再生医療分野は、臨床研究が数多く進展し、再生医療等製品の承認数が増えるなど、これまで治療困難とされた疾患に対しても治癒の可能性が広がりつつあります。再生医療は創薬への応用も期待されており、iPS細胞による疾患モデルを活用した新薬開発や、既存薬から効果のある薬を見出すドラッグ・リポジショニングも活発に行われています。また再生医療の実現加速化に向けて、細胞培養や輸送等のサプライチェーンの効率化が求められており、再生医療に関わる分野全体としてDXの必要性も高まってきています。
再生医療の実用化をより一層進めるためには、民間企業の再生医療分野への更なる参画が必須と考えられています。そこで昨年度に引き続き、本セミナーでは、世界最先端のiPS細胞の実用化に取り組む研究機関として公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団での取組状況や研究内容、事業化に向けた課題、オープンイノベーションに対する期待等についてニーズとともにご紹介いただき、事業者等との連携を促進し、再生医療の実用化の加速を図ります。
また関西において活発化する再生医療関連の動きをお伝えするために、未来医療推進機構の本間理事長より2024年春に大阪・中之島に誕生する未来医療国際拠点をご紹介いただき、大阪大学の紀ノ岡主幹教授より細胞製造コトづくり拠点の意義と未来医療国際拠点への期待についてご講演いただきます。
申込締切
※満席になりました
プログラム
時間 | 内容 |
第1部 | |
14:00- | 開会挨拶 近畿経済産業局長 伊吹 英明 |
14:05- | CiRA_F(サイラ・エフ)のご紹介 公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団 企画推進室 広報グループ 中上 依美里 |
14:20- | 患者さん自身のiPS細胞を用いた再生医療(my iPS®プロジェクト)の研究進捗と課題 公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団 研究開発センター センター長 塚原 正義 |
15:20- | 休憩 |
第2部 | |
15:30- | 未来医療推進機構が目指す未来医療について(仮題) 一般財団法人未来医療推進機構 理事長 本間 陽一 |
15:45- | 細胞製造コトづくり拠点の意義と未来医療国際拠点への期待 大阪大学大学院工学研究科生物工学専攻 生物プロセス工学領域 主幹教授 (兼)工学研究科テクノアリーナ細胞製造コトづくり拠点 拠点長 紀ノ岡 正博 |
16:45- | 近畿経済産業局の取組紹介 近畿経済産業局 バイオ・医療機器技術振興課 課長補佐 高橋 慎治 |
16:55- | ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)取組紹介及び閉会挨拶 一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン事務局次長 塩谷 崇 |
実用化ニーズ(共同研究テーマ)
◼ キーワード:自動、非破壊、簡便、DX、予測
◼ 閉鎖型培養装置:数mLの血液からiPS細胞の樹立・拡大培養・分化誘導・分注などを閉鎖型の装置内で実
施可能な装置の開発(装置を構成する温冷装置・微量送液技術・攪拌装置・無菌コネクタなどの要素技術)
◼ iPS細胞の作製:低分子化合物・タンパク質・RNAによるiPS細胞の作製・分化転換
◼ iPS細胞・分化細胞の均質化・高品質化:遺伝子導入技術
◼ iPS細胞/分化細胞の凍結保存技術及び安全性評価技術
◼ 培地・足場材などの原材料:ペプチド・安定RNA、長鎖一本鎖DNAの化学合成
◼ 細胞品質の評価:迅速・非破壊検査(無菌・ウイルス試験、血液検査、AI画像解析、細胞機能解析)
◼ 製造工程オンラインモニタリング:培地分析、無菌試験、粒度分布測定、三次元細胞観察
◼ 課題の予測・先取り:顕在化していない課題へのアプローチ方法
◼ 人材育成:再生医療分野における人材の教育・育成・発掘、ナレッジマネジメント
対象者
iPS細胞の実用化ニーズ、共同研究テーマに関心のある事業者 等
参加費
無料(事前申し込み制)
定員
75名(先着順、要事前申込)
※定員を超えた場合は主催側で調整することがあります。
主催
近畿経済産業局、公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団(CiRA_F)、公益財団法人新産業創造研究機構(NIRO)、一般財団法人未来医療推進機構、
一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)、バイオコミュニティ関西(BiocK)細胞製造分科会
協力
BiocK、大阪大学細胞製造コトづくり拠点、株式会社三井住友銀行
後援
大阪府