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SANDBOX

"LINK-J SANDBOX" Open Conference 2019~SCOOP2018 最終報告会を行いました

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2019年6月22日(土)日本橋ライフサイエンスビルディングにて「"LINK-J SANDBOX" Open Conference 2019~SCOOP2018 最終報告会~」を開催致しました。

概要

LINK-Jの学生・若手支援プログラムである"SANDBOX"は、2017年より試行的に取り組みを開始し、2018年度からは"SCOOP"と名付けた資金援助を伴う学生・若手のプロジェクト支援のプログラムを開始しました。これは、多様な学生・若者がチームを組み、ライフサイエンス分野の課題に対して、自ら企画し試行錯誤を繰り返しながら、何かしらの成功体験を得て飛躍していくことを企図したものです。
本年度の"LINK-J SANDBOX"のオープンカンファレンスでは、2018年度に採択された5つのプロジェクトのメンバー、および本年5月に公募した2019年度採択チームメンバーのほか、理学系や総合科学系の学生など、悪天候の中で19名の参加がありました。

はじめにLINK-Jの宮崎より、SCOOPのプログラムの目的と、LINK-Jがこのような学生・若手支援プログラムを展開する意図を説明しました。そして、当プログラムのメンターである有限会社ノトコードの平林慶史氏のファシリテートのもとで、カンファレンスを進行しました。

SCOOP2018成果報告

※各チームの取り組みや成果をまとめた報告は、後日掲載予定です。

① TEAM AMR チーム代表大阪大学医学部医学科の山田達也さん
「世界の薬剤耐性菌に挑む~タイ市民の抗生物質不適切使用を減らせ~」

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山田さんからは、タイにおける抗菌薬使用の実態調査を踏まえ、今後世界で蔓延することが危惧されている多剤耐性菌の増加・感染拡大を阻止するための方策についてプレゼンテーションがありました。学生として可能なアプローチとして、まずは邦人旅行者向けの情報提供を行うべく、本プロジェクト終了後も研究・事業の両面から活動していく予定とのことです。

②旭川フレイルプロジェクト チーム代表の旭川医科大学医学部医学科上野裕生さん
「地域住民との協働によるフレイル対策の検討~医学生によるプロジェクト運営の可能性と課題~」

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多様な職歴・バックグラウンドを持つ医学生がチームを組んだ「旭川フレイルプロジェクト」は、地域の様々な教育機関・団体とコラボレートしながら「フレイル」についての啓発活動を進める取り組みについてプレゼンテーションを行いました。その中で、他分野の学生・若者と旭川の地でつながることの難しさ、学生生活と両立しながら地域活動を展開することの難しさなど、プロジェクトを進める上での課題も率直に発表されました。本プロジェクトは、更に発展形の企画となってSCOOP2019で展開されることになっています。

③京都大学大学院医学研究科 秤谷隼世さん
「データから一次情報への回帰- NDBの使用と薬剤耐性菌問題への挑戦 -」

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秤谷さんは、当初はNDB(ナショナル・データベース)を活用し、ジェネリック医薬品の使用を促進する因子を統計的に導くというプランでプロジェクトをスタートさせました。しかしプロジェクト開始後に、よく似た枠組みの研究報告が別の研究者によって為されたこと、更にNDBを使った研究を行うための様々な手続きに想定以上に手間取ったことなどから、データの統計的な解析というアプローチをやめ、一次情報から薬剤の処方行動に迫るアプローチへと転換したという経緯が報告されました。

④旭川医科大学医学科 大池麻衣さん
「Choosing Wisely 医学生×薬学生×一般市民 ~適切な医療選択のために~」

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大池さんを中心とするChoosing Wiselyのチームは、医学生・薬学生がプレゼンターとなって、一般市民向けにChoosing Wiselyの考え方を啓発する活動に取り組みました。東京および仙台の企業の協力を得て、医療系学生が主体となる勉強会を開き、参加した社会人からは「医療における選択について考える機会になった」「良い機会だった」などと肯定的な評価が得られたことが報告されました。

⑤「教育×医療」チーム 滋賀医科大学医学部医学科 坂井有里枝さん
「新しい「医療×教育」の連携を探る」

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「教育×医療」のチームは、企画時からのメンバー変更や、教育系メンバーの卒業など、プロジェクトを進める上で直面した困難について率直な報告がありました。その中で、プロジェクトの後半に現実的な計画を立て直し、ネットリサーチを活用して「中高生の悩み」のデータを取り、医療者(特に学校医)が積極的にアウトリーチしていくことの可能性や、その際に知りたい情報などについてプレゼンテーションが行われました。

***

発表も大変興味深いものでしたが、質疑応答が時間が足りなくなるほどに活発に行われ、非常に有意義なディスカッションとなりました。

2. ゲストスピーチ:「小さな成功体験」と「安全な失敗」  南生協病院 臨床研修医 荘子 万能さん

続いて、医学部生だった2017年にLINK-J SANDBOXの立ち上げに関わった荘子万能氏をゲストスピーカーに招き、『「小さな成功体験」と「安全な失敗」』と題してスピーチが行われました。

氏のこれまでの経験の中で、「安全に失敗できる環境」に様々な形で出会うことができ、その中で「小さな成功体験」を積み重ねてきたことが、今の活躍につながっているということがとても印象的でした。そして「問いを解く」側ではなく、「問いを立てる」人になることが必要なのではないか、という熱いメッセージが参加者に送られました。

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3. グループディスカッション  学生・若手のプロジェクト支援に何が求められるか

グループディスカッションでは、1年間の活動を踏まえて、何に困ったのか、そしてどのような支援があったらよかったかについて議論が行われました。また、SCOOP2019のプロジェクトメンバーは、様々な形で前年度に取り組んだ人たちの経験談を聴きました。

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オープンカンファレンスの気付き・学び

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グループディスカッションおよび、各グループの議論のまとめを踏まえ、プロジェクトのメンターであるノトコードの平林氏より、このカンファレンスからの学びと気付きについて、コメントがありました。
「SCOOP2018は初年度にもかかわらず、各プロジェクトが試行錯誤して、質の高い発表につなげることができました。プログラムを運営する側も、参加する学生・若手のみなさんの経験、感じたことを取り入れながら、少しずつ試行錯誤し、変化していく必要があります。
このオープンカンファレンスでの学びを、今年度以降のプログラム運営に活用し、SANDBOXやSCOOPのプログラムが更に発展し、多くの学生・若手を支援するものになるよう取り組んでいきたいです。

懇親会

その後、多くの参加者が残り、懇親会を行いました。
懇親会でも新たな繋がりが生まれ、参加者に新しいチャンスが訪れるなどの成果が得られています。

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