築に向けた研究について紹介がありました。計算科学を活用した創薬プロセスの効率化や、新たな創薬モデルの実現に向けた取り組みが共有されました。
日本の創薬力強化に向けたクロストーク
司会:LINK-J 高橋 俊一
パネリスト:国立がん研究センター 土原 一哉 氏、理化学研究所 榑林 陽一 氏、
東京大学大学院 宮園 浩平 氏、日本製薬工業協会産業政策委員会イノベーション推進部会 寺尾 寧子 氏
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クロストークでは、国立がん研究センター、理化学研究所、東京大学大学院、日本製薬工業協会の関係者が登壇し、日本の創薬力強化に向けた課題や今後の方向性について意見を交わしました。
セッションでは、基礎研究から社会実装までの創薬エコシステムの強化や、産学官連携のあり方、人材育成、研究開発基盤整備など、日本の創薬競争力向上に向けて必要な取り組みについて幅広い議論が行われました。
また、本シンポジウムで紹介された放射性医薬品、核医学、AI創薬、量子計算・HPCなどの先端技術を社会実装へつなげるために、研究機関、行政、産業界がそれぞれ果たすべき役割や今後の連携の重要性についても共有されました。
登壇者それぞれの立場から、日本発の革新的な医薬品創出を継続的に生み出していくための展望が示され、今後の創薬イノベーション創出に向けた期待が語られるセッションとなりました。
セッションの最後には、会場で参加されていた国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の理事長である 中釜 斉氏より急遽コメントをいただきました。
閉会挨拶 (理化学研究所 理事長 五神 真 氏)
講演後にはネットワーキングを行い、登壇者と参加者との名刺交換や情報交換が活発に行われました。
参加者の皆様からは、「放射性医薬品が診断だけでなく治療へと広がっていることを知り、今後の発展に期待したい」「AI創薬や量子コンピュータの進展により、創薬研究の新たな可能性を感じた」「理研と国立がん研究センターの連携によるシナジーに大きな期待を抱いた」「『死の谷』ではなく『潮目』という視点が印象的だった」など、多くの前向きな感想が寄せられました。最新の研究成果や将来展望に触れる機会となり、日本発の創薬イノベーションへの期待が一層高まるシンポジウムとなりました。

ご参加頂いた皆様、誠にありがとうございました。


