医療者とデザイナーのためのホスピタルアートの研究室
項目 | 内容 |
プロジェクトの目的 | ホスピタルアート が日本に普及しない原因として、日本に建物を立てる際にアートに価値を置く文化が少ない、ホスピタルアート の健康への影響の科学的な証拠(エビデンス)が少ない、という点が挙げられます。 今回は、医療者(科学者)とデザイナーが協力して、ホスピタルアート の健康への影響を研究することが目的です。 |
当初の計画 | 豊田地域医療センターで複数の臨床研究を行う予定です。 例えば、病室に1枚の絵を飾ることで、患者さんのせん妄を予防できるか研究を行う予定です。 別の研究では、病室に1枚の絵を飾ることで、患者さんの抑うつ症状や不安を改善することができるか研究を行う予定です。 今回の研究では、絵の健康への効果を検証するだけではなく、研究を行う上での課題を明らかにし、更なる研究へとつなげていきたいです。 |
2021年3月までの取組 | 2020年12月 豊田地域医療センターの病院が新しくリニューアルオープンされました。
2020年1月 豊田地域医療センターで飾る病室の絵が決まりました。絵は村岡ケンイチが作成、日内変動があるようなデジタルアートの仕組みは吉岡 純希が作成。 日内変動のある絵 夕方 夜 ![]() ![]() 2021年1月「日内変動のある病室の絵とせん妄の関連性の評価」倫理審査委員会に承認されました。 2021年1月 日内変動のある絵を飾るための特殊な額縁が完成しました。 2021年2月 患者さんの病室に絵を飾るかどうかランダムで選び、せん妄の発症の有無を評価した臨床研究を開始しました。 (患者さんより許可をいただき、撮影・公開しています) |
振り返り | 医療従事者だけではなく、デザイナーやプログラマーと共同で病室の絵を完成させ、臨床研究を開始することができた。豊田地域医療センターとしては、初めてのランダム比較下試験であり、病院として期待が高まった研究となっている。 一方でハード面(絵や額縁の作成)、ソフト面(研究開始の人員、チームの組織)など課題が多く、研究開始まで予想以上に時間がかかってしまった。 2021年3月に西澤が豊田地域医療センターを退職することになり、研究の継続をチームメンバーに引き継いで継続出来たらと考えている。 今回せん妄の発症を予防できるかどうかはまだわからないが、感覚として絵がない病室よりは絵がある病室のほうが過ごしやすい、快適であるという患者さんからのご意見をいただいた。 私たちが開発した日内変動のある絵は、簡単に複製できるため、多くの病院でも導入できるようなハード面作りにもチームでこだわった。今後、研究を行いながら、より多くの病院にホスピタルアートを導入し、患者さんの笑顔を増やすことができればと考えている。 |
今後の計画 | 2021年3月、病室の絵と気分障害の臨床研究の計画書を倫理審査委員会で提出予定 2021年7月 せん妄の研究の途中を解析し、Link-Jで発表 2022年3月 せん妄の研究の患者entryを終了予定 |
活動の様子 |