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イベントレポート

LINK-Jライフサイエンス賞は質量顕微鏡による微生物抽出法開発のプレッパー

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6月19日、国内最大規模の技術系特化型アクセラレーションプログラム「BRAVE 2017 Spring」が無事に終了しました。2期目となる今回の募集には、前回を上回る63チームがエントリー。書類選考を通過した15チームが、2カ月に渡るプログラムに参加しました。最終日にはピッチ大会が行われ、参加者たちは研修で学んだ技能や、メンターや経営人材候補などのチーム参加者とともに磨き上げたビジネスプランを余すところなくピッチ内容に盛り込み大会に挑みました。

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BRAVEは他のアクセラレーションプログラムと異なり、大学や研究機関などの革新的技術の事業化支援で実績を上げています。対象領域は、ライフサイエンス、ヘルスケア、ロボット、AI、IoT、ビッグデータなどのハイテク分野。技術の事業化や将来の起業を視野に入れる研究者チーム及び起業直後のチームを対象とし、特に起業前の研究者の応募が多くを占めています。

第1期(BRAVE 2016 Winter)では、起業前の13チームのうち6チームがプログラム期間(および終了後3カ月)内の起業に成功。また、第1期を受講したチームのうち、2社が1億円以上の資金調達に成功しています。加えて、科学技術振興機構が運営するSTART(大学発新産業創出プログラム)に対する推薦団体も、第1期・第2期をあわせて合計4チームに上ります。

書類選考を通過したチームは2カ月にわたり、経営者や事業化支援のプロフェッショナルであるメンターからのメンタリングが受けられるほか、経営人材候補とのマッチングによりチーム体制を強化していきます。また、期間内には事業計画書、事業戦略、知財戦略、資金調達などの事業化における実践的な研修も受講します。第2期では初めて1泊2日の合宿形式で実施され、日本を代表するライフサイエンスベンチャーの1社であるペプチドリーム社創業者・社外取締役の菅裕明氏を始めとした講師陣により、国内外の最新動向を踏まえた熱い講義が繰り広げられました。

プログラム最終日には、ピッチ大会が開催されます。プログラムで研鑽を受けた全てのチームによるピッチが行われ、審査員による選考を通じて、最優秀賞、優秀賞、準優秀賞、協賛企業による特別賞が選出されます。賞金額は最大で200万円の賞金(または賞金額に相当する事業化支援)を受けられます。

BRAVE 2017 Springでは、検診センターで撮影された内視鏡画像の診断をサポートするシステムを開発する「内視鏡画像人工知能診断プロジェクト」が起業前部門で最優秀賞を受賞しました。優秀賞は「Instalimb」と「プレッパー」の2チーム。前者は3Dプリンタを用いて海外で低価格の義足の開発・製造を、後者は質量顕微鏡を用いて目的の微生物を選び出す方法について開発しています。またプレッパーは、全米有数のライフサイエンス団体のBIOCOMが主催するGlobal partnering Conferenceへ参加できるライフサイエンス賞(LINK-J提供)も同時受賞しました。

企業部門で最優秀賞を受賞したのは節症などをカバーする自動定量化診断支援システムのクラウド化確立を目指す「株式会社イノテック」。優秀賞は「株式会社セルファイバ」。「生きた細胞」を用いて次世代の繊維素材を作る、細胞ファイバ技術を開発する会社です。準優秀賞は「インターナショナルメディカル株式会社」で、うつ病や不安障害のアセスメントと治療の最適化を支援するオンラインツールを開発しています。

優秀賞とライフサイエンス賞のダブル受賞を達成したプレッパーは、浜松医科大学(静岡県)に活動拠点を構える研究チームです。メンバーは、大学研究者4人と外資系コンサルティング会社の社員3人。BRAVEプログラムでの参加を通して、プレッパーに興味を持ってくれた方がメンバーとして加入しました。

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「国立大学ということもあり、オーソライゼーションの重要性は、以前から認識していました。また同時期に、START(大学発新産業創出プログラム)の応募したことがきっかけとなり、BRAVEプログラムの担当者から声を掛けていただけたことが、今回の参加につながりました。」

今回の受賞を光栄ですと語るチームリーダーの浜松医科大学 医学部教授 兼 国立国際マスイメージングセンター センター長の瀬藤光利氏。「時にはチームの若者たちの猛スピードについていけないと感じたこともありましたが、これを機会に心を若くして、チャレンジを続けていきたいと思います」。BRAVEアクセラレーションプログラムについては「エコシステムの力で、世界を変えていきましょう」と、今後の更なる発展に期待を示しました。

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