日本のスタートアップの魅力を世界に伝えたい
OxentiaというOxford のエコシステムの一員として仕事をしていると、英国だけでなく多くの国・地域から生まれるスタートアップ技術を目にします。そこで強く感じることは日本のスタートアップにおける技術力や着眼点、それから知財戦略はものすごくレベルが高いという点です。一方で残念に感じざるを得ない点は、グローバルへの発信力が弱いという点です。例えるならば、語学留学です。日本人は文法がすごく得意で上のクラスに入るのに、会話・コミュニケーションは苦手という状況に似ているのかも知れません。この欠点はビジネスピッチ等において如実に出てしまいます。30分間の学会プレゼンは朝飯前というアカデミア系スタートアップCEOの方が、3分間や5分間のピッチピッチは苦手という「勿体ない現象」を引き起こします。また優れたスタートアップが日本国内でのビジネス的「定着」を優先させた結果、グローバルに進出するタイミングを逃す等の別の「勿体ない現象」も認められ、自身の置かれている立場を活かして、こうした現象にひと穴開けることが出来ればと、日々試行錯誤しております。具体的には、日本のスタートアップをLondonに招きピッチを行った「London Demo Day」の立案・開催や、メンタリングを伴う長期的視点からのスタートアップ支援「Capacity building」の実施や、大企業の方の社内ベンチャープログラムを最初からグローバル視点で実施するための支援などを行っています。
英国のスタートアップが基本とする「Day 0 からのグローバル戦略」
2014年から5年ほどCambridgeの再生医療系のスタートアップ企業の一員として働いたり、多くの英系スタートアップの日本戦略のアドバイスを行ったりしている立場から、彼らのグローバル戦略に触れております。そのマインドセットを一言で表現するのであれば「意識せずともグローバル」が合っているのかも知れません。英国や欧州はそれぞれの市場規模は大きくなく、それでいて多民族・多国籍構成であることから、ビジネスを立ち上げる場合においても、その構想段階から日本、アメリカ、中国をターゲットとした戦略 (route to market strategy) を描き投資家等へのアプローチを進めます。英国は言語（英語）や時差（何と言っても標準時！）といった潜在的なメリットはありますが、多くの英国のスタートアップにおけるビジネス戦略は日本のスタートアップにとっても参考になると考えております。グローバル戦略に加え、チームマネージメントやビジネス戦略移行の妙技（ピボッティング）等、具体例と合わせてWebinar等を通じてご紹介しています。
"Oxford Evening" へのご案内
11月から毎月開催の4回シリーズで「Oxford Evening」と称したウェビナーを、LINK-J、Oxentia、Oxford University Innovation (OUI) との共同主催にて企画しています。プログラムは下記の要領で実施され、Oxfordで活躍する一線のステークホルダーが登壇する予定です。
| 開催日 | テーマ | |
| 第1回 | 2020年11月6日（金） | Innovation between Oxford and Japan - An introduction to the Oxford ecosystem |
| 第2回 | 2020年12月11日（金） | Open Innovation |
| 第3回 | 2021年1月13日（水） | IP Landscaping & IP repositioning |
| 第4回 | 2021年2月4日（木） | Intrapreneurship & Innovation Leadership Skills |
詳細は順次LINK-Jからのご案内等を通じて発信される予定です。
国内外の新規ビジネスを発掘・インキュベートし、最適なマーケットに国際展開することを行う企業BIOSPIREを2010年に英国と日本で同時に立ち上げる。グローバル大手ライフサイエンス、化学系企業等、更には英ベンチャー企業に複数年在籍している経験と人脈を活かし、主に国外におけるユニークな技術を持つ企業の日本戦略を立案・実行している。また英Oxford大学のコンサル企業Oxentiaの日本戦略コンサルタントも兼任し、日本のスタートアップ企業様のグローバルアクセラレーションに関する仕掛けづくりも数多く手掛けている。
