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イベントレポート

H³ 第十二回:ライフサイエンス業界のリアル<イベントレポート>

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「ライフサイエンス業界のリアル」をテーマに第十二回目のHealthcare Hackathon Hubを2018年4/22(日)に開催いたしました。

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医療者・他業界の人がともに「実はよくわかっていない」ライフサイエンスの業界事情をテーマとし、講師を2名お招きして開催しました。製薬業界の方に触れる機会はあっても、なかなか窺い知れない実情について知ることのできるまたとない機会となりました。今回はアボットジャパンの塚本俊輔氏(写真前列中央左)、エムスリーの内海氏(写真前列中央右)を講師にお迎えしてワークショップを行いました。

今回も前回に続きFacebook広告を活用しら、初めてご参加頂いた方とリピーターの方とが半々、医療者が約半分という参加者構成でした。またSli.do(スライド: https://www.sli.do/ )というスマホから質問を集めることができるアプリの活用により、今回は30件近くの質問をリアルタイムに受けてQ&Aすることができ、より参加者の興味に合ったコンテンツをお届けすることができました。

前半では、製薬業界の基礎知識から昨今の大手企業をとりまくトレンドについて塚本氏より講演頂きました。意外と知られていない薬の開発費用、成功確率、特許の長さ(7-8年間)、それを前提とした長期収載品のビジネスモデルについての開設からスタートし、昨今のジェネリックへシフトする潮流、適用拡大、薬自体の改良、Beyond the Pillなど幅広く製薬業界の話題が網羅されました。

会場からの「新薬はどれだけ儲かっているのか?」という質問に対しては粗利は80%以上を基本とし、そのほとんどが研究開発費(治験費用)や販促費に費やされている実態や、ジェネリックの場合はコスト競争力およびスケールメリットしか差別化要素がないなど、ビジネス面での特徴を確認しました。また「特許がきれたからといってジェネリックは本当に簡単に作れるものなのか?」という質問に対し、バイオ製剤などの製造方法が難しいものは、特許切れても真似されにくい、逆にシンプルな構造の薬品は参入障壁がないということになる」と非常に明快に解説され、多くの参加者が深く頷いていました。

またコスト構造の解説からMR職を取り巻くトレンドについて解説され、現在6万人ほど存在するMR職は減少傾向にあること、メディカルリエゾンの設置、訪問規制の設置など、MR職の価値が相対的に下がってきつつあることが解説されました。

グループワークでは、解説された種々の背景をもとに、「製薬企業のCEOであったなら今後にむけてどのような会社の将来像を描くか?(グローバルメガファーマの場合、日経大手企業の場合)」というお題を参加者同士で議論しました。回答例として「日本の場合は知見やアセットがストックされているので欧米式とは事なる新たな付加価値を提供し稼ぎ方を変えるというのがよいのでは?」「人口の多い国への展開が重要では」「癌のリスクファクターを発症前につぶしていくような薬に集中するのはどうか?」など実際に大手企業が取っている戦略に近い打ち手が議論されました。

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後半では、エムスリーの内海氏よりMR職やITを活用したe-detailingなどの最新トレンドについて解説がされました。会場からは多くの質問が寄せられました。「なぜエムスリーはこれほど成功するようなスタートを創業時に切れたのか?」に対しては「もともと論文検索サイトをエムスリー創業者が買収して8万人の会員がいるアセットを発射台にしていること、製薬会社と成長を共にしてきた歴史であり現場のMRも一緒に活動してくれた経緯があった、毎日来てもらえるITサービスということでニュースを重視している戦略をとっている」などを主な要因として回答されていました。また「ご年配の医師もe-detailingは使うのか?若い医師しか使っていないのでは?」という質問に対しては「医師は基本的に理解度や合理性の高い方々なので、年齢に関わらず使いこなしている人が多い。ご年配の方向けに機能を変えたということも今まで無い。」との回答がされ、会場には驚きの声が上がっていました。
グループワークでは「MRの生産性を高めるにはどうしたらよいか?」というテーマでグループごとに活発に議論が交わされました。

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今回、12回目ということで早くも一年が経ち、気がつけば総勢17名の講師と262名の参加者に集って頂く場を運営することができました。ご後援頂いているLINK-J様には改めて感謝申し上げます。
今年度は6月より平日開催に変えて継続致します。毎週第3木曜の19:00-21:00に活動して参ります。

~ヘルスケアの革新に志ある人むけ! 入門講座&コミュニティの第12回~

■協賛:一般社団法人 LINK-J
■日時:4/22(日)14:00-17:00 ※13:30開場
■場所:日本橋ライフサイエンスビル 201会議室 
    東京都中央区日本橋本町2-3-11
■定員:50名
■講師:

