Walk Againはその日本せきずい基金が毎年おこなっているイベントで、神経再生研究の最新の成果を広く皆さんと分かち合うものです。
今年は、iPS細胞による脊髄損傷の再生医療に取り組んでおられる岡野栄之先生(慶應義塾大学医学部・医学研究科生理学教室教授)を沖縄にお迎えし、たっぷり60分のご講演をいただいた後、視聴者からのご質問にお答えいただく時間を設けます。Zoomウェビナーで全国どこからでもオンラインでご参加いただけます。
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40931_ext_06_0日時: 2021年12月19日(日)13:30-15:45
(外部サイトが開きます)
※現地参加、Zoomウェビナー参加のどちらも事前に参加登録が必要です(先着順)/※Zoomウェビナーのログイン情報はお申込みいただいた方に前日までにお知らせします
プログラム
※オンサイト開場時刻は13:00です
講師 岡野栄之(慶應義塾大学医学部・医学研究科 生理学教室 教授)
演題 「iPS細胞を用いた脊髄損傷の再生医療~基礎から臨床へ」
【抄録より】
私達、慶大生理学教室の研究グループは、慶大整形外科学教室の中村雅也教授・戸山芳昭名誉教授のグループとこれまで脊髄損傷に対するヒトiPS細胞由来神経幹/前駆細胞移植治療の研究をおこなってきました。古くより、脊髄損傷により失われた神経系細胞は再生しないとされてきましたが、その失われた細胞を補填する画期的な手段として再生医療には大きな注目と期待が集まってきています。特に最近では、損傷後の比較的早期にあたる亜急性期を対象としたiPS 細胞由来神経幹細胞移植について、その臨床応用を本年の6月末に開始いたしました(手術対象患者さんの募集開始)1)。
詳しくは、iPS細胞由来神経幹/前駆細胞移植の安全性、有効性について、多くの基礎研究結果を報告しており、現在はChemical Genetics(DREADD)という方法により、その回復機序の詳細な解析にも成功し、その一部は論文発表2)だけではなく、NHKニュースでも大々的に報道されました。
現在、さまざまな試行錯誤のもと、慢性期の脊髄損傷に対するさらなる治療効果増大を目指し研究をおこない、慢性期のラット脊髄損傷モデルでは、非臨床での検討ではあるものの、大きな手応えを感じており、中村雅也教授が率いる慶大チームが、医師主導治験を含む臨床への応用に向け着実に前進しています。より重度な慢性期損傷に対する細胞治療を確立するべく研究をおこなっています。今後は本治療を慢性期脊髄損傷の患者にも届けたいと考えております。
1)Sugai…Nakamura*, Okano* et al., Regenerative Medicine, 2021(*Corresponding Authors)
2)Kawai et al., Cell Reports, 2021; Kitagawa et al. , Ago et al. (in Revision)
参加費
無料
定員
〈オンサイト〉ヒルトン沖縄北谷リゾート グランドボールルーム 定員150人(収容人員の50%)/〈オンライン〉Zoomウェビナー 定員500人