日本医療政策機構は、2022年10月10日(月・祝)世界メンタルヘルスデーに合わせて公開シンポジウム「災害時のメンタルヘルス支援~応急対応から継続対応に向けた支援者連携のあり方~」を会場(コモレ四谷タワーコンファレンス)とオンライン(Zoom)によるハイブリッド形式にて開催いたします。
2019年度よりスタートしたメンタルヘルス政策プロジェクトでは、メンタルヘルス政策は、精神疾患や精神障害といった継続的な医療・保健・福祉による専門的な支援を必要とする段階から、日常の中で感じる「ちょっとした生きづらさ」までを包含すると考えています。2020年にはメンタルヘルス政策に対する包括的な政策提言として「メンタルヘルス2020-明日への提言-」を公表し、「リテラシー」「医療提供体制」「地域生活基盤」「エビデンス」「マルチステークホルダー」の5つの視点からメンタルヘルス政策のあるべき姿を整理しました。
災害大国とも呼ばれる日本において、災害への備えなくして安心した生活をおくることはできず、上述の政策提言における「地域生活基盤の整備」視点からもその重要性は高いと言えます。メンタルヘルス政策プロジェクトでは、このような背景のもと、2020年度に「災害メンタルヘルスを念頭においた地域づくりを考える」専門家会合を皮切りに災害メンタルヘルスに関する議論をスタートさせました。2021年度には地方自治体の災害時メンタルヘルス対策の事例収集や今後の取り組みの在り方について検討を行いました。2022年度は、前年度に収集した事例集の多言語によるグローバルへの発信に加え、「災害時のメンタルヘルス支援~応急対応から継続対応に向けた支援者連携のあり方~」をテーマとして、災害時誰もが当事者になりうるという認識のもと、命や安全の確保を目的とした応急期のメンタルヘルス支援から、被災生活の継続そして復興に向かう上で必要な、切れ目のない支援体制の構築に向けた論点整理と今後の打ち手を考えることを目指しています。
災害時においても、誰もがこころの健康を保持しながら生活を送るには、組織や立場を超えた一体的なメンタルヘルス支援の体制整備が必要不可欠です。2つとして同じ災害はないと言われているように、メンタルヘルスも一人一人不調の基準は異なります。人々が災害に直面しても同じ地域で同じように生活していくためにも、過去の災害対応をメンタルヘルスの観点で整理し未知の災害に備えることは、日本において地域の生活基盤を整備するという点で喫緊の課題であると言えます。
本シンポジウムではこうした観点から、地域住民やメンタルヘルス当事者の視点から、災害フェーズの移り変わり、特に応急期から復旧・復興期における連携の課題に焦点を当てます。さらには、支援を必要とする人々の分類・特徴を整理し、対象者ごとに異なる支援課題などについても議論を行います。このような議論を通して、誰もがメンタルヘルス課題を抱える可能性があることを前提とし、地域における災害メンタルヘルス対策の在り方について論点を整理します。そして、それらを一貫して実行し、人々が災害時であってもその人らしい生活を送ることができるよう、シームレスな連携体制の構築に向けた今後の打ち手を考えます。
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時間 | プログラム(順不同・敬称略) |
13:00-13:05 | 開会・趣旨説明 |
栗田 駿一郎(日本医療政策機構 マネージャー) | |
13:05-13:15 | 基調講演1「災害時メンタルヘルス支援の特徴と特殊性」 |
原田 奈穂子(岡山大学 ヘルスシステム統合科学学域 教授) | |
13:15-13:25 | 基調講演2「災害時メンタルヘルス支援の実態と課題~応急期から復旧・復興期への移行に焦点をあてて~」 |
辻本 哲士(全国精神保健福祉センター長会 会長) | |
13:25-13:35 | 基調講演3「災害時の多組織連携~官民連携の実態と課題~」 |
木脇 弘二(全国保健所長会 熊本県八代保健所 所長) | |
13:35-13:55 | リレートーク「災害時メンタルヘルス支援への取り組みと課題」 |
13:55-14:55 | パネルディスカッション「シームレスな災害時メンタルヘルス支援に向けて」 |
パネリスト:(調整中) | |
モデレーター: 滋野 界(日本医療政策機構 アソシエイト) |
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14:55-15:00 | 閉会の辞 |
(調整中) |