わが国の健康・医療戦略では、基礎からのシーズを臨床研究及び治験を経て、革新的な医療機器として、より早く医療現場に届けるための事業・イノベーションの創出を推進することが掲げられています。一方、医療機器として上市に至るには、優れたシーズであるだけでなく、製品化ニーズ、臨床ニーズとの合致に加え、基礎研究フェーズの段階から、後の製品化を見据えながら医療機器として必要なさまざまな要件を理解した上で医療機器開発を進めることが重要です。
AMED「官民による若手研究者発掘支援事業(社会実装目的型の医療機器創出支援プロジェクト)」(以下、本事業)は、基礎的な開発フェーズの課題を提案可能な大学等の研究者を対象として、開発サポート機関(Tokyo Biodesign)による教育プログラムやメンタリングなどの支援のもと、多角的な観点を踏まえた医療機器の研究開発を推進します。
本事業の一環として、若手研究者と企業等の連携機会・交流の創出を目的としたマッチングイベントを実施します。第8回は、本事業に採択された2名の先生より、「若手技術者による革新的医療機器開発への挑戦:薬剤搭載型バルーンカテーテル・褥瘡の再発を防ぐ乳酸菌を含有した創傷被覆材」をテーマとしてご講演頂きます。
Tokyo Biodesignについて
2015年より、米国スタンフォード大学発の医療機器イノベーション開発人材育成を目的とした「バイオデザイン」プログラムを、東京大学を拠点に展開。本事業においては、開発サポート機関として、若手研究者による医療機器開発を支援している。
プログラム
時間 | 内容 |
17:00~17:10 | イントロダクション |
17:10~17:40 | 産業技術総合研究所 主任研究員 高松 利寛 氏 |
17:40~18:10 | 東北大学 准教授 桑波田 晃弘氏 |
18:10~18:30 | 全体を通しての質疑応答・アンケート |
登壇者プロフィール
産業技術総合研究所 主任研究員 高松 利寛 氏
研究開発課題名:近赤外ハイパースペクトラルイメージングによる腸管神経叢の非染色可視化システムの開発
2010年東京理科大学理学部物理学科卒業,2014年東京工業大学総合理工学研究科博士課程修了。2014年神戸大学消化器内科学分野でポスドクを経て,2018年東京理科大学,国立がん研究センタークロスアポイントメント助教,2023年同講師,2024年からは産業技術総合研究所健康医工学研究部門主任研究員として現在に至る。 光学を専門として,内視鏡機器開発に取り組んでおり,光学設計から,デバイス開発,分光解析,画像処理,多変量解析を行なっている。2023年度よりAMED官民による若手研究者発掘支援事業のもと,高い生体透過性を有する近赤外と高い空間分解能で成分分析が可能なハイパースペクトラルイメージング技術を組み合わせて,腸管内神経叢の非染色可視化を目指している。
東北大学 准教授 桑波田 晃弘氏
研究開発課題名:表在性転移リンパ節に対するコンパクト磁気加熱プローブを用いた磁気加熱がん治療法の創製
2014年東京大学大学院工学系研究科 博士課程修了。2014年より,東京大学大学院新領域創成科学研究科・工学系研究科にて研究に従事した後,2021年より東北大学大学院工学研究科准教授として,生体医工学に関する研究に従事。 これまでに,究極のエネルギー源である核融合プラズマ発電のための磁場閉じ込めプラズマや宇宙プラズマの磁場計測技術,および磁場を用いた体に優しい生体診断や治療技術の開発に従事。現在は,磁場と磁性ナノ粒子を用いたがんの転移の診断や治療システムの開発に取り組んでいる。物理原理の検証および動物実験による診断精度や治療効果の評価をもとに,副作用の少ない,安全な医療システムの実現を目指している。
モデレーター
東京大学医学部附属病院 トランスレーショナルリサーチセンター バイオデザイン部門 特任助教 三澤 俊英 氏
対象者
産学連携による医療機器開発に関心のある企業所属の方、医療機器開発におけるシーズを広く模索されている企業の方
参加費
無料 zoomのURLは応募者のみセミナー2日前を目安にお送り致します。
主催
主催:東京大学ジャパンバイオデザイン(Tokyo Biodesign)
協賛:国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED) 官民による若手研究者発掘支援事業
協力:一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)