<エムスリー株式会社 グループリーダー 内海雄介>
東京大学工学部修了後、日本アイ・ビー・エム、戦略系コンサルティングファームモニターグループ、スタートアップ支援のアーキタイプ株式会社を経て、エムスリーに参画。製薬企業の販売マーケティング活動をデジタルの側面で支援。エムスリー参画以前もコンサルタントとして、製薬企業の製品ポートフォリオ戦略、製品マーケティング戦略、および中・長期事業戦略立案、営業組織改革プロジェクトなどのプロジェクト経験を有する。
アーキタイプ株式会社ではデータセクション株式会社、ウォンテッドリー株式会社等を担当

<米国系製薬メーカー 部長 塚本俊介>
東京大学大学院農学生命科学専攻修了後、2002年4月からコーポレイトディレクション(CDI)に参画。ヘルスケア領域を中心に中期計画策定やM&A後の組織統合支援、新規事業開発などのプロジェクトに約10年間従事。2012年1月から製薬業界に転職。外資系製薬メーカーにてマーケティング統括部、製品マーケティング部マネージャーなどを経て、コマーシャルエクセレンス部部長として現職。

■当日プログラム(予定):
14:00-14:10 アイスブレイク ※当日はグループわけ(4-6名ずつ)にて着席頂きます
14:10-15:30 プレゼン前半
15:30-15:40 休憩
15:40-17:00 プレゼン後半
17:00 閉会 ※次回告知など

※当日は参加者全員でのグループワークを実施します
※有志で、懇親会@飲食店も企画します

(カバーするキーワード)
- ブロックバスタ-(Blockbuster Drug)
- 希少疾病用医薬品(Orphan Drug)
- 分子標的薬(Molecular Targeted Drugs)
- 長期収載薬(Long-listed drugs)
- ジェネリック医薬品(Generic drugs)
- セルフメディケーション(Self-medication)
- KOL (Key Opinion Leader)
- GCP (Good Clinical Practice)
- GMP (Good Manufacturing Practice)
- 国際共同治験(International Clinical Trials)
- 有害事象(Adverse Event)
- 安全性管理(Pharmacovigilance)
- 医薬品安全対策(Risk Management Plan, RMP)
- 市販後調査(Post Marketing Surveillance, PMS)
- リアルワールドデータ(Real World Data/Evidence, RWE)
- CRO(Contract Research Organization)
- CMO(Contract Manufacturing Organization)
- CSO(Contract Sales Organization)
- GHTF文書(Principles of Medical Devices Classification)
- クラス分類(Classification of a medical device )
- PMDA(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)
- FDA(Food and Drug Administration)
- CEマーク(CE Marking)
- CDISC(Clinical Data Interchange Standards Consortium)
- SaMD (Software as Medical Device)

Q. 誰でも参加していいの...?
A. はい!ヘルスケア領域にてご自身が解決したい課題があれば誰でもご参加可能です。
第一回には、医師、医事、看護師、医学生、エンジニア、弁護士、投資家、ベンチャー起業家、大手企業の事業開発担当など多様なバックグラウンドをもつ参加者が集いました。
また、互いに教え・学び合う全員参加型のコミュニティとなります。
この場を活用いただき、積極的に他参加者と関わって新しい価値を生み出して下さい!

Q. 参加費はかかるの...?
はい!主催者チームが手弁当で運営しているコミュニティのため、会場費・講師料・その他雑費相当額として、お一人当たり3,000円/回をお願いしています。

Q. どのくらいの頻度で開催するの...?
関係者・会場のスケジュール次第ですが、月1回を原則として開催予定です。

Q. どうしても都合がつかない日程があるんだけど...? / 地方在住なんだけど...?
当日資料はSlideshareにて全て公開予定ですので、随時フォローアップ下さい。

Q. ヘルスケアハッカソンハブとは?
他領域の専門家と気軽に話せる・学び合う場として以下の提供を目指しています!
 ・今さら聞きにくい初級者編の情報(医療システムの基礎、Web技術、etc.)
 ・専門家が紹介する効率よい勉強法
 ・気軽に聞ける各業界の知り合い
 ・エビデンス(臨床での実証)の踏まえ方

■企画趣意書: "Healthcare Hackathon Hub"
■第一回目開催資料:第一回イントロダクション
■第二回目開催資料:地域包括ケアシステム
■第三回目開催資料:準備中です
■第四回目開催資料:準備中です
■第五回目開催資料:準備中です
■第六回目開催資料:準備中です
■第七回目開催資料:準備中です
■第八回目開催資料:準備中です
■第九回目開催資料:準備中です
■第十回目開催資料:準備中です
■第十一回目開催資料:準備中です
■第十二回目開催資料:準備中です

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