医療機器開発を巡っては、近年、国を挙げて各種の支援策が講じられています。2016年8月には厚生労働大臣主催の「医療のイノベーションを担うベンチャー企業の振興に関する懇談会」の報告書が取りまとめられ、PMDAを含めた「オール厚生労働省」での支援体制構築が提言されました。これを受けて、2017年4月、厚生労働省にベンチャー等支援戦略室が、PMDAにイノベーション実用化支援・戦略相談課が設置されました。また、同報告書において、「臨床開発に困難を伴う医療機器について、市販前の臨床試験実施に係る負担を最小化し、市販後の調査をより充実させることにより、革新的な医療機器の早期承認を行う制度」を構築すべきとされ、2017年7月、「革新的医療機器条件付早期承認制度」がスタートしました。 さらに、医療機器の開発をより効率的に行う観点から「医療機器の迅速かつ的確な承認及び開発に必要な治験ガイダンスのあり方に関する研究」(平成28年度日本医療研究開発機構委託研究)が進められてきました。その結果を踏まえて、市販前から市販後まで一貫した安全性及び有効性の確保策を実施することにより、市販前の新たな治験実施によらず、承認申請を行い得ると考えられるケース等が取りまとめられようとしています。 今まさに、このような市販前・市販後のリバランスという新しい考え方が導入されようとしています。限られた臨床データをもとに承認を行うためには、リアル・ワールド・データの利活用も重要です。また、市販後のリスク管理を計画し、リスクへの対応を厳重に行う必要もあります。市販後のリスク管理には、使用施設・使用医師の条件の設定、トレーニングの実施、市販後データの収集(レジストリの構築を含む)などが重要なテーマとなり、今以上にアカデミアとの連携・協力が必要となります。 本シンポジウムでは、市販前・市販後のリバランスにおけるアカデミアとの連携について、具体的な事例を報告・共有し、いつどのように連携をとるのか、アカデミア及び企業の抱える課題は何か、などについても考えていきます。 本シンポジウムが、これからの医療機器開発に資することを期待しています。
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38467_ext_26_0日時: 2018年4月16日(月)9:30-17:10(受付9:00)
日本橋ライフサイエンスハブ(室町ちばぎん三井ビルディング8階)
(外部サイトが開きます)
プログラム
時間 | 講演内容 |
---|---|
9:00-9:30 | 参加受付 |
9:30-9:50 | 開会の挨拶 DIA Japan 関口 康 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 俵木 登美子 |
9:50-10:00 | 基調講演 厚生労働省における医療機器レギュレーションの視点 厚生労働省 中井 清人 |
10:00-12:00 | 第一部 座長 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 俵木 登美子 Rebalancing pre- and post-market data for medical devices in the United States FDA CDRH Kenneth.Cavanaugh 日本発の医療機器創生を目指した医療機器レギュレーション 厚生労働省 雪田 嘉穂 治験ガイダンスが拓く開発パスウェイ - 市販前と市販後の一貫した取り組みを通して 公益財団法人 医療機器センター 中野 壮陛 |
12:00-13:15 | ランチブレイク |
12:00-13:15 | 第二部 座長 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 石井 健介 東京女子医科大学 村垣 善浩 医療機器の市販前、市販後を通じた有効性及び安全性評価の視点 ~審査の立場から~ 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 方 眞美 市販前、市販後調査の連携に何を期待するか 東邦大学医療センター大橋病院 中村 正人 市販前、市販後のリバランスにおける落とし穴 国立がん研究センター 中央病院 荒井 保明 |
14:45-15:00 | コーヒーブレイク |
15:00-17:00 | 閉会の挨拶 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 木下 勝美 |
17:10-18:40 | 情報交換会 |
主催
一般社団法人ディー・アイ・エー・ジャパン
お問い合わせ先
E-mail: Japan@DIAglobal.org
Tel: 03-6214-0574
Fax: 03-3278-1